「不動産クラウドファンディングは儲からないと聞いたけど、本当なの?」
「不動産クラウドファンディングのメリットとリスクを知りたい」
といった声を耳にします。
ここ数年、手軽に始められる資産運用の選択肢として「不動産クラウドファンディング」が注目を集めています。
しかし、「儲からない」という声があるのも事実です。
不動産クラウドファンディングは本当に投資対象として有効なのでしょうか。
本記事では、その仕組みからリスク、メリット、そして投資で失敗しないための重要なポイントまで、わかりやすく解説していきます。
不動産クラウドファンディングとは
不動産クラウドファンディングとは、インターネット上のプラットフォームを通じて、多くの投資家から資金を集め、それをもとに収益不動産の運用を行う仕組みです。
投資家は、ファンドと呼ばれる単位で投資先を選び、運用期間が終了すると、運用成果に応じた配当金と元本の返還を受ける流れとなります。
プロの不動産専門家が選定・運用する物件に、手軽に出資できる点が大きな特徴です。
煩雑な物件管理も運営会社に任せられるため、不動産投資初心者でも比較的容易に始められます。
不動産クラウドファンディングが「儲からない」と言われる理由
投資である以上、リスクはつきものですが、不動産クラウドファンディングが「儲からない」と言われる背景には、いくつかの事情があります。
- 元本保証がないため損する可能性がある
- 融資を利用できないためレバレッジ効果が低い
- 運営会社が倒産するリスクがある
- 税制面での優遇が少ない
儲からないと言われる理由1.元本保証がないため損する可能性がある
不動産クラウドファンディングには、元本保証がありません。
出資したお金が必ず戻ってくる保証はなく、元本割れするリスクもあります。
運用対象となる不動産の価値が下落したり、入居率が低迷したりすると、想定していた収益が得られない可能性があります。
このリスクをきちんと理解せずに投資を始めると、「思ったより儲からなかった」という結果になりかねません。
儲からないと言われる理由2.融資を利用できないためレバレッジ効果が低い
現物不動産投資では、金融機関の融資を活用して自己資金以上の不動産を購入し、大きな資産を運用する「レバレッジ効果」が得られます。
しかし、不動産クラウドファンディングでは自己資金のみで出資するため、レバレッジ効果は得られません。
少額から始められる反面、得られる利益も控えめになりやすい傾向にあります。
儲からないと言われる理由3.運営会社が倒産するリスクがある
不動産クラウドファンディングは、ファンドを組成・運営する会社の経営状況にも大きく左右されます。
運営会社が倒産した場合、投資家への配当金の支払いや元本の返還が滞る、または出資金が回収できなくなるリスクも考えられます。
このため、運営会社の財務状況や運用実績、管理体制などを事前によく確認する必要があります。
儲からないと言われる理由4.税制面での優遇が少ない
現物不動産投資と比較して、税制面での優遇措置が少ない点はデメリットと言えます。
不動産クラウドファンディングの多くは「匿名組合契約」を採用しており、この場合、投資家自身が不動産を直接保有しているわけではないため、減価償却を行うことができません。
「任意組合契約」を採用している不動産クラウドファンディングの場合、投資家は不動産を持分所有している形となり、減価償却費を自身の所得から控除できるため、一定の節税メリットを享受できます。
ただし、任意組合型のファンドの数は少なく、契約形態やリスク、運用方法についても高度な知識が求められるため、初心者にはややハードルが高いといえるでしょう。
不動産クラウドファンディングは儲かる!他の投資商品と比較してみた
ここまで不動産クラウドファンディングが儲からないと言われる理由を解説してきました。
しかし、筆者は不動産クラウドファンディングで実際に投資をして儲かっています。
ここでは他の投資商品と比較して儲かるのか解説していきます。
- 株式投資との比較
- 現物不動産投資との比較
- 定期預金との比較
株式投資との比較
不動産クラウドファンディング | 株式投資 | |
利回り | 3~6% | 5~7% |
流動性 | 低い (運用終了まですることなし) | 高い (売却タイミングをウォッチ) |
株式投資は、企業の株を購入し、企業の業績に応じた配当や、売却により利益を得る投資方法です。
投資と聞いて一番イメージするのは株式投資でしょう。
利回りは5~7%程度で、不動産クラウドファンディングに比べると高めです。
しかし、不動産クラウドファンディングの利回りも最近上がってきており、8%を超える利回りも珍しくありません。
株式投資と比べても、「儲かる」投資と言えます。
株式投資は流動性が高いため、利益を一気に増やすことも可能ですが、リスクも高い投資商品です。
現物不動産投資との比較
不動産クラウドファンディング | 現物不動産投資 | |
利回り | 3~6% | 3~6% |
初期費用 | 0円 | 頭金(平均数百万程度) |
現物不動産投資は、賃貸アパートやマンション、戸建て賃貸住宅などの収益物件を投資家自ら購入し、入居者に賃貸して家賃収入を得る投資方法です。
不動産会社の協力を得ながらですが、物件の選定から融資の手配、入居者管理、建物管理に至るまで、幅広い業務を行う必要があります。
主に利回りは3~6%程度で、不動産クラウドファンディングと大差はありません。
しかし、初期費用や運用の手間を考えれば、すぐに儲かるのは「不動産クラウドファンディング」でしょう。
現物不動産投資は長期的に投資して儲かるものと言えます。
定期預金との比較
不動産クラウドファンディング | 定期預金 | |
利回り | 3~6% | 0.2~0.3% |
リスク | ミドルリスク (元本割れリスクあり) | ローリスク (保証あり) |
定期預金は投資とは言えませんが、多くの方が試している資産の運用でしょう。
定期預金は一定期間お金を預け、満期まで引き出せない代わりに普通預金よりも高い利率が適用される預金方法です。
元本保証があるなど、資産運用の中でも特にリスクが低いです。
定期預金の金利は主に0.2~0.3%程度で設定されています。
儲かる可能性が高いのはもちろん「不動産クラウドファンディング」です。
しかし、定期預金は安定感が非常に高いので、リスクを軽減したい方におすすめです。
不動産クラウドファンディングのメリット
不動産クラウドファンディングは「儲かる」と説明しましたが、儲かる以外にもメリットはたくさんあります。
- 少額から投資できる
- 分散投資できる
- 物件管理の手間がかからない
- 金融市場、経済動向の影響を受けにくい
順番に解説します。
不動産クラウドファンディングのメリット1.少額から投資できる
不動産クラウドファンディングの最大のメリットの一つは、少額から投資できる点です。
1万円から出資できる案件も多く、不動産投資に興味があるものの資金面でハードルを感じていた人にとっては、大きなチャンスといえるでしょう。
まずは少額投資からスタートして、経験を積みながら他の投資へステップアップすることも可能です。
不動産クラウドファンディングのメリット2.複数ファンドに分散投資が可能
不動産クラウドファンディングは少額から始められ、運用期間も短い案件が多いため、複数案件への分散投資が容易です。
複数のファンドに資金を分散投資すると、リスクを軽減できます。
もし一つの案件に集中投資した場合、その案件がうまくいかなかったときの損失が大きくなりますが、複数のファンドに分けて投資すれば、全体のリスクを抑えられます。
異なる地域や用途の物件に投資を分散させ、特定の市場の変動による影響を受けにくくする戦略も有効です。
不動産クラウドファンディングのメリット3.物件管理の手間がかからない
現物不動産投資では、入居者対応や物件メンテナンスなどの管理業務が発生します。
不動産クラウドファンディングでは、こうした煩雑な作業はすべてファンド運営会社が行うため、投資家自身は賃貸管理の手間を一切かけずに投資を続けられます。
会社員や子育て世代など、時間に制約のある人にも適した投資スタイルといえるでしょう。
不動産クラウドファンディングのメリット4.金融市場・経済動向の影響を受けにくい
株式や債券などの金融商品は、経済情勢や株式市場の影響を大きく受けやすいのですが、住居系の不動産投資は比較的影響を受けにくいとされています。
不動産市場も景気の影響を完全に避けることはできませんが、賃貸需要が安定している立地の物件であれば、大きな経済ショックのときでも一定のリターンを維持できる可能性があります。
優良な不動産クラウドファンディングを選ぶポイント
リスクとメリットを踏まえたうえで、失敗しないためにはどうすればいいのでしょうか。
以下のポイントを参考に、慎重にファンドを選びましょう。
- 物件の立地・種類・運用方針などを精査する
- 劣後比率を確認する
- 運営会社の実績・情報開示姿勢を確認する
選ぶポイント1.物件の立地・種類・運用方針などを精査する
不動産投資の基本は物件選びです。
立地が良く、需要が安定しているエリアにある物件を選べば、空室リスクや価格下落リスクを抑えられます。
物件の種類、運用方針も重要な判断材料です。
住宅、オフィス、商業施設など物件の種類や、短期運用か中長期運用かといった運用方針も、自身の投資目標に合わせて確認するようにしましょう。
選ぶポイント2.劣後比率を確認する
劣後出資とは、ファンド運営会社が出資金の一部をリスク負担する仕組みです。
一般投資家よりも先に運営会社が損失を受けるため、劣後比率が高いほど投資家にとって安全性が高まります。
案件ごとに劣後比率は異なるため、ファンドの資料をよく確認し、自身が納得できるリスク水準の案件を選びましょう。
選ぶポイント3.運営会社の実績・情報開示姿勢を確認する
信頼できる運営会社を見極めることも、成功するためには欠かせません。
過去の運用実績や、ファンドの運営状況、損失が発生した際の対応などをチェックします。
ファンド内容やリスク情報をわかりやすく開示している会社は、透明性が高く、投資家を大切にしている傾向があります。
公式サイトや投資家向け資料をじっくり確認しましょう。
まとめ
「不動産クラウドファンディングが儲からない」というイメージは、元本保証などがないことから持たれているようです。
しかし、不動産クラウドファンディングは他の投資商品と比べても、同等かそれ以上に儲かる可能性の高い投資商品です。
不動産クラウドファンディングには、多くのメリットも備えています。
- 少額から不動産投資を始められる
- 複数ファンドに分散投資が可能
- 物件管理の手間がかからない
- 金融市場・経済動向の影響を受けにくい
リスクとメリットの両方を理解し、優良なファンドを見極める目を養えば、不動産クラウドファンディングは堅実な資産運用の手段として十分に活用できるでしょう。
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