国土交通省は「不動産情報ライブラリ」で、都市計画道路の地図表示を新たに開始し、API提供にも対応しました。あわせて、不動産取引価格情報・成約価格情報(2025年Q2)、駅別乗降客数(R5年度)、指定緊急避難場所(R7年10月)などの最新データに更新。
出展:国土交通省 報道発表「『不動産情報ライブラリ』コンテンツ追加およびデータ更新!~『都市計画道路』データの追加等を10/29に実施~」(2025/10/27)
1. 何ができるようになった?(かんたん整理)
・都市計画道路(将来の道路計画)のラインが、Web地図で簡単に表示できる。
・地価公示・用途地域・防災・周辺施設などのレイヤーと重ね合わせ可能。
・API提供で、民間の住宅検索・査定・街歩きアプリ等にも取り込みやすく。
・価格・成約、駅乗降、避難場所などの定期更新で、より新しい指標が使える。
2. 不動産鑑定士の見解:暮らしと資産に直結する「見える化」
住まいの価値は、道路・交通・安全・利便で大きく変わります。これらを地図と最新データで同時に確認できるようになると、将来の変化も織り込んだ判断がしやすくなります。価格だけで比べず、“場所の質”を数字で確かめる時代です。
3. こう使うと役立つ(買う・売る・貸すの実践編)
① 買う(自分用)
- 都市計画道路:敷地や接道に将来の道路予定線がかかっていないか。セットバック・立ち退き・日影の可能性を早期に把握。
- 駅別乗降×成約・取引価格:人の多い駅=便利ですが、騒音・混雑の体感も要確認。価格の強さの“背景”が見える。
- 避難場所×ハザード:洪水・土砂・液状化と、最寄りの避難所までの徒歩ルートを重ね、夜間の明るさも現地確認。
② 売る(住み替え)
- 都市計画や防災情報を添付し、安心材料を可視化。修繕履歴や性能報告とセットで提示すると値引きを抑えやすい。
- 駅乗降や成約データで、根拠ある価格設定に。買い手の“比較材料”を先回りして用意。
③ 貸す(オーナー)
- 避難場所・ハザードの案内を入居者ガイドに明記。安心の見える化は成約スピードに効く。
- 都市計画道路の予定に沿って、将来の修繕・建替え・駐車場配置を検討。長期の収益計画に反映。
4. 都市計画道路の「注意ポイント」
- 計画=すぐ工事ではない:決定から数十年動かない区間もあります。事業化の有無・時期を市区の都市計画窓口で確認。
- 建て替え・増築への影響:予定線にかかると建築制限・セットバックが必要な場合あり。構想段階でも金融・保険の評価に影響することがあります。
- メリットもある:整備されればアクセス改善・災害時の動線確保で、利便・安全が向上。長期的な価値には追い風になる可能性も。
5. 失敗しないためのチェックリスト(保存版)
- 予定線の有無・幅員・事業化状況(市区の都市計画図と窓口確認)。
- 用途地域・建ぺい率・容積率と、将来の方針(立地適正化計画)。
- ハザード+避難所+徒歩ルート(昼・夜の実測)。
- 駅別乗降×最新の取引・成約データ(価格に納得できるか)。
- 将来費用(修繕・建替え・セットバック)が家計・収益計画に織り込めるか。
6. まとめ:地図とデータで「見える判断」を
都市計画道路や価格・駅利用・避難所の最新データが、誰でも地図で重ねて確認できるようになりました。場所の将来像を理解した上で、価格・返済計画・賃料計画を立てれば、失敗はぐっと減ります。数字と地図を味方に、安心できる住まい選び・運用を進めましょう。
出展:
国土交通省 報道発表「『不動産情報ライブラリ』コンテンツ追加およびデータ更新!~『都市計画道路』データの追加等を10/29に実施~」(2025/10/27)

