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2025年7月10日

非接道地とは?建築制限・評価・活用のポイントを徹底解説

 

 

「道路に接していない土地は建築や活用が難しいのでは?」
非接道地は建築基準法42条で定められた接道義務を満たさない土地であり、住宅建築や再建築、融資・担保設定において制約や評価減を受けるケースが多くあります。本稿では、非接道地の法的規定から建築可能性の確保方法、価格評価・取引上の注意点まで、不動産鑑定士が詳しく解説します。

 

■ この記事でわかること

  • 非接道地の定義と分類
  • 建築基準法における接道義務の詳細
  • 建築可能性を確保する具体的手法
  • 評価減価と価格調整の目安
  • 活用スキームと事例紹介
  • 取引・担保設定時のリスク回避策

 

 

1. 非接道地の基本

1-1. 定義と分類

非接道地とは、建築基準法第42条で規定する「幅員4m以上の道路に2m以上接していること」が要件であるのに対し、これを満たさない土地を指します。前面道路が存在しないケースや、道路に面していても接面幅が不足するケースがあります。

 

1-2. 前面道路なし・接面不足のパターン

  • 完全非接道地:道路との接点がない
  • 隅接地・点接道地:隅や角のみで接する
  • 間口狭小地:接道幅が2m未満

これらは用途地域や周辺状況によって建築可否が変動します。

 

2. 建築基準法における接道義務

2-1. 道路の定義と接道要件

建築基準法では「道路」とは公道・私道のいずれも含みますが、幅員4m以上であること、かつ敷地がその道路に2m以上接していることが必要です。接道義務を満たさないと原則として建築確認が受けられません。

 

2-2. 接道義務の例外・緩和措置

法42条2項2号に該当する「既存不適格」を除き、借入路線認定やセットバックにより接道幅を確保する手続きが認められる場合があります。自治体との協議や承認が必要です。

 

3. 建築可能性の確保方法

3-1. 借入路線の活用

隣地所有者との協力で私道を借入路線として認定し、幅員4mを確保する方法です。覚書や地役権設定など法的整備が必要になります。

 

3-2. セットバックと道路拡幅

隣接道路の中心線から2m後退して敷地を切り下げるセットバックを行い、道路幅を拡幅させる手続きです。都市計画道路や行政の指導に基づく場合が多く、費用と期間を要します。

 

3-3. 特殊建築手法の適用

許可基準を満たすために、建築審査会の同意取得や特定行政庁の裁量による許可を得る手法がありますが、適用は極めて限定的です。

 

4. 経済的評価と価格調整

4-1. 評価減価の考え方

非接道地は取引事例比較法で類似地と比較し、接道性の欠如を補正します。一般には10〜20%程度のディスカウントが適用されることが多いです。

 

4-2. 価格調整率の目安

立地や用途、周辺開発計画によって補正率は幅広く設定されますが、戸建用地の場合おおむね▲15%前後が相場とされています。

 

5. 活用スキームと事例

 

事例:借入路線を取得して住宅建築した非接道地
B氏は隣地住民と協定を結び、私道を借用して幅員4mを確保。建築確認を取得し、新築分譲住宅として3,500万円で販売に成功しました。

 

6. 取引・担保利用の注意点

売買契約時には接道証明の書類や借入路線契約書の提出を必須とし、担保設定時は債権者が利用制限を把握できるよう抵当権設定条項を丁寧に整備しましょう。

 

7. FAQ(よくある質問)

 

Q1. 非接道地でも建築確認が絶対に取れませんか?

借入路線やセットバックで接道義務を満たせば、建築確認が可能になるケースがあります。

 

Q2. 補正率はどのように決まりますか?

類似地取引の事例分析と、接道幅・間口距離・用途地域を勘案して決定します。

 

Q3. 担保設定時のリスクは何ですか?

接道義務未履行の場合、再建築不可リスクがあるため、担保価値の変動に注意が必要です。

 

8. まとめ

 

非接道地は法的制約と評価減が避けられませんが、借入路線やセットバックなどのスキームを適切に活用することで建築可能性を確保し、取引・担保活用時のリスクを最小化できます。専門家と連携し、事前に対策を講じましょう。

 



 

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