株式会社を設立する際、不動産の現物出資を検討する方も少なくありません。
「自社のオフィス用地や工場用地として不動産を提供し、株式を発行して資本を形成したい」というケースです。
しかし、不動産を現物出資する場合は、その評価額が非常に重要になります。たとえば、税務上の手続きや将来的な会社の財務にも大きな影響を及ぼします。
そんなとき、専門家である不動産鑑定士に「出資する不動産の価値」を算定してもらうことで、スムーズかつ安心して会社設立を進められます。ここでは、税理士の先生方や事業者の皆様に向けて、そのメリットを解説します。
なぜ「不動産鑑定評価」が必要なの?
不動産現物出資では、「この不動産はいくらの価値があるのか?」が明確でなければ、正確に株式を割り当てることができません。
- 現物出資する不動産の評価が高すぎると、資本金を過大に計上してしまうリスク
- 逆に、評価が低すぎると、不動産所有者(出資者)として十分な株式を取得できず不利益
さらに、税理士の先生方が税務申告や財務諸表作成で問題がないかチェックする際にも、公正な評価があるとスムーズに進められます。
1. 会社法上の規定と実務上の必要性
会社法では、現物出資を行う場合、公正な評価が必要とされています。特に、不動産の価値が大きい場合は、裁判所や公的機関のチェックを受けることもあるため、不動産鑑定士による評価が大いに役立ちます。
2. 税務リスクの軽減
不動産評価が誤っていると、過大または過小な資本金計上により、将来的な税務調査で指摘を受けるリスクがあります。
不動産鑑定士の公正な評価があることで、財務諸表や税務申告におけるトラブルを最小限に抑えられます。
不動産鑑定士に依頼する具体的メリット
では、不動産鑑定士に評価を依頼すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
1. 公的資格者の「鑑定評価書」で根拠が明確
不動産鑑定士は、公的資格に基づいて不動産鑑定評価基準を遵守し、客観的かつ公正に価値を算定します。
結果として、鑑定評価書は法務局や税務当局、取引先などからの信用力が高く、トラブル時にも証拠資料として強い効力を発揮します。
2. 適正な株式発行をサポート
出資する不動産の適正な価値がわかることで、出資者が過大・過小な株式数を取得する不公平を防げます。
公正な発行株式数が実現できるため、将来的な株主間トラブルや経営権争いを回避するメリットも。
3. 税理士の業務負担軽減とリスク回避
不動産鑑定士の評価書があれば、税理士の先生方も安心して税務申告を行えます。
また、資本金や簿価の計上ミスによる税務リスクや行政指摘を未然に防ぐことが可能です。
依頼の流れとポイント
不動産鑑定士に現物出資用の不動産評価を依頼する際、以下のステップが一般的です。
1. 目的とスケジュールの確認
「現物出資を行う日時」や「評価が必要な理由」を明確にし、会社設立のタイミングに合った納品スケジュールを調整します。
2. 資料収集と現地調査
土地の登記情報・固定資産税通知書・建物図面などを準備し、不動産鑑定士が現地を調査して立地や周辺環境、建物状況などを詳しく確認します。
3. 鑑定評価書の作成・活用
費用性・市場性・収益性など複数の手法を駆使して評価額を算定し、評価の根拠を明確に示した鑑定評価書を納品。
これをベースに、会社定款や登記などの手続きをスムーズに進められます。
まとめ
不動産の現物出資で株式会社を設立する際、出資する不動産の評価額が正しく算定されていないと、将来的にさまざまなリスクやトラブルを招く可能性があります。
- 不動産鑑定士は公的資格に基づき、公正かつ客観的に評価額を算出
- 税理士の先生方や事業者は、安心して会社設立や税務申告を進められる
- トラブル予防や公的機関への説得力ある資料として効果大
もし、不動産の現物出資でお悩みなら、ぜひ不動産鑑定士にご相談ください。適正な評価によって、会社設立を円滑に進め、将来のリスクを大幅に減らすことが可能です。
お問い合わせ
不動産鑑定評価に関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
経験豊富な不動産鑑定士が、現物出資に伴う適正評価をサポートし、会社設立や税務対応を円滑に進めるお手伝いをいたします。
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