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2025年7月11日

再建築不可物件とは?原因・リスク・活用方法を不動産鑑定士が解説

 

 

「築古物件なのに建替えができない…」
再建築不可物件は、接道義務や法令制限などにより新築・増改築が認められない土地・建物です。購入・所有・相続の際に、融資制限や資産価値下落リスクを伴います。本稿では、再建築不可の理由と法的背景、評価・価格調整の手法、活用スキームと売買上の注意点まで、不動産鑑定士が詳しく解説します。

 

■ この記事でわかること

  • 再建築不可となる主な原因
  • 建築基準法・条例の法的根拠
  • 評価減価率の目安と価格調整方法
  • 賃貸・DIY・倉庫転用などの活用アイデア
  • 売買・融資・相続でのリスク回避策

 

 

1. 再建築不可物件の原因

1-1. 接道義務違反

建築基準法42条で定める「幅員4m以上の道路に2m以上接する」要件を満たさない場合、新たな建築確認が取得できません。

 

1-2. 用途地域・地形制限

市街化調整区域、斜線制限(道路斜線・隣地斜線)、日影規制などがかかると再建築が不可能、あるいは大幅な設計制限が生じます。

 

1-3. 私道問題・法定外公共物

私道所有者が consent を出さない、法定外公共物が敷地内に存在する場合も、建築許可の障害となります。

 

2. 法的根拠と制限項目

2-1. 建築基準法42条・43条

42条道路、43条但し書き道路の規定をクリアしない敷地は、原則として再建築不可となります。

 

2-2. 地方自治体条例

各市区町村の建築条例で道路幅員や敷地面積の最低基準が設けられ、これを下回ると再建築許可が下りません。

 

2-3. その他の制限

洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域などの防災規制による高規制ゾーンは建築不可判定が厳格です。

 

3. 価格評価と調整

3-1. 評価減価率の目安

再建築不可リスク土地は、取引事例比較法で類似地と比較し、20~40%程度のディスカウントを適用するのが一般的です。

 

3-2. 収益還元法による評価

賃貸転用を前提にした場合、純収益を期待利回りで割り戻し、再建築コスト不要分を価格に反映します。

 

3-3. 原価法の留意点

敷地価値のみを評価し、建物再築コストはゼロ。減価調整として接道リスク分を減価対象とします。

 

4. 活用スキームと事例

4-1. 賃貸アパート化

現在の建物を維持し、リフォームして賃貸収益を得る。ただし修繕コスト増に注意。

 

4-2. 簡易宿所・民泊利用

用途変更許可を得て民泊・ゲストハウスに活用し、高利回りを狙う事例が増えています。

 

4-3. コンテナ利用・駐車場

再建築不可を逆手にとり、コンテナオフィスやコインパーキング、トランクルームなどの低コスト活用が可能です。

 

5. 売買・融資・相続での注意点

5-1. 売買契約の留意点

再建築不可の旨を重要事項説明で明示し、瑕疵担保責任範囲を明確化する必要があります。

 

5-2. 融資制限

金融機関は担保評価を大幅に引き下げるため、自己資金比率を高めるか、リフォームローン等を併用する工夫が必要です。

 

5-3. 相続・贈与での対応

相続税評価は路線価や固定資産税評価額が適用されますが、再建築不可リスクを申告で控除申請することも検討できます。

 

6. FAQ(よくある質問)

 

Q1. 現状の建物を壊して再建築できるケースは?

接道幅を確保する借入路線やセットバックを行い、法42条要件を満たせば再建築確認が可能になる場合があります。

 

Q2. 再建築不可でもリフォームは可能ですか?

構造や用途変更を伴わないリフォームであれば、建築確認不要で実施できる場合が多いです。

 

Q3. 再建築不可を解除する方法はありますか?

法定外道路認定や私道借入、セットバックにより要件を満たせば、再建築許可が得られるケースがあります。

 

7. まとめ

 

再建築不可物件は法的制約によるリスクを抱えますが、適切な評価調整と活用スキームを駆使することで資産化は可能です。購入・保有・売却の各局面で専門家と連携し、事前に対策を講じましょう。

 



 

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