正しく知りたい通行掘削権とは?
「旗竿地で道路に出るには隣の私道を通るしかない…」「水道管の掘削許可を求めたら断られた…」
通行掘削の問題は、放置すると建築不可・給排水ストップ・資産価値ダウンにつながります。
本記事では①用語の基本 → ②典型トラブル → ③解決フロー → ④費用・期間を、図解つきでわかりやすく解説します。
■ 1. 通行掘削権って何?2つのキーワードを整理
- 通行地役権:道路に面していない土地(袋地)が「他人の土地を通る権利」。民法213条が根拠。
- 掘削同意:上下水道・ガス管などを私道地下に敷設する際、土地所有者の同意を得ること。
ポイント:通行権があっても「掘削権」は別。通行OKでも掘削NGはよくあるので注意が必要です。
■ 2. よくあるトラブル3パターン
| 事例 | 原因 | 放置リスク |
|---|---|---|
| ① 私道通行拒否 | 維持管理費の未払い | 車両通行不可→建築確認が下りない |
| ② 掘削同意拒否 | 騒音・振動への懸念 | 上下水道が引けず住宅ローン否決 |
| ③ 私道名義が共有者不明 | 相続未登記で所在不明 | 同意取得が不可能→建替え停止 |
■ 3. 解決までの5ステップ
- 権利関係を調査…公図・登記事項証明書で所有者と地役権設定の有無を確認
- 維持管理費を整理…未払いがある場合は精算案を提示
- 同意書案を作成…通行・掘削の範囲と工事期間、復旧義務を明記
- 面談交渉…騒音対策・補修費用負担など譲歩条件を提示
- 公正証書化 or 登記…書面合意後に公証役場で確定させ、将来のトラブルを防ぐ
コツ:話し合いが決裂したら、通行・掘削に代わるべき土地使用訴訟(民法213条の類推適用)で裁判所に許可を求めることもできます。
■ 4. 費用と期間の目安
| 項目 | 費用目安 | 期間 |
|---|---|---|
| 権利調査(司法書士) | 3〜5万円 | 1週間 |
| 測量(通行幅確認) | 10〜20万円 | 2〜3週間 |
| 同意書作成(行政書士) | 5〜8万円 | 1週間 |
| 公正証書手数料 | 1〜3万円 | 即日 |
| 裁判(代用許可) | 30〜60万円 | 6〜12か月 |
FAQ|よくある質問
Q. 私道の所有者が行方不明でも掘削できますか?
A. 家庭裁判所で「不在者財産管理人」を選任し、代わりに同意を得る手続きがあります。
Q. 同意料(通行料・掘削料)の相場は?
A. 通行料は月額1,000〜3,000円、掘削料は工事費の3〜5%が目安ですが地域差が大きいです。
Q. 裁判になると近隣関係が悪化しそう…
A. 調停センターや弁護士の代理交渉で感情的対立を避ける方法があります。
まとめ|通行掘削トラブルは「調査→同意書→公正証書」でスピード解決
通行掘削問題は権利関係の確認 → 同意書作成 → 書面化の流れで円満に解決できます。
- 通行権と掘削権は別物と理解
- 費用と期間を把握し早めに動く
- 協議が難しければ裁判 or 買取で根本解決
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