今後、賃貸住宅を建設・運営していくにあたり、従来の「単身者向け」「ファミリー向け」といった区分だけでなく、入居者の世代ごとの価値観に目を向けることがますます重要になってきます。
中でも、これからの主な入居者層となるZ世代(1990年代後半~2010年代前半生まれ)は、デジタルネイティブ世代として、従来とは異なるライフスタイル・住まいの価値観を持っています。
不動産の専門家である不動産鑑定士の立場から、Z世代の嗜好性を踏まえた賃貸住宅のあり方について、賃貸物件オーナー様に向けてわかりやすくご提案します。
Z世代が住まいに求めるものとは?
Z世代は、スマホやSNSが生活の中心にある世代。
物件を選ぶときも、「どこに住むか」よりも「どう暮らすか」を重視する傾向があります。
1. デザイン性・映えを意識
・内装はシンプル+おしゃれが基本
・白基調や木目調の内装は人気が高く、SNSで「映える」空間が求められます
・「無印っぽい部屋」「韓国風インテリア」など、個性を活かせる自由度もポイント
2. インターネットとスマート家電対応
・Wi-Fi無料、高速インターネット完備は必須条件に
・スマートロック、IoT照明などのデジタル設備は差別化に効果的
・リモートワークや動画配信にも対応した通信環境の整備は、Z世代の「当たり前」です
3. サステナブル意識・環境配慮
・エネルギー効率の高いエアコンやLED照明など、省エネ性能も選ばれるポイントに
・再生可能素材の利用、グリーンカーテンなどの環境に優しい工夫が評価される傾向も
・「自分が選ぶことで地球に貢献したい」という意識を持つZ世代も少なくありません
4. ワークスペースとプライベート空間の両立
・コロナ禍を経て、在宅ワークのニーズが定着
・1LDKや2Kなど、仕事と生活を分けられる間取りが人気
・コンパクトでも収納力や多目的スペースのある設計が好まれます
不動産鑑定士が見る「Z世代対応」の資産価値とは
Z世代のニーズを満たす物件は、単に満室が続きやすいというだけでなく、将来の資産価値にも良い影響を与えると考えられます。
不動産鑑定士としては、収益性や市場性といった観点から、以下のように評価します。
1. 収益力の安定が資産価値を下支え
Z世代の入居ニーズに合致した物件は、空室リスクが低く、家賃下落の抑制にもつながります。
これは、将来の収益還元法による評価額の安定につながり、不動産としての資産価値維持に寄与します。
2. 売却時・融資時にも「選ばれる物件」に
不動産を売却したり担保に出す場合も、入居率の高さや市場トレンドとの整合性が評価されます。
Z世代のニーズを見据えた物件は、将来的にも選ばれやすい物件となり、流動性と評価額が高まる可能性があります。
まとめ
Z世代を中心とした入居者ニーズの変化は、これからの賃貸経営において避けて通れないテーマです。
- デザイン性・通信環境・サステナビリティなど、多様な要素が入居判断の鍵
- 不動産鑑定士は、市場性・収益性を客観的に評価し、将来の資産価値維持をサポート
- 「今だけ」ではなく、「10年後にも選ばれる賃貸住宅」づくりが投資の安定に直結
もし、これから賃貸住宅を建設・運営されるなら、Z世代の嗜好性と専門家の視点を掛け合わせて、長期的な収益と価値を生む物件を計画してみませんか?
ぜひ、不動産鑑定士にご相談ください。
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