共有者が行方不明でも、自分の持分の売却や、不動産全体の売却に向けた手続きを検討できる場合があります。ただし、返事がないだけでその人の権利を処分することはできません。まず所在を調べ、何を売りたいかに応じて手続きを確認します。
内容確認・更新:2026年10月16日
共有者が行方不明なのか、返事がないのかを確認する
住所や本人が分からない状態と、居場所は分かるが売却に反対・無回答の状態は区別します。電話が通じないという理由だけで、法的に所在不明と決まるわけではありません。
登記、戸籍・住民票等の調査、返送された郵便、これまでの連絡記録などを整理します。取得できる資料や必要な調査の範囲は、弁護士・司法書士などへ相談しましょう。
自分の持分と、不動産全体の売却を分ける
自分の持分の売却は、原則としてほかの共有者の同意を必要としません。ただし、買主が購入後に利用できる範囲や、権利を整理する見通しは査定に関わります。
行方不明者の持分も含めて全体を売りたい場合は、その人の権利を適法に扱う仕組みが必要です。不明者を除いた人だけで、本人の署名や印鑑を代わりに用意して進めることはできません。
不在者財産管理人は、売却の許可を別に確認する
不在者に財産管理人がいないなどの条件を満たす場合、家庭裁判所に管理人の選任を申し立てる制度があります。「1年以上連絡がなければ使える」という一律の要件ではありません。
選任された管理人が不動産を売るには、家庭裁判所の権限外行為許可が必要です。管理人は、売却を希望する共有者のためだけに動く代理人ではなく、不在者の財産を管理する立場です。
費用は申立手数料だけではありません。郵便料、調査費、報酬、必要な場合の予納金などを確認します。売却代金を受け取るまで、先に用意する資金が不要とは限りません。
所在等不明共有者の持分を取得・譲渡する裁判もある
| 目的 | 制度の違い |
|---|---|
| 自分が不明者の持分を取得したい | 所在等不明共有者の持分取得の裁判を検討 |
| 第三者へ不動産全体を売りたい | 所在等不明共有者の持分譲渡権限付与の裁判を検討 |
これらは不動産所在地の地方裁判所で扱う手続きです。価格資料や所在調査の資料を提出し、裁判所が定める金額の供託などが必要になります。全体を第三者へ売る制度では、所在等不明者以外の共有者全員が、その第三者へ持分全部を譲渡することが条件です。
対象の持分が、共同相続人間で遺産分割をすべき相続財産に属するときは、相続開始から10年の経過などを確認します。公告を出すだけで他人の持分を自由に売れる制度ではありません。
失踪宣告は、安く早く売るために選ぶ手続きではない
失踪宣告は、一定期間生死が不明な人について、法律上死亡したものとみなす制度です。普通失踪は生死不明が7年間続いた場合など、危難失踪は危難が去った後1年間生死不明の場合など、それぞれの要件があります。
宣告により相続が始まっても、残った共有者が当然にその持分を売れるわけではありません。相続人や相続財産の手続きを確認する必要があります。費用の安さや希望売却日を点数化して、この制度を選ぶことはできません。
相談前にまとめたいこと
- 登記上の共有者と、相続の発生・遺産分割の状況
- どこまで所在を調べたか、その記録
- 自分の持分だけか、全体を売りたいのか
- ほかの共有者の意向と、現在の利用者
- 調査・供託・予納金などに用意できる資金と希望時期
法律上の手続きは要件から検討し、売却する場合の価格や条件は別に確認します。SAへは、所在調査がどの段階かも含めてお知らせください。
売却の進め方を、専門チームに相談する
共有者の所在が分からず、売却方法を検討している方はご相談ください。現在の名義や調査状況を伺い、ご自身の持分を含めた買取条件を確認します。
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