相続資産を「現金」で残すリスク──申告漏れ、課税、そして“争族”の火種に
奈良市に住む不動産会社役員の兄妹の自宅から、現金約10億2千万円が見つかりました。大阪国税局は、2022年に亡くなった母親の遺産を申告せず隠匿したとして、相続税法違反容疑で告発。相続税約5億2300万円の脱税額にのぼるとみられます。株式会社SAは、現金保管によるリスクと、相続資産の「見える化・適正申告」の重要性を解説します。参照：日本経済新聞｜10億円自宅で保管、遺産か　不動産業者告発。
 

◆ 現金10億円、申告漏れの経緯

告発されたのは、奈良市在住の不動産会社「増井グループ」の取締役・増井功氏（64）と妹の和子氏（56）。母親は創業者で、ホテル売却益などから得た資産を現金で自宅保管していたとされています。母親の死後、遺産申告を怠ったまま3年が経過。大阪国税局が調査に入り、押収された現金は約10億円。兄妹が意図的に隠したと判断し、奈良地検に告発しました。
 

◆ 「現金で遺す」はなぜ危険か

相続資産を現金で保管している場合、通帳記録や登記と異なり、把握が難しいため脱税・隠匿の疑いを招きやすくなります。
主なリスクは以下の通り：
① 申告漏れリスク：現金は相続財産に含まれ、発見時には加算税・延滞税が課される。
② 相続トラブル：分割が困難で、兄弟間の不信感を増幅。
③ 管理リスク：盗難・紛失・火災などに対し補償が効かない場合が多い。
④ 評価困難：海外資産・現金・非公開株などが混在すると、税務調査時に延長審査の対象になる。
「現金で残す安心」は、実は“見えない不安”を抱える行為といえます。
 

◆ 相続税の現実：5億円超の課税

大阪国税局は、母親の死亡時点の財産を基準に約5億2300万円の相続税を算出。兄妹は修正申告を行い納税を済ませたとされています。相続税率は最大55％。課税資産が多額になるほど「現金よりも構造的な分散・信託・贈与対策」が必要です。
 

◆ 株式会社SAの視点：資産は「見える化」と「承継設計」で守る

株式会社SAは、共有持分・底地・再建築不可・相続放置不動産の整理を専門とする再生企業です。今回のようなケースでは、①資産の可視化（財産目録・不動産評価の明確化）、②信託・贈与・売却によるリスク分散、③専門家連携による節税と承継計画が有効です。「遺す」から「渡す」へ──現金よりも仕組みで守る相続が求められます。
 

◆ まとめ：相続の透明化が家族を守る

「現金で残せば安心」という考えは、税務・安全・心理のいずれにおいても時代遅れです。相続の透明化と事前設計こそ、家族の信頼と資産を守る唯一の方法です。株式会社SAは、相続放置不動産・複雑資産・共有持分の整理を通じ、“争族を防ぐ相続”を支援します。
 

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