【出典】朝日新聞「再開発の中核施設『BASEGATE横浜関内』3月19日開業」(2026年2月17日)
JR関内駅前、旧横浜市庁舎跡地を含む再開発エリアで進められてきた大型複合施設「BASEGATE横浜関内」が、2026年3月19日に開業します。三井不動産を代表とする企業グループが手がける本プロジェクトは、関内エリア再生の象徴的な存在といえます。
敷地面積は約1万6500平方メートル。飲食店55店舗、ライブビューイング施設、映像体験施設、観光案内所、オフィス、そして旧市庁舎を活用した星野リゾートのホテルなど、多機能な都市型複合施設として整備されています。
「新旧融合」がもたらす都市ブランド価値
今回の再開発で特に注目されるのは、旧横浜市庁舎行政棟を解体せず保存・活用した点です。建築家・村野藤吾氏設計の建物を改装し、ホテルとして再生させる手法は、単なる再開発ではなく「歴史資産の継承」という価値を持ちます。
不動産市場において、歴史性やストーリー性は価格形成に影響します。単なる新築ビルよりも、文化的背景を持つ建物の方が長期的なブランド力を維持しやすい傾向があります。
これは単なる保存ではなく、「資産価値の再編集」と言えるでしょう。
横浜スタジアム直結――エリア回遊性の強化
施設は歩行者デッキで横浜スタジアムと直結しています。これは商業施設にとって非常に重要な要素です。
再開発の成否は、単体の建物ではなく「人の流れ」をどれだけ作れるかにかかっています。スポーツ観戦客、観光客、オフィスワーカーを自然に回遊させる設計は、賃料水準の維持・上昇に直結します。
実際、オフィス部分の内定率は近年竣工したみなとみらい地区の大型ビルよりも順調とされています。
IT・情報系企業の入居が多い点も、今後の成長分野と一致しています。
不動産鑑定士として見る「価格への影響」
関内エリアは長らく「みなとみらいの陰」に隠れていました。しかし、今回の再開発を皮切りに、隣接する港町地区(32階建て予定)、北口地区(21階建て予定)と連動した面的開発が進みます。
これは局所的な地価上昇ではなく、エリア全体の価格帯の底上げにつながる可能性があります。
不動産価格は以下の3要素で動きます。
- ① 利便性
- ② ブランド力
- ③ 将来期待
今回のプロジェクトはこの3つを同時に強化しています。
ただし、価格上昇は一方向ではありません。供給が増えすぎれば賃料競争が発生します。今後のオフィス需要、横浜全体の人口動向、金利環境も冷静に見る必要があります。
今後、住宅価格にも波及するか?
再開発は商業・オフィスに限らず、周辺住宅価格にも影響します。
特に駅近マンション、横浜スタジアム周辺の中古住宅は「生活利便性+エンタメ性」という付加価値が加わります。
ただし、注意すべきは期待先行の過熱です。
再開発発表直後は価格が先行上昇し、開業後に落ち着くケースも少なくありません。短期売買を前提とした投資は慎重であるべきです。
まとめ
「BASEGATE横浜関内」は、単なる商業施設ではなく、関内再生の起点です。
歴史資産の活用、スポーツ拠点との接続、オフィス需要の取り込みという構造は評価できます。
しかし、不動産は常に「価格」と「需給」のバランスで動きます。
再開発は魅力的な材料ですが、購入や投資の判断は、金利・将来人口・供給量を含めた総合的視点で行うことが重要です。

