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2025年3月10日

相続時に不動産鑑定士を賢く使う重要性とは

相続時に不動産鑑定士を賢く使う重要性とは

相続が発生すると、不動産が遺産として含まれている場合はその評価額を決定する必要があります。相続税額を算出するためには不動産の評価が欠かせませんが、市場や物件の個別性を反映していない一律的な固定資産税評価額や路線価のみでは実勢価格とかけ離れるケースも少なくありません。
相続人間での争いを回避したり、相続税を正しく計算したりするためには、専門家である不動産鑑定士に評価を依頼することが有効です。適切な鑑定評価によって、物件の資産価値を正確に把握できるだけでなく、税務上の証拠資料としても役立ちます。
この記事では、相続時に不動産鑑定士を賢く使うためのポイントや手順、メリットなどを詳しく解説します。適正な評価を通じて、スムーズな相続を実現しましょう。

不動産鑑定士を活用するメリット

相続の際に不動産鑑定士を活用することには、多くのメリットがあります。以下で主なポイントを取り上げます。

1. 正確な相続税対策が可能

相続税を算出するためには、原則として国税庁が定める「財産評価基本通達」に基づく評価を行います。しかし、その評価方法が実際の市場価格とずれるケースも多々見られます。
そのため、不動産鑑定評価書を添付することで、相続税の課税価格を適正に示す証拠資料として活用できます。通常の路線価評価よりも適正な減額が見込まれる場合や、逆に高い評価が示される場合など、個別要因をしっかり反映した評価結果は、税務当局への説得力も高まるでしょう。

2. 遺産分割協議での争い回避

相続人が複数いる場合、不動産は分割が難しく、相続トラブルの原因となりがちです。「時価はいくらか」「納得できる配分になっているか」といった点が大きな論点になります。
ここで、公正な第三者である不動産鑑定士による評価があれば、客観的な根拠として役立ちます。鑑定士の評価は高度な専門性と公的な信頼性を持つため、感情的な対立を抑え、スムーズに話し合いを進めやすくなります。

3. 節税効果だけでなくリスク回避にも

相続税を少しでも抑えることを目的とする方は多いですが、正確な評価を得ずに不動産を過小評価し、税務調査で否認され追徴課税を受けるリスクもあります。不動産鑑定士の適切な評価書を提示できれば、税務署からの指摘を受けにくく、結果的に余計な追徴を回避できる可能性が高まります。
また、相続税評価や遺産分割におけるリスクだけでなく、将来の売却や有効活用を見据えた価値判断にも活かせます。相続を機に売却や建て替えを検討する場合もあるため、専門的な知識をもつ鑑定士からのアドバイスは大変有益です。

不動産鑑定評価の流れと依頼のポイント

では、実際に不動産鑑定士に依頼をする場合、どのような流れで進むのでしょうか。ここでは一般的な手順と、依頼時のポイントを紹介します。

ステップ1:事前相談と物件情報の確認

まずは不動産鑑定士に相談することから始まります。相続に関する基本的な状況や物件の所在地、用途などを伝え、大まかな費用感や鑑定の必要性を確認しましょう。事前相談を丁寧に行うことで、後々のトラブルを防ぎスムーズな鑑定作業が期待できます。

ステップ2:現地調査と資料収集

依頼が正式に決まると、不動産鑑定士は現地調査を行い、物件の状態や周辺環境を確認します。また、固定資産税評価証明書や登記簿謄本など、公的資料の取り寄せも必要です。これらの情報を総合的に分析し、市場性や取引事例などを踏まえて評価を進めます。

ステップ3:評価方法の適用

不動産鑑定評価には、原価法取引事例比較法収益還元法などいくつかの方法があります。不動産鑑定士は物件の性質や利用状況、市場動向などを踏まえ、これらの評価手法を適切に組み合わせます。
相続の場面では、活用中の宅地や賃貸物件など、状況に応じて評価手法が異なるため、経験豊富な鑑定士に依頼することで、正確かつ合理的な評価を期待できます。

ステップ4:鑑定評価書の作成・提出

最後に、結果をまとめた「不動産鑑定評価書」を受け取ります。この評価書は、税務調査や相続人間での協議において公式な根拠となります。評価書の記載内容や結論部分をしっかり確認し、不明な点は鑑定士に質問して理解を深めましょう。

依頼費用とコスト面での注意点

不動産鑑定士に評価を依頼すると、一定の費用がかかります。相続税対策のために鑑定士に依頼するかどうか、悩まれる方も多いでしょう。以下で依頼費用の目安や注意点を整理します。

不動産鑑定評価の費用目安

鑑定費用は不動産の種類や規模、難易度などによって変動します。一般的には数十万円程度から高額な場合は数百万円に及ぶこともあります。
例えば、単純な宅地の場合は30万円〜50万円程度が目安となることがありますが、商業地や大規模複合施設などの評価には調査の手間や専門性がより求められるため、費用も高額になりがちです。また、複数の物件をまとめて依頼する場合、割引を受けられるケースもあるため、事前にしっかり見積もりを取りましょう。

適切な投資と考えるべき理由

不動産鑑定評価にかかる費用は、決して安いものではありません。しかし、相続税申告の際に適正な減額が認められた場合、最終的に支払う税額が大幅に下がる可能性があります。節税効果が鑑定費用を上回ることもあるため、単なるコストとしてではなく将来の損失回避・トラブル回避のための投資として位置づけるのが賢明です。
また、不正確な評価で税務署からの調査や追徴課税を受けるリスクを考慮すると、専門家の鑑定評価による安心感は大きなメリットといえるでしょう。

不動産鑑定士の選び方と注意すべきポイント

不動産鑑定士を選ぶ際には、いくつかのポイントをチェックすることでより満足度の高いサービスを得られます。

実績と専門分野の確認

不動産鑑定士にも得意分野があります。住宅用地に強みがあるのか、商業施設や投資用不動産に強いのかなど、自身の相続対象となる物件のタイプに合った鑑定士を選ぶとスムーズです。
また、相続案件の実績や税理士・弁護士との連携実績を確認することで、トラブル時にも柔軟に対応してもらえる可能性が高まります。

コミュニケーションと提案力

相続の場面では、単に評価を提示するだけでなく、どう説明するかが非常に重要です。不動産鑑定士がどの程度、税理士や弁護士と協力しながら進められるか、相続人へわかりやすく説明してくれるかをチェックしましょう。
不動産の将来的な有効活用や売却を視野に入れたアドバイスを得られる鑑定士であれば、相続対策の幅も広がります。

複数の鑑定士を比較検討

依頼先を一社に決める前に、複数の鑑定士に見積もりや相談を行うことをおすすめします。費用や対応の違いを客観的に比較でき、相続に対する理解や柔軟性なども見極めやすくなります。
ただし、価格だけでなく評価の妥当性やサービス内容にも注目し、総合的に判断することが大切です。

まとめ

相続時に不動産鑑定士を活用することで、相続税の適正な評価や遺産分割協議のスムーズ化、将来的なリスク回避など多くのメリットを得ることができます。評価の信頼性は税務当局や相続人間でも高く認められ、結果的にトラブルを防ぎつつ正しい税負担を実現できるのです。
不動産鑑定士に依頼する際には、物件に合った実績や専門性、コミュニケーション力などを総合的に見極めましょう。適切な投資と考えることで、納得感のある相続手続きを進められるはずです。
相続は人生でも大きなイベントの一つ。専門家の力をうまく借りて、スムーズかつ公正な相続を実現してください。

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