築57年、杉並区で起きた擁壁崩落事故。見過ごされてきた「構造インフラの老朽化リスク」とは
東京都杉並区で、隣接するマンション敷地に面した高さ約5メートルの擁壁が崩壊し、一戸建て住宅が全壊しました。幸いにも居住者は避難して無事でしたが、区は40年以上前から亀裂を確認し、所有者に修復を指導していたにもかかわらず抜本的な対応は取られませんでした。全国で老朽化する擁壁は100万基以上──都市部でも“静かな危険”が進行しています。参照:47NEWS|杉並区の擁壁崩落事故。
 
◆ 57年前に造られた擁壁、長年の亀裂がついに崩壊
崩落が起きたのは9月30日夜。住宅の土台部分にあたる擁壁は1968年に施工され、老朽化が進んでいました。1984年には亀裂が発見され、杉並区は所有者に修繕を指導。しかし補修はモルタルでの応急対応に留まり、長年“危険な場所”と認識されていました。崩壊の6日前、所有者が「補強工事を行う」と区に連絡していましたが、工事は間に合いませんでした。
 
◆ 行政の限界、住民の不安
行政代執行による強制補修は検討されましたが、居住中で影響が大きいことなどを理由に実施されませんでした。道幅が狭く施工が難しい、業者が見つからないといった現場の制約も重なり、結果的に「手を打てなかった」まま崩落。近隣の住民は「ずっと怖かった。自治会でも話題になっていた」と語ります。
 
◆ 専門家の指摘:寿命30年を超えた擁壁は全国で100万基以上
東京理科大学・高橋治教授によると、「擁壁のコンクリート寿命はおよそ30年。高度経済成長期に造られた多くが、すでに耐用年数を超えている」と警鐘を鳴らします。特に海岸沿いや酸性雨の多い工業地帯では劣化が早く、異常気象による豪雨で土圧が高まれば崩落リスクはさらに上がります。
 
◆ 家の健康診断を怠らない
高橋教授は「擁壁は人間の体と同じ。日常的に点検し、膨らみや水漏れ、亀裂を見つけたらすぐ相談を」と強調。数年に一度は建築士など専門家の診断を受け、補修費用が高額になる前に対応することが重要です。自治体によっては、補修にかかる費用の3分の2を補助する制度もあります。東京都港区では最大5千万円まで助成する仕組みが整っています。
 
◆ 株式会社SAの視点:老朽化した住宅・擁壁を「リスクから資産」へ
株式会社SAは、再建築不可・傾斜地・底地など“構造的リスクを抱える不動産”の再生を専門に行っています。今回のような擁壁崩落は、構造の問題であると同時に「管理・判断の遅れ」がもたらす人的リスクでもあります。
SAでは、擁壁や基礎構造を含む「建物健診プログラム」を提案。老朽化した住宅を定期的に評価し、修繕・再生・売却の最適なタイミングを明確化します。“対応の遅れ”を“先手の備え”に変える。──これが私たちの予防哲学です。
 
◆ まとめ:見えない構造こそ、定期点検が命を守る
建物の外観がきれいでも、土台が老朽化すれば一瞬で崩れる。
私たちの暮らしは“目に見えない構造物”に支えられています。
杉並区の事故は、都市部でも起こり得る現実。今こそ、自宅の足元を見直す時期です。
株式会社SAは、住宅・擁壁・傾斜地を含めた総合的な資産安全診断で、あなたの「家の健康」を守ります。
 
訳あり不動産でお悩みの方へ
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