【参照】産経ニュース
URL:https://www.sankei.com/article/20251122-XHPH7PM3QRNWNPU42BYHDA5NYE/
能登半島地震の被災地で所有者不明空き家の解体が進まず復興を阻害
能登半島地震の被災地域では、所有者不明空き家が少なくとも100棟確認されており、解体が進まないことで復興の妨げとなっています。
石川県北部の自治体が適用を検討している「所有者不明建物管理制度」は、公費解体を可能にする仕組みですが、事務手続きの煩雑さから実際の運用が難航しています。
新制度「所有者不明建物管理制度」とは何か
令和5年4月施行の改正民法に基づき創設された制度では、自治体など利害関係者が裁判所に申し立てると、弁護士や司法書士などが管理人として選任され、裁判所の許可を得て建物の公費解体を進めることができます。
本格的な活用は今回の能登半島地震が初例となりましたが、登記や課税情報の調査により「所有者不明である根拠」を示す必要があり、現場では調査の負担が重くなっています。
自治体現場では「半年かかる」「人手が足りない」と悲鳴
輪島市で確認された52棟のうち裁判所に申し立てられたのは36棟、解体が完了したのはわずか4棟。
相続登記が数十年にわたり放置されているケースが多く、相続人調査が枝分かれし、人員と時間が不足しています。
別自治体の担当者は「管理人選任まで半年かかる」と現状を語り、制度が現場の負担に耐えられていない実情が浮き彫りとなっています。
全国の空き家は過去30年で倍増、所有者不明も急増
総務省によると、全国の空き家は2023年時点で900万2000戸。総住宅数の約7戸に1戸が空き家という深刻な状況です。
空き家率が高い県は、徳島21.3%、和歌山21.2%、鹿児島20.5%。都市部の埼玉・神奈川・大阪・福岡では減少している一方、地方での増加が顕著です。
背景には、高齢化・人口減少、相続放置、住宅の老朽化が複合的に絡み、相続登記の義務化(令和6年施行)後も実施率は伸び悩んでいます。
空き家の放置は地域リスクに直結──火災・倒壊・不法投棄
空き家の放置は「倒壊リスク」「火災の延焼」「治安の悪化」「景観と資産価値の低下」など多面的なリスクを生みます。
放置されたままの空き家は、災害時に倒壊して道路を塞ぎ、復旧作業を妨げる要因にもなります。
今回の能登半島のように、被災地で所有者不明空き家が増えれば、復興速度が大きく低下する可能性が高まります。
制度の限界を超えるための「特別立法」提案も
行政法の専門家・岡田博史教授は、相続人の中で家を占有している者が単独で公費解体申請できる特別立法の制定を提案しています。
これにより、相続人の一部が消極的でも復旧を進められ、迅速な防災対策につながるとしています。
特定空き家制度に加え、実効性のある立法支援が求められています。
株式会社SAの視点:空き家問題は「法務・相続・防災」が交差する総合課題
株式会社SAは、所有者不明・相続放棄・再建築不可・老朽化が絡む複雑な空き家を、法務整理・相続調査・権利調整・解体・再生まで一貫して支援しています。
空き家を放置すると防災・復興・資産価値のすべてに悪影響が及びます。
制度の限界を補うためにも、専門家の関与と早期相談が不可欠です。
空き家は「時間が経つほど動かなくなる」ため、相続・登記・現地調査の早期着手こそが最も効果的な対策となります。
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