空き家の再利用を「地域の力」に、郡山発・民間主導のまちづくり
福島県郡山市で、空き家を地域の交流拠点に生まれ変わらせる取り組みが始まっています。コノマチ不動産の佐藤弘樹社長は、住民が自ら手を動かし、DIYで空き家を再生。「取り壊しではなく活用を選ぶ文化」を広げています。株式会社SAは、この取り組みを地方発の「訳あり不動産再生モデル」として高く評価しています。
 

◆ 郡山で生まれた民間団体「まちのアトツギ」

郡山市の中心部、元町地区の再生に取り組む「まちのアトツギ」は、地域住民や職人、有志12人による民間団体です。老舗ガラス店主、建築士、カメラマンなど、全員が本業を持ちながら地域課題に向き合う「住民主導のまちづくりチーム」。空き家や空き店舗の増加に対し、ゴミ拾いイベント、例大祭の参加、学生との読書交流など、小さな地域活動を積み重ねてきました。参照：日本経済新聞｜コノマチ不動産社長・佐藤氏　DIY生かし空き家を「地域の拠点」へ。
 

◆ DIYで空き店舗を改修、「nokado本町」が誕生

2025年5月、元青果店兼パン屋だった空き店舗をDIYで改修し、住民交流拠点「nokado（ノカド）本町」が誕生。建物の内装は自前で仕上げ、塗装は地域住民とワークショップ形式で実施。地域の人が“手をかけて再生する”プロセスそのものが信頼と関心を生み、「空き家を活用するきっかけ」へとつながっています。お披露目イベントでは、地元ブルワリーやパン屋の出店、昔の写真展示などを通じて町の歴史と人のつながりを再発見する機会となりました。
 

◆ 「町全体の大家さん」構想と空き家マッチング

佐藤氏は、空き家活用を単なる不動産事業ではなく、「町全体の大家さん」のような地域共同体的発想で進めています。郡山市は地価が下がりにくく、不動産取引の競争が激しいため、空き店舗を持つ所有者が「貸さずに持ち続ける」傾向が強いと指摘。そこで、コノマチ不動産が仲介役となり、空き家を一時的に借り上げ、次の借主や用途を提案する“マッチング型再生モデル”を立ち上げました。すでに、高齢者の居場所づくりを目指す団体から空き家活用の相談が寄せられるなど、地域連携の輪が広がっています。
 

◆ 「空き家を動かす」ことが地域を動かす

佐藤氏が目指すのは、行政補助や大型再開発ではなく、住民が自ら手を動かし、時間をかけて信頼を築く「草の根型まちづくり」。DIYと不動産の知識をかけ合わせ、空き家や訳あり不動産を“地域の資源”に変える取り組みは、全国の地方都市に応用可能なモデルです。空き店舗を再生し、駄菓子販売や本の交換棚、イベントスペースとして活用することで、地域の人の交流と経済活動を再び生み出しています。
 

◆ 株式会社SAの視点：不動産再生の新しい形

株式会社SAは、共有持分・再建築不可・底地など「訳あり不動産」を専門に扱う再生企業です。コノマチ不動産の郡山モデルは、私たちが全国で進める「負動産から資産へ」という理念と通じています。SAは、不動産を“売る”のではなく“活かす”という発想で、地域再生・空き家再生・相続不動産の整理をワンストップで支援しています。空き家問題は、制度ではなく「地域がどう関わるか」で未来が変わる──その最前線に、こうした地方発の挑戦があります。
 

◆ まとめ：DIYがつなぐ不動産とコミュニティの再生

郡山市で進む「空き家を地域の拠点に変える」取り組みは、地方創生の新しい原型です。空き家を取り壊すのではなく、手をかけ、愛着を持って再生する。それが地域の経済と人のつながりを取り戻す最短距離です。株式会社SAは、このような民間の動きを支援し、全国の空き家・訳あり不動産の再生を通じて、「動かす不動産、息づく街」を実現していきます。
 

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