ADEX / 不動産鑑定の知識

出生率1.15の2024年をどう読む?|人口推計とこれからの住宅選び

公開:更新:

発信元:アデックスリサーチアンドコンサルティング株式会社

この記事の結論

2024年の日本の合計特殊出生率は1.15でしたが、その数字だけで個別の住宅価格は決まりません。住宅選びでは人口と世帯数を分け、地域の雇用・移動、物件の管理、維持費、住み替えやすさを確認します。将来推計は前提を置いた見通しとして使います。

この記事は2024年の人口動態を出発点にした住宅選びの考え方です。厚生労働省の確定数では、日本における日本人の出生数は68万6,173人、自然減は91万9,205人でした。概数や外国人を含む速報等とは、対象と確定状況を区別します。

住宅選びの判断条件と資料を整理する流れ
目的・時点・資料・判断根拠を分けて確認します。

1. 人口減少と世帯数のピークは同じ時期ではない

国立社会保障・人口問題研究所の2023年推計の出生中位・死亡中位では、総人口が1億人を下回るのは2056年です。2024年の世帯推計では、世帯総数は2030年の5,773万世帯をピークに、その後減少するとされています。これらは異なる対象・手法の推計であり、将来の実数を保証しません。人口減少率をそのまま住宅需要の減少率にせず、単身・夫婦・子どものいる世帯等の構成と、地域への転入・転出を確認します。

2. 住宅は今の使いやすさと、変化に対応できる条件で選ぶ

間取りは人数だけでなく、仕事、収納、来客、生活時間、将来の移動のしやすさに照らして検討します。可動壁や改修が可能かは、構造、配管、規約、工事費の制約を確認します。省エネ設備も導入しているだけで将来価格の上昇を保証するわけではなく、性能、維持・更新費、実際の使用条件を比べます。マンションは管理・修繕の計画と財務、戸建ては点検・修繕履歴と今後の負担を確認し、購入価格だけでなく長期の住居費を整理します。

3. 売却・賃貸の出口は、地域と物件の資料で検証する

将来の転勤、家族構成の変化、退職等を想定し、売却までの期間や賃貸時の収支を確認します。駅に近い、人口が増えているという条件だけで売却益が確実になるわけではありません。近隣の類似物件の成約、供給計画、募集期間、管理状況、借入残高等を並べます。将来価値の試算は条件を変えた幅で示し、10年後の価格や売却成功率を確定値として示さないことが必要です。生活上の希望と、資金面で耐えられる範囲を両方満たすかを検討します。

人口動態を住宅選びに生かす確認表

人口動態を住宅選びに生かす確認表
資料・視点 意味 個別物件での確認
出生統計 対象年・集計範囲の出生動向 その年だけで需要を断定しない
人口・世帯推計 仮定に基づく将来の人数・世帯 地域の移動・家族類型
建物・管理 現在と将来の利用・維持条件 修繕、改修可否、更新費
売却・賃貸 将来の選択肢を考える資料 成約、空室、費用、残債

よくある質問

人口が減るなら住宅を買うべきではありませんか?

一律には判断できません。居住目的、保有期間、家計、地域の需要、管理・修繕等を含めて比較します。

単身世帯が増えるなら小さい住宅が必ず有利ですか?

必ずではありません。地域の需要、広さに対する賃料・価格、供給、管理費等を確認します。

このテーマの関連記事

記事の制度・市場情報は、本文で示した時点と条件に基づきます。個別物件の評価では、依頼目的、価格時点、権利関係と資料の確認が必要です。鑑定評価の業務と進め方もご覧ください。

まずは、お気軽に「不動産鑑定士」にご相談ください。

お客様のお悩みをしっかりお伺いし、
プロの視点で解決の糸口を見つけます。
以下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。