【参照】日本経済新聞
URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD052UW0V01C25A2000000/
所有者不明空き家の増加、制度の整備だけでは追いつかない現実
全国の空き家は2023年時点で約900万戸。所有者が特定できず、倒壊・火災・延焼リスクが高い「管理不能の空き家」が各自治体で深刻化しています。
こうした課題に対応するため、2023年4月に民法が改正され「土地建物管理制度」が創設。利害関係者や自治体が裁判所へ申立てれば、弁護士等の「管理人」が選任され、解体・売却が可能となりました。しかし、制度は整ったものの、自治体が積極的に利用できない“最大のボトルネック”が財政負担です。
管理制度の申立件数は全国で253件、利用率が伸びない理由は財政負担
最高裁によると、2025年3月末までの建物の管理申立件数はわずか253件にとどまっています。その背景には、自治体が管理人選任を申し立てる際に支払う「予納金」の負担が重いことがあります。
予納金は管理人報酬・管理費・解体費などに充てられ、
・状態が良ければ数十万円
・解体必須の空き家では数百万円〜1000万円超
となる例もあり、財政規模の小さい自治体にとって極めて大きな負担です。
解体費が高騰、予納金の回収はほぼ不可能──神戸市の例
神戸市では2024年に「空き家対策特命チーム」を設置し、積極的に制度を活用しています。
2024年4月〜2025年11月末で96件の申立てを行い、予納金総額は約9000万円。
しかし、売却益で予納金を回収できた例はわずかで、1割程度のケースでは“ほぼ戻らない”状況です。
特に密集市街地の老朽空き家では、解体費が想定を大きく上回り、1件で1000万円を超える負担となった例もあります。
「積極的に取り組む自治体ほど赤字になる」──現場の悲鳴
管理制度は本来、自治体の空き家対策を後押しする仕組みです。
しかし実態は、「積極的に動く自治体ほど財政負担が増える構造」になっています。
また、所有者不明空き家は地方に多く、小規模自治体では予算・職員数ともに不足しているため、制度の利用自体を躊躇するケースも目立ちます。
制度があっても、運用されなければ空き家は減らず、倒壊・火災・延焼リスクは放置されたままとなります。
指定都市市長会が「基金方式」を国に提言、制度改革へ
神戸市など政令市で構成する指定都市市長会は、予納金制度を改め、「供託金(売却益)と同額を国が自治体の基金に拠出し、売却価格が低い空き家の解消にあてる仕組み」を提案しています。
これは「自治体だけが損をする現状」を是正し、制度の利用促進につながる方法として注目されています。
一方、国の反応は依然として慎重で、現場との温度差が課題として残ります。
空き家対策は自治体だけでは限界──民間・専門家の役割が急拡大へ
空き家問題の深刻化に対し、国は制度を整備してきましたが、
・相続未登記
・所有者不明土地
・解体費高騰
・管理放置
・地方自治体の財政不足
など構造的な課題が絡み、自治体のみでは対応しきれない状況です。
ここで重要になるのが、民間企業・専門家の関与です。
空き家の法務整理・買取・権利調整・再生を担う専門事業者が地域の隙間を埋めることで、自治体の財政負担を大幅に軽減できます。
株式会社SAの視点:所有者不明化の“前”で止める仕組みが最も重要
株式会社SAは、共有持分・再建築不可・老朽化・相続放棄・所有者不明が懸念される不動産を、法務整理→買取→再生までワンストップで支援しています。
今回の日経記事が示す最大のポイントは、「所有者不明になってからでは遅い」 ということです。
✔ 相続放棄が連鎖し所有者不明化する前の整理
✔ 立地・状態が悪く売れない不動産の出口づくり
✔ 自治体の予納金負担を生まない事前解決
これらを民間が担うことで、自治体は「管理制度を使うべき空き家」に集中できます。
SAは、不動産の負債化を早期に止めることで、地域の安全と税負担の軽減に貢献していきます。
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