三次市の行政代執行の公表資料では、建物の危険な状態に対し、指導、勧告、命令、戒告が段階的に行われた経過が示されています。事例の予定額を全国共通の解体費と捉えず、手続きと所有者が取るべき対応を分けて確認しましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
三次市の行政代執行は、2025年10月に実施予定を公表
広島県三次市は2025年10月6日、空家等対策特別措置法に基づく行政代執行の実施を公表しました。公表資料では、2025年10月22日を着手予定日としています。この記事で紹介するのは、その時点の公表内容であり、工事の完了や最終費用を確認したものではありません。
対象は木造二階建ての店舗兼住宅です。道路に面する壁の一部が崩落し、屋根や外壁の欠損、柱の腐食、梁の変形などが確認されたと説明されています。
所有者が把握され、通知等を経て進められた事例です。所有者が分からない空き家に対する手続きと、ひとまとめにしないことが大切です。
指導・勧告・命令・戒告の経過を確認する
| 公表資料にある時期 | 主な対応 |
|---|---|
| 2023年9月 | 指導書による対応 |
| 2024年4月 | それまでの指導を経て勧告書を送付 |
| 2024年11月 | 命令書を送付 |
| 2025年3月 | 戒告書を送付 |
| 2025年10月 | 行政代執行の実施予定を公表 |
この経過は当該事例のもので、すべての物件に同じ日程が当てはまるわけではありません。法令には、通常の代執行のほか、所有者を確知できない場合や緊急時の手続きもあります。
「空き家だからすぐ解体される」「手続きには必ず数年かかる」とは考えず、届いた文書の種類、求められる措置、期限を読み取る必要があります。
約400万円は、この事例の公表時点の見込み額
市の資料は、代執行の費用を約400万円と見込み、全額を所有者から徴収するとしています。これは最終的な支出額や徴収の完了を示す数字ではありません。
行政が実施した解体であっても、所有者の費用負担がなくなるわけではありません。建物の規模、周辺の状況、必要な工事等により費用は変わるため、この金額を別の家の解体相場として使うこともできません。
自分で工事を行う場合は、自治体に必要な対応を確認したうえで見積もりを取ります。解体、廃棄物、付帯工事等の範囲を確かめ、補助制度を利用したいときは発注・着工前の条件も確認します。
自治体から通知が届いたら、文書と現状を整理する
- 文書の名称、担当部署、連絡先、回答・対応の期限を確認する
- 自治体が問題としている箇所と、求める措置を確認する
- 所有者、相続人、管理担当者の情報を整理する
- 既に行った点検・補修と、今後の対応案を資料で伝える
- 資金や相続等で対応が難しい事情は、期限前に担当窓口へ相談する
危険な建物の内部や屋根に自分で入って状況を調べることは避けてください。道路や隣地への落下など差し迫った危険がある場合は、自治体や専門業者へ早急に連絡し、安全確保を相談します。
遠方に住んでいる場合も、通知を受け取れる連絡先と現地対応の担当を決めておくと、連絡の行き違いを減らせます。
売却を相談するときも、通知の内容を先に共有する
修繕や解体だけでなく売却を検討する場合は、自治体からの文書、現況写真、点検結果、見積もりなどを相談先へ渡します。買主が判断するために、危険な箇所や対応期限を明らかにすることが必要です。
売却を相談中であることだけで、自治体の手続きや所有者の対応が自動的に止まるわけではありません。自治体への連絡を続けながら、売却条件と安全確保の予定を調整します。
- 1 / 3内容を読む文書の種類、措置、期限を確認
- 2 / 3対応を相談する安全確保と工事、費用の見通しを整理
- 3 / 3方針を伝える自治体との連絡を続け、保有・売却を検討
売却の進め方を、専門チームに相談する
自治体から通知が届いた空き家や、修繕・解体の負担から売却を検討している物件はご相談ください。専門チームが文書の内容と現況を伺い、買取の可否と引渡し条件を検討します。
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