日本では近年、少子高齢化と人口減少が進行し、家族の形や世帯構成も大きく変わっています。
「これからは結婚しない人も増えるし、子どもの数も少ない。そうすると不動産の需要はどうなるの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
不動産の専門家である不動産鑑定士の視点から、人口動態や世帯構成の変化が不動産価格にどのような影響を及ぼすのか、わかりやすく解説します。
なぜ人口動態や世帯構成が不動産価格に影響するのか
不動産は「需要と供給」のバランスで価格が決まりやすい特性があります。
- 人口が減少すると住む人が減り、空き家が増える可能性
- 単身世帯の増加でマンションやコンパクトな住居の需要が変化
- 子どもの出生率低下に伴い、広いファミリー向け物件の需要構造が変わる
こうした人口や世帯の変化は、住宅需要だけでなく、商業施設や公共施設の需要にも影響を及ぼし、不動産の価格形成を大きく左右するのです。
1. 供給過多で価格下落? 空き家リスクの増加
人口減少により、地域全体で住宅が余る(空き家が増える)状況が起きれば、不動産価格が下がりやすくなります。
特に、利便性の低いエリアや築年数が古い物件は買い手・借り手が見つかりにくくなるため、資産価値の下落リスクが高まります。
2. 単身世帯増加で物件ニーズが変化
結婚しない選択をする人や離婚率の上昇などで、一人暮らしが増えると、1LDKや2LDK以下などコンパクトな住居の需要が高まる可能性があります。
逆に、4LDK以上の広いファミリー向け住宅は、子育て世帯が減れば需要が縮小する傾向があるかもしれません。
3. 一人っ子時代と相続問題
出生率が下がり、一人っ子の世帯が増えると、将来的に相続人が少なくなるため、相続物件が余りやすい状況が生まれる可能性もあります。
特に、都心部と郊外や地方で需要に大きな差が出て、地価の二極化が進むケースも見受けられます。
将来に備えてどうする? 不動産鑑定士からのアドバイス
人口動態や世帯構成の変化による不動産価格への影響は避けられませんが、対策や見極め次第で、上手に資産を守ったり活かしたりできる可能性は十分あります。
以下で、不動産鑑定士の視点からおすすめしたいポイントをご紹介します。
1. 立地の将来性を見極める
人口減少と言っても、都心部や再開発エリアなど、一部地域では引き続き需要が高まる場合もあります。
駅周辺の再開発や新線開通などのプロジェクトが進行中の地域ならば、値崩れしにくい状況が期待できるかもしれません。
2. 物件の用途や間取りを柔軟に変更する視点
単身世帯が増えていく背景を踏まえ、大きな戸建てを二世帯住宅や賃貸併用住宅などに改装できるかどうか、長期的に検討するのも一つの方法です。
不動産鑑定士は、改装後の価値や賃料なども評価可能です。
3. 相続や税務対策にも配慮
相続時に不動産が複数人の共有となると、売却や運用が難しくなるケースもあります。
不動産鑑定士に依頼して現時点の適正価格を把握すれば、生前贈与や遺産分割の検討もスムーズです。
まとめ
少子高齢化、人口減少、世帯構成の変化──これらは不動産の価格形成に大きな影響を与えますが、地域や物件特性によって状況は異なります。
- 人口が減少し、余る不動産が増えると地価下落リスクが高まることも
- 単身世帯増加などで求められる物件が変化
- 一人っ子の増加や相続問題で、物件の分配や管理が複雑化する可能性
こうした時代の変化の中で、不動産鑑定士は、公正かつ多角的な評価により、資産の保全や活用のための道筋を示します。
不動産で困ったことや将来に備えておきたいことがあれば、ぜひ不動産鑑定士にご相談ください。客観的かつ専門的な見地から、最適なアドバイスを提供いたします。
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