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「借家権って何ができて何が制限されるの?」
借家権は、他人の建物を賃借して住まいや事業所として利用する重要な権利です。その定義から契約・法定更新、賃料評価、活用方法、譲渡・転貸の注意、終了・明渡し手続きまで、不動産鑑定士が約5,000字でわかりやすく解説します。
■ この記事でわかること
- 借家権の定義と賃借権との違い
- 法的性質:当事者の権利義務と法定更新
- 借家権価格の評価方法と継続賃料の算定
- 転貸・譲渡の可否と注意点
- 契約終了・明渡し手続きの流れとリスク回避
- 実務ケーススタディ
- ADEXの専門支援メニュー
- FAQとチェックリスト
目次
1. 借家権の基本
1-1. 借家権の定義
借家権とは、借主が賃貸借契約に基づいて他人の建物を使用・収益する権利をいいます。賃借人保護の観点から、契約期間満了後も一定条件下で居住継続が可能です。
1-2. 賃借権との違い
賃借権は土地・建物両方を対象とし、広義の概念です。借家権はそのうち「建物の賃借」に特化した権利を指します。
2. 法的性質
2-1. 当事者の権利義務
借主は賃料支払義務、善管注意義務を負い、貸主は建物の使用収益を保障し、必要な修繕を行う義務があります。
2-2. 法定更新と法定賃料
借地借家法により、契約期間満了後も借主が更新請求でき、貸主は正当事由がない限り更新を拒めません。法定賃料は周辺相場を基準に適正額へ改定されます。
3. 借家権価格の評価
3-1. 借家権価格評価基準
借家権価格は、借地権評価と同様に「借家権割合」を用いて評価します。建物価額に借家権割合を乗じて算出。
3-2. 継続賃料評価
差額配分法や割引還元法で、現行賃料と市場賃料の差額を年金化し、継続的に支払うべき賃料を評価します。
4. 転貸・譲渡の注意点
4-1. 転貸の可否
原則として貸主の承諾が必要です。無断転貸は契約解除事由となり得ます。
4-2. 譲渡の注意
借家権の譲渡も貸主の許可が必要。譲渡時には債務引受人の信用調査や契約条件の再確認を行いましょう。
5. 契約終了と明渡し
5-1. 契約終了のパターン
普通借家契約は合意解除、定期借家契約は期間満了で終了します。契約書の条項確認が重要です。
5-2. 明渡し訴訟
立退き請求に応じない場合、貸主は明渡し訴訟を提起。判決後は強制執行で立退きを実施します。
6. ケーススタディ
事例:オフィスビル賃貸の借家権評価
都心オフィスビル50坪、現行賃料年間1,200万円、市場賃料1,500万円、残存期間10年、期待利回り5%。差額配分法で算定した継続賃料は年間約1,264万円となり、借家権価格は建物価額×借家権割合(約20%)で評価。
7. ADEXの専門支援
アデックスリサーチアンドコンサルティング株式会社は、借家権評価、契約書レビュー、更新・賃料改定交渉、トラブル対応までワンストップで支援します。
- 国家資格を持つ不動産鑑定士による価格評価
- 法的知見を活かした契約アドバイス
- 交渉支援&書類作成代行
8. FAQ(よくある質問)
Q1. 借家権割合はどのように決まりますか?
地域・建物用途・築年数を勘案し、国税庁公表の相続税評価割合表を基準に決定します。
Q2. 定期借家契約でも借家権は評価されますか?
定期借家は期間限定のため借家権割合は低く設定。評価時には残存期間と更新可能性を考慮します。
Q3. 借家権を担保に入れられますか?
借家権は動産的要素が強く、担保価値は低いですが、存続期間が長い場合は一定評価可能です。
9. まとめ
借家権は賃借人を保護するための重要権利です。定義・法的性質・評価方法・活用・終了手続きを理解し、契約や交渉、評価書活用で専門家と連携することが、リスクを抑えた適正な賃貸運営につながります。
当社は不動産鑑定をはじめ、空き家や相続不動産に関するコンサルティングを全国で行っています。
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