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トラブル解決 共有持分

2025年1月18日

共有持分の相続で注意すべきポイント

不動産の共有持分(共有名義)を相続する場面は意外と多く、相続人同士のトラブルや不動産の処分に関する問題が起きやすい分野です。共有持分は「不動産を複数人で共有している状態」を指しますが、一度相続が発生すると、相続人の数だけ持分が細分化される可能性があります。そうなると、処分や活用の際にさまざまな制約が生じ、相続人同士で意見がぶつかることも珍しくありません。
 
この記事では、不動産鑑定士が共有持分の相続について注意すべきポイントを詳しく解説いたします。共有持分で不動産を所有している方や、これから相続に直面される方の参考になれば幸いです。

共有持分の相続とは?

共有持分の相続とは、被相続人(亡くなった方)の持っていた不動産の共有持分を、その相続人が引き継ぐことをいいます。相続の仕方としては、遺産分割協議で話し合うケースがほとんどですが、協議が整わなければ法定相続分に従って自動的に分割されることとなります。
 
つまり、不動産自体を丸ごと分割できず、権利としての「持分」だけを相続する形になりやすいのが特徴です。共有持分はあくまで不動産に対する「持分割合」なので、不動産全体を単独で自由に処分できるわけではありません。そのため、他の共有者の同意を得る必要があるなど、実際に活用しようとする際に思わぬ制約やトラブルが生じることがあります。

共有者全員が関わる権利関係

共有持分は、一人ひとりが固有の持分割合を持ちながらも、不動産全体を共有している状態です。つまり、一人が勝手に不動産を売る、賃貸に出す、リフォームを行うなどは難しく、原則として共有者全員の同意が必要になります。これは、共有物を使用・収益する際には共有者それぞれの権利がある程度制限されるという民法の基本的なルールによるものです。
 
そのため、共有者同士の利害や意見が対立すると、不動産の利用・処分に支障が生じたり、交渉が長引くなどの問題が起こります。特に相続によって共有者が増えすぎると、さらに意思決定が難しくなるケースが多いのが実情です。

法定相続分と実際の利用状況のギャップ

法定相続分は法律上の割合で決まりますが、必ずしも被相続人が意図した形や、実際の利用状況にマッチしているわけではありません。例えば、住んでいる人と住んでいない人が混在する場合、住んでいない人が自分の法定相続分を行使して「売りたい」「自分の持分を買い取ってほしい」という主張をすることも十分に起こり得ます。こうしたとき、住み続けたい人と売りたい人の意見がぶつかれば、対立が深刻化し、長期化する恐れがあります。
 
共有持分が細かく分割されていればいるほど、各相続人の状況や意見も多様化します。このギャップを解消するためにも、早い段階で遺産分割協議を行い、なるべくスムーズに権利関係を整理しておくことが重要です。

共有持分相続で気をつけるポイント

共有持分を相続する際は、以下のポイントを理解しておくとトラブル回避や円滑な手続きに役立ちます。特に、多くの相続人が絡む場合や、不動産の利用方法が限定される場合には注意が必要です。

1. 遺産分割協議の段取りと合意形成

まず、遺産分割協議は相続人全員が参加しなければ無効となります。相続人が海外に住んでいる、行方不明、音信不通などのケースでは協議自体が進まず、共有状態が長期化するリスクがあります。また、協議を円滑に進めるためには事前に不動産の調査や鑑定を行い、共有持分の価値を把握しておくことも大切です。
 
合意形成の際には、公平性を考慮すると同時に、実際の利用状況や相続人それぞれの事情も踏まえて話し合う必要があります。場合によっては、売却や代償分割(他の相続人に金銭を渡して共有持分をまとめる方法)なども選択肢として検討することで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

2. 持分売却や持分買取の検討

共有持分を単独で売却することは可能ですが、買い手が見つかりにくいなどのデメリットがあります。特に権利関係が複雑な共有物件は、通常よりも価格が低くなりがちです。一方、他の共有者に買い取ってもらう「持分買取」は、比較的スムーズに手続きが進む場合もありますが、財産状況や意見の対立などにより、話がまとまらないリスクもあります。
 
売却を検討する際には、不動産会社や専門家に相談し、市場価格を踏まえた上で最適な判断を行うことが望ましいです。共有持分だけを売る場合は、一般の不動産市場とは異なる特別なルートでの売却となるケースもあり、専門業者のサポートが不可欠です。

3. 紛争が起こりそうな場合の対策

共有持分の相続では、利用方法や売却の可否などで紛争が起きやすいのが現実です。もし相手方との協議が難航しそうな場合は、早い段階で弁護士などの専門家に相談することが得策です。裁判所の調停や訴訟に発展すると、時間も費用もかかりますので、できるだけ「話し合いによる解決」を目指すのが望ましいでしょう。
 
また、相続人同士でコミュニケーションが取れない場合でも、第三者を間に入れることで、感情的なもつれを解消しやすくなります。自分一人で抱え込まず、専門家や信頼できる仲介者に協力を仰ぐことで、トラブル拡大を防ぐことができます。

相続登記・手続きの具体的手順

共有持分の相続が発生した場合、速やかに相続登記を行うことが基本です。登記を放置してしまうと、後々のトラブルが深刻化するほか、売却や融資などを検討する際にも余計な手続きやコストがかかることがあります。以下では、相続登記の一般的な流れを確認してみましょう。

1. 必要書類の収集

相続登記には、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書などが必要です。さらに、遺産分割協議書を作成して、相続人全員の署名・実印押印を得ることが不可欠になります。遺言書がある場合は、その内容に従った手続きを行うことになるため、遺言書の検認手続きも必要となるケースがあります。
 
書類収集は一見地味ですが、ここで抜け漏れがあると登記申請の際に受理されず、手戻りが発生することも珍しくありません。事前に専門家に相談して、必要書類を一覧化しておくとスムーズです。

2. 遺産分割協議書の作成

相続人全員がそろい、協議内容がまとまったら、その内容を文書化した「遺産分割協議書」を作成します。これには、相続登記の名義を誰がどの割合で取得するか、現金や預金の分割方法なども含め、一度決めた内容を変更するには再度全員の同意が必要です。そのため、協議の段階で慎重に検討しなければなりません。
 
共有持分を相続する場合も、具体的に「〇〇市〇〇町〇丁目〇番地の土地 共有持分2分の1をAが相続する」などと明記しておく必要があります。将来的な争いを避けるためにも、協議書は公正証書にしておくと安心です。

3. 法務局への相続登記申請

必要書類と遺産分割協議書が準備できたら、法務局に行って相続登記申請を行います。登記簿上の情報が最新の状態になれば、正式に名義変更が完了し、相続した共有持分を第三者に示すことができるようになります。なお、法務局は不動産の所在地を管轄するオフィスに行うのが原則ですが、オンライン申請や郵送による手続きが可能な場合もあります。
 
相続登記が完了すれば、共有者同士の持分割合が登記簿に記載され、法的に保護される状態となります。登記費用は登録免許税や司法書士報酬などがかかるため、あらかじめ見積もりを出してもらい、費用面の準備をしておくことが望ましいです。

相続対策や活用方法のヒント

共有持分の相続が避けられない場合でも、事前の対策や適切な活用プランによって、相続後のトラブルを最低限に抑えることができます。以下にいくつかのヒントを挙げます。

生前贈与や遺言書の活用

生前贈与や遺言書の作成によって、あらかじめ相続人ごとの持分を整理したり、共有状態そのものを回避したりする方法があります。例えば、生前に不動産を売却して現金化し、それを相続人に分配する形をとると、共有によるトラブルをそもそも発生させないことが可能です。
 
また、遺言書があると、被相続人の意思を明確に示せるので、相続人同士の対立を減らす効果が期待できます。とくに共有持分の扱いは遺産分割協議でもめることが多いため、事前にどのように分けたいかを具体的に遺言書に記しておくとよいでしょう。

共有者同士のルールづくり

相続後にどうしても共有状態を避けられない場合は、共有者同士で将来のルールを作っておくことが大切です。例えば、「売却の際には全員の同意を得る」「リフォームなどの大がかりな工事には事前に打ち合わせを行う」など、トラブルになりそうなポイントをあらかじめ明確化しておくと良いでしょう。
 
共有状態が長期化するほど問題が起こる可能性も高まるため、持分の買い取りや売却の方法・時期についても、ある程度話し合っておくと安心です。将来的に不動産を手放すかどうかの方針を共有者間で認識合わせをしておけば、急な状況変化にも対応しやすくなります。

専門家への早期相談

相続対策には弁護士、税理士、司法書士、不動産鑑定士など複数の専門家の知見が必要となります。共有持分の相続は特に複雑化しやすいため、早期に専門家へ相談し、最適なプランを立ててもらうことが望ましいです。状況によっては、売却・活用のノウハウを持つ業者と連携することで、スムーズに問題解決を図ることができます。
 
共有不動産の評価や、市場での売却価格の見通し、税務上の注意点など、総合的に考慮して最適な判断を下すことが重要です。相続人が多数の場合でも、第三者のプロが客観的なデータを提示してくれることで、話し合いが進めやすくなります。

まとめ

共有持分の相続は、不動産の活用や売却、さらには相続人同士の人間関係に大きな影響を及ぼす重要なテーマです。単に法定相続分を分けるだけではなく、実際の利用状況や相続人の意向をすり合わせながら、合意形成を図っていくことが欠かせません。特に、複数の相続人がいる場合や、すでに共有状態がある物件の場合は、早めに専門家へ相談しておくとよいでしょう。
 
協議をスムーズに進めるために必要なのは、正確な情報と適切な助言です。共有持分の相続問題は放置すればするほど複雑化し、将来的な紛争リスクも増大します。大切な資産を守り、円満に相続を進めるためにも、ぜひ今回の記事を参考に、早い段階から準備を進めてみてください。

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