【参照】日本経済新聞

URL：https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC30BG20Q5A031C2000000/
 

公営住宅の空き家が全国で5万戸超、「目的外使用」で再生の動きが拡大

昭和期に大量供給された公営住宅で空き家が急増し、2023年度の空き家数は全国で5万戸を突破。空き家率は2.4％と過去最悪を記録しています。
老朽物件が増え、入居募集ができない空き室も多く、自治会の担い手不足や地域コミュニティの衰退につながっていました。
こうした状況の中、全国で「目的外使用（地域対応活用）」による再生が進み、15府県で空き家率が改善しています。
 

宮崎県は空き家率が4.0ポイント改善、学生寮・実習生住居として活用

改善幅トップは宮崎県で、5年間で空き家率が4.0ポイント改善し1.6％に。
宮崎市では、公営住宅の空き室を宮崎大学の学生寮や技能実習生の寮として貸し出す協定を締結。
学園木花台団地など広い3DK住戸を複数人で共有することで、若者世帯の家賃負担を抑える効果も生まれています。
農業法人との協働によるベトナム人実習生の受け入れでは、自治会活動への参加によってコミュニティが再び活性化する好事例も。
 

地方団地の孤立問題と「若者流入」の効果

北九州市立大学・楢原真二名誉教授は「空き家増加で共益費の出し手が不足し自治会が機能不全に陥る」と指摘。
若者が住むことで自治会活動・清掃・祭りの再開など、地域コミュニティの再生につながると分析します。
実際に宮崎市池内団地では、技能実習生が清掃・花壇管理に参加し、住民同士の交流が増えるなど、団地全体に活気が戻りつつあります。
 

芸術家向け住戸・スポーツ選手の居住・子育て世帯の優先入居も拡大

京都市は醍醐中山団地の空き室を若手芸術家のアトリエ兼住居として提供。
香川県では野球独立リーグの選手向けに住戸を確保し、スポーツ支援と地域活性化を両立。
静岡県では子育て世帯の優先入居制度を設け、24年度から中高生のいる家庭にも対象を拡大しています。
団地が「閉じた空間」から「地域に開かれた生活拠点」へ変わりつつあることが特徴です。
 

空き家活用が進まない背景──老朽化と募集停止住戸の存在

公営住宅の空き家には、修繕が追いつかず募集すらできない「集計外空き家」が多数存在します。
特に昭和期に建てられた住宅はエレベーターがなく、高齢者が階段を上れず上層階が空き室化する現象が続いています。
清山知憲・宮崎市長は「老朽物件の解体と管理戸数の適正化は必要だが、十分住める住戸は積極的に活用したい」としています。
 

目的外使用が生むメリット──空き家削減・所得向上・地域の再生

・空き家削減
・若者流入による自治会活動の再生
・地域コミュニティの担い手確保
・技能実習生・学生・芸術家など新たな住民層との共生
・団地の所得構造改善
など、多面的な効果が見られます。
多様な住民が入居することで、団地の孤立化を防ぎ、地域ぐるみの活性化が期待されます。
 

株式会社SAの視点：空き家活用に必要なのは「法務整理」と「多様な受け皿」

株式会社SAは、相続放棄・旧耐震・再建築不可・所有者不明など、民間では扱いにくい空き家を法務整理から再生まで一気通貫で支援しています。
公営住宅の目的外使用が示すように、空き家活用には「柔軟な発想」と「適切な権利整理」の双方が不可欠です。
空き家を地域課題の“負債”ではなく、学生・技能実習生・若者・子育て世帯など多様な住民を受け入れる“未来への資源”に変えることができます。
全国で増加する公営住宅・民間空き家の活用において、専門的な調査・権利整理・適正評価を担う企業との協働が、地域再生を大きく前進させます。
 

訳あり不動産でお悩みの方へ

共有名義・再建築不可・相続放棄・所有者不明など、扱いに困る不動産をお持ちではありませんか？株式会社SAが法務整理から売却・再生までを一貫サポートします。
 
【24時間電話相談OK】TEL：03-6823-2420
【問い合わせフォーム】https://sakk.jp/contact/
 
東京の住宅問題を、動かない不動産の再生から解決します。