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2026年5月12日

戸建て賃貸を「ファンド化」 一建設の動きが示す不動産市場の変化

【出典】日本経済新聞「一建設、賃貸戸建てを私募ファンドに譲渡」(2026年5月11日)

「家を建てて売る」だけだった住宅会社が、
今、「家を運用する側」に変わり始めています。

飯田グループホールディングス傘下の一建設は、保有する賃貸戸建てを私募ファンドへ譲渡したと発表しました。

運用規模は約18億円。
ファンドの運用期間は5年です。

一見すると業界向けニュースに見えます。
しかしこれは、今後の住宅市場の変化をかなり象徴しています。


「売る住宅」から「回す住宅」へ

これまで日本の住宅会社は、

  • 土地を仕入れ
  • 家を建て
  • 販売して利益を出す

という「分譲モデル」が中心でした。

しかし人口減少が進む中で、このモデルだけでは成長が難しくなっています。

そこで今、増えているのが、

「保有しながら収益を回す」

という考え方です。

今回のファンド化も、その流れの一つです。


なぜ「戸建て賃貸」が注目されるのか

ここ数年、戸建て賃貸の需要は確実に増えています。

背景にあるのは、

  • マンション価格の高騰
  • 住宅ローン金利上昇への警戒
  • 子育て世帯の広さ需要

です。

「買えないけれど、狭い集合住宅には住みたくない」

この層が増えている。

結果として、戸建て賃貸は、

  • 比較的長く住む
  • 退去率が低い
  • 家賃が安定しやすい

という特徴を持つようになっています。


不動産鑑定士の視点① ファンド化は「住宅の金融商品化」

今回の本質はここです。

住宅が「暮らすもの」から、「運用する資産」へ変わっている。

ファンドに入ることで、不動産は

  • 利回り
  • 稼働率
  • 出口価格

で評価されるようになります。

つまり、「いい家かどうか」ではなく、

「安定して収益を生むかどうか」

が重要になる。

ここで、住宅は「生活空間」であると同時に、「金融商品」に変わります。


不動産鑑定士の視点② なぜ私募ファンドなのか

今回使われたのは「私募ファンド」です。

これは限られた投資家向けに組成されるファンドで、

  • 年金
  • 金融機関
  • 富裕層

などが投資対象になります。

つまり、戸建て賃貸が、

「機関投資家が投資する対象」になり始めている

ということです。

これは市場としてかなり大きな変化です。


「流動化」が進むと何が起きるか

不動産の流動化が進むと、

  • 資金調達がしやすくなる
  • 市場が大きくなる
  • 再投資が加速する

というメリットがあります。

一方で、

  • 収益性重視になる
  • 家賃上昇圧力が強まる
  • 「住む人」より「回収効率」が優先されやすい

という側面も出てきます。

つまり、不動産市場は便利になるほど、
人の生活より数字で動きやすくなるのです。


まとめ|住宅は「所有」から「運用」へ変わり始めている

今回のニュースは、単なる企業の資産整理ではありません。

住宅市場そのものが、

「建てて売る時代」から「保有して回す時代」へ移行し始めている

ことを示しています。

そしてその変化は、

  • 家賃
  • 住宅価格
  • 住み方

すべてに影響していきます。

不動産は今後、ますます「金融」に近づいていく。

だからこそ必要なのは、
価格を見ることではなく、その裏で誰が利益を得る構造になっているかを見ることです。


【出典】
日本経済新聞(2026年5月11日)
「一建設、賃貸戸建てを私募ファンドに譲渡」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC118Q40R10C26A5000000/

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