先日、東京都江戸川区でガス爆発事故が発生し、大きな被害と衝撃をもたらしました。
また、全国各地で下水道や水道管の老朽化による事故も相次いで報道されており、生活インフラが抱えるリスクが改めて注目されています。
こうした背景から、不動産の専門家である不動産鑑定士の立場として、住宅購入や賃貸の際に「生活インフラ」や「周辺環境」も含めて地域を選ぶことの大切さを、一般消費者の皆さまにわかりやすくご説明します。
なぜ“インフラの見えない老朽化”が問題なのか
ガスや水道、下水道といった生活インフラは、普段の暮らしでは目に見えない存在ですが、その劣化や事故は命や財産に直結する重大なリスクとなります。
1. ガス管・水道管の老朽化で事故リスクが増加
日本では、昭和40〜50年代に整備された埋設インフラが今も多く使用されており、耐用年数を超えた設備が多い状況にあります。
・ガス漏れ、爆発事故
・水道管破裂、道路陥没
こうした事故が住宅街で起これば、居住者への直接的被害や、地価・資産価値の下落にもつながる可能性があります。
2. 下水道は「合流式」「分流式」で整備時期が異なる
下水道には、
- 合流式:汚水と雨水を一つの管で処理
- 分流式:汚水と雨水を別々に整備
という2つの方式があり、分流式は比較的新しい時期に整備された地域が多いため、下水道の更新年次や事故リスクの低減にもつながる要素といえます。
住まい選びで“インフラ情報”に注目するべき理由
「この地域は便利だから」「外観がきれいだから」──その感覚も大切ですが、安全で持続可能な暮らしを考えるなら、“地中”にも目を向ける視点が重要です。
1. インフラがしっかりしている地域は安心感が高い
新興住宅地や再開発エリアでは、インフラが新しく、更新計画も明確であることが多く、災害時や日常生活の安定性にもつながります。
2. 地価・資産価値にも影響する要素
下水道やガス、水道などが適切に管理・更新されている地域は、長期的に地価が安定しやすい傾向があります。
逆に、事故や老朽化の多いエリアでは、住み替え時の売却価格や需要に悪影響を及ぼす可能性があります。
3. 不動産鑑定士が行う“見えないリスク”の評価
不動産鑑定士は、地中インフラの整備状況や事故履歴・行政資料なども確認しながら、資産としての安全性や地域価値を総合的に評価します。
購入を検討する際の「セカンドオピニオン」として、専門家に相談することで、将来のリスクを可視化できます。
まとめ
生活インフラ──それは、「あって当たり前」と思いがちな存在ですが、その安全性と整備状況が、実は不動産の価値や安心な暮らしを左右します。
- ガス・水道・下水道の老朽化による事故が各地で増加
- 分流式下水道など、比較的新しい地域はインフラ更新の遅れが少ない傾向
- 住まい選びでは、立地や見た目だけでなく、インフラの安全性にも注目
不動産鑑定士は、こうした“見えないリスク”も含めて、資産価値と安心を守る判断材料を提供します。
家を選ぶその前に、その地域が本当に安心して暮らせる場所か、一緒に確認してみませんか?
お問い合わせ
「この地域のインフラは大丈夫?」「老朽化リスクが価格に影響する?」など、住まい選びに関する疑問は、不動産鑑定士が丁寧にお答えします。
インフラも含めた安全な資産選びをサポートします。お気軽にご相談ください。
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