【出典】朝日新聞「日本の総人口1億2305万人 前回から309万人減 国勢調査速報」(2026年5月29日)
2025年国勢調査の速報値が公表されました。
日本の総人口は1億2305万人。
2020年の前回調査から309万7千人減少し、減少率は2.5%となりました。
人口が増加した都道府県は東京都と沖縄県のみ。
残る45道府県は人口減少となりました。
この数字は単なる統計ではありません。
不動産市場にとっては、今後の資産価値を左右する極めて重要なデータです。
不動産価格は人口と無関係ではない
不動産価格を決める要素は数多くあります。
- 立地
- 交通利便性
- 再開発
- 所得水準
- 金利
しかし、その土台にあるのは「人」です。
住む人が減れば住宅需要は減ります。
働く人が減ればオフィス需要も減ります。
つまり人口減少は、不動産市場にとって最も大きな構造変化の一つです。
全国で見ると「人口減少」が標準になった
今回の調査では、全国1719市町村のうち1558市町村で人口が減少しました。
割合にすると90.6%です。
もはや人口減少は一部地域の問題ではありません。
これまでは地方の課題として語られることが多かった人口減少ですが、今後は全国共通の前提条件になります。
不動産を購入する際も、「将来この地域に住む人がいるのか」という視点がこれまで以上に重要になります。
東京一極集中はさらに進んでいる
興味深いのは、全国人口が減少する中でも首都圏への集中は続いていることです。
東京都の人口は1424万人となり、日本全体の11.6%を占めています。
さらに東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の首都圏4都県の人口は全国の30.1%を占めています。
つまり、日本人の3人に1人近くが首都圏に住んでいる計算になります。
不動産鑑定士として見ると、この傾向は今後もしばらく続く可能性があります。
人口減少=すべての不動産価格が下がるわけではない
ここで誤解してはいけないのは、人口減少と不動産価格下落は必ずしも一致しないということです。
実際、東京都心部では人口減少局面でもマンション価格が上昇しています。
その理由は、
- 土地供給の不足
- 建築費高騰
- 再開発
- 高所得者層の集中
などの要因が重なっているためです。
これからの不動産市場は「全国一律」ではなく、地域ごとの差がさらに広がるでしょう。
不動産鑑定士の視点 これからは「人口が増える街」を探す時代ではない
これまでは人口が増えている地域を探すことが投資判断の一つでした。
しかし今後は違います。
人口が減ることが前提の社会になります。
その中で重要になるのは、
- 人口減少が緩やかな地域か
- 働く人が集まる地域か
- 再開発や産業集積があるか
- 交通インフラが維持されるか
といった視点です。
つまり、「人口が増える場所」を探すのではなく、人口減少の中でも選ばれ続ける場所を見極める時代に入ったと言えます。
まとめ
今回の国勢調査は、日本が本格的な人口減少社会に入ったことを改めて示しました。
不動産市場にとって重要なのは、人口減少そのものではありません。
人口減少の中で、
- どの地域に人が集まるのか
- どの地域から人が離れるのか
- どの地域が選ばれ続けるのか
を見極めることです。
これからの不動産は、「土地を持っているだけで価値が上がる時代」ではありません。
人口減少社会の中で、どの街が生き残るのか。
その視点が、資産価値を考える上でますます重要になっていくでしょう。
【出典】
朝日新聞(2026年5月29日)
「日本の総人口1億2305万人 前回から309万人減 国勢調査速報」
https://www.asahi.com/articles/ASV5X4G6YV5XULOB008M.html

