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トラブル解決 共有持分

2025年2月12日

不動産の共有持分における相続税対策を徹底解説|初心者にもわかりやすく解説

相続の場面で、不動産を「共有持分」という形で複数人が所有しているケースは珍しくありません。親が亡くなって兄弟で相続したり、配偶者や親族と一緒に土地や建物を所有していたりと、共有名義の不動産はさまざまな場面で登場します。
しかし、共有持分のまま相続すると、将来的なトラブルや相続税の計算で思わぬ負担が発生する可能性もあるため、事前の対策が重要です。本記事では、不動産の共有持分が相続税にどのような影響を及ぼすのか、具体的な相続税対策はどのように進めればいいのかをわかりやすく解説します。

専門用語をできるだけ避けつつ、不動産鑑定士・宅地建物取引士としての知見を踏まえ、初心者の方でも理解しやすいように整理しましたので、ぜひ参考にしてください。

共有持分とは?その基礎知識をおさらい

共有持分とは、一つの不動産を複数人で所有している場合に、それぞれが持っている「権利の割合」のことを指します。たとえば、一つの土地を「Aさんが50%、Bさんが30%、Cさんが20%」といった具合に共同で所有している状態が共有名義です。そして、それぞれの所有割合を「共有持分」と呼びます。

このような共有状態は、親が残した不動産を兄弟姉妹で相続したり、夫婦や親子で購入した不動産を共有したりと、さまざまな形で発生します。単独名義と比べると、売却や建て替えなどの重要な意思決定にすべての共有者の同意が必要になるため、将来的なトラブルリスクが高くなる点が特徴です。

相続税の基本的な仕組み

共有持分の相続税対策を考える前に、まずは相続税そのものの仕組みを理解しておきましょう。

1. 課税対象となる遺産の総額

相続税は、被相続人(亡くなった方)の遺産をすべて合計した財産価格から、基礎控除(3,000万円+法定相続人×600万円)などを差し引いて計算します。遺産には現金や預貯金だけでなく、不動産、株式、生命保険金など多岐にわたる財産が含まれます。

2. 相続税の計算手順

  1. 被相続人の全財産を評価
  2. 債務や葬式費用などを差し引き、課税遺産総額を求める
  3. 各相続人の法定相続分に応じて「仮に分割した」金額をもとに相続税を計算
  4. 最後に、実際の遺産分割(誰が何を相続するか)に合わせて税額を調整

ここで、不動産の評価額が高いほど課税遺産総額が増え、相続税の負担も大きくなりがちです。そこで、いかに不動産の評価を適切に行い、場合によっては控除や特例を活用するかが相続税対策のカギとなります。

共有持分における相続税評価のポイント

不動産の相続税評価は、「路線価方式」または「倍率方式」によって行われるのが一般的です。土地であれば「路線価」、建物であれば「固定資産税評価額」などをベースにして評価します。

1. 共有持分の評価はどうなる?

共有状態の場合、通常であれば不動産全体の評価額を算出し、そのうえで持分割合に応じた評価を行います。ただし、共有名義であることによって、売却や利用が制限される側面があるため、市場価値が下がる可能性があります。
実務的には、不動産全体を評価したうえで、その共有持分を第三者が取得すると仮定した際の取引価格がどのようになるか、「共有持分の割引」という考え方を取り入れる場合があります。ただし、税務上は原則として「一物四価(いちぶつしか)」の評価方法を用いるため、簡単に評価額を下げられるわけではありません。

2. 共有持分の分割評価と実務上の取扱い

法的には自分の持分を自由に売買できますが、市場では共有持分のみを購入する人は少なく、価格が低くなりやすいという実態があります。
しかし、税務当局は「共有持分でも売却可能性がある」とみなし、個別事情による大幅な減額を必ずしも認めるわけではありません。評価を下げたい場合は、不動産鑑定士による客観的な評価や、実際に売却を行った取引事例など、客観性のある資料を整備する必要があります。

不動産の共有持分で検討すべき相続税対策

共有持分がある不動産を相続する際、将来のトラブルや税金対策を見据えて、いくつかの方法を検討しておくと安心です。以下では、代表的な対策をご紹介します。

1. 単独所有化を図る

相続人同士の話し合い(遺産分割協議)で、できるだけ共有状態を避け、単独所有にする方法があります。たとえば、土地を長男が相続する代わりに、次男・三男は預貯金や他の財産を多めに相続するといった具合です。
単独所有化することで、不動産を活用する際の意思決定がスムーズになり、後々の売却や賃貸のハードルが下がります。一方で、単独所有する人が負う相続税が高くなる可能性もあるため、公平感や資金計画とのバランスを考慮しながら進める必要があります。

2. 共有者間での持分交換や贈与

すでに共有状態で相続してしまった場合でも、共有者同士で持分を交換したり、誰か一人にまとめて贈与するなどして、後から単独所有化を進める方法があります。
ただし、持分の交換や贈与には贈与税不動産取得税などの費用・税金が発生する可能性があります。相続税対策として行う場合でも、ほかの税負担が増えないように注意が必要です。事前に専門家とシミュレーションしたうえで検討しましょう。

3. 小規模宅地等の特例を活用する

不動産が居住用の土地である場合、相続税の計算において「小規模宅地等の特例」を適用できる可能性があります。この特例を使えば、一定の要件を満たすことで土地の評価額を最大80%減額できることも。
たとえば、亡くなった方と同居していた親族がその家に住み続ける場合は、330㎡までの居住用宅地に対して評価額を80%減額できるのが代表的な例です。共有持分であっても、要件さえ満たしていれば適用が可能なので、対象にならないか確認しておきましょう。

4. 広大地・特定事業用宅地の評価減

広大な宅地や事業用宅地など、特別な評価減が受けられるケースも存在します。たとえば、広い敷地の一部を分筆して宅地開発ができるような土地なら、「広大地評価」が適用される場合があります。また、事業用の土地として使用されている場合は、「特定事業用宅地」としての特例が受けられることも。
ただし、これらの制度は適用要件が細かいため、専門家への相談が不可欠です。共有持分であっても条件を満たす場合は評価減を狙える可能性があります。

5. 不動産の生前対策(贈与や信託)

相続が始まる前に、不動産の所有権を移転させておくことも有効な方法です。生前贈与家族信託などを利用して、不動産を早めに整理し、財産を分散させることで、相続時の課税を緩和できるケースがあります。ただし、贈与税の負担や信託の設計コストなども検討しなければならないため、総合的な判断が必要です。

共有持分の相続税対策を行う際の注意点

共有持分に関する相続税対策は、うまく活用すれば相続税の負担を軽減できる一方、次のような点に注意しないと思わぬリスクを招くことがあります。

1. 他の相続人との合意形成

不動産の共有状態を解消するには、他の共有者の合意が不可欠です。相続人全員が納得しないまま動いてしまうと、後々「勝手に処分された」といったトラブルにつながる恐れがあります。
また、生前贈与や持分交換などを検討する際は、相手方の税負担やメリット・デメリットも含めて話し合いを行いましょう。

2. 税務当局からの指摘リスク

共有持分の評価を大きく下げて相続税を少なく申告した場合、税務当局から「時価より不当に安い評価ではないか」と指摘されることがあります。
正当な根拠(不動産鑑定士の評価報告書や、実際の取引事例など)を示せるよう、対策と書類の整備を怠らないことが大切です。

3. 各種税金・費用のシミュレーション

持分交換や贈与を行えば、贈与税・不動産取得税・登録免許税などが発生する可能性があります。相続税対策だけを優先して進めると、結果的に他の税金や手数料で大きな負担がかかることも。
複数の税目や費用を総合的にシミュレーションした上で、最適なプランを検討することが重要です。

事前準備が肝心!専門家に相談しながら進めよう

共有持分の相続税対策を成功させるには、早めの段階から準備を始めることがポイントです。
特に、相続が始まってから短期間で不動産を整理したり、共有持分をまとめたりするのはかなりの負担となります。相続人同士の意見が割れて調整が難航する場合も少なくありません。

そこで、不動産鑑定士税理士司法書士などの専門家に相談しながら、あらかじめ共有状態を解消するプランや節税対策を練っておくことが重要です。また、本人が高齢になった段階での生前贈与や家族信託の活用なども選択肢に入ります。

具体的な対策例

ここでは、共有持分を相続する前提で考える具体的な対策例をいくつか挙げます。実際の適用可否や詳細は、個々の状況によって変わりますので、あくまで参考としてご覧ください。

例1:生前贈与で持分を一本化

父・母・子が共有している不動産を、相続前に子へ贈与して持分を一本化するケースを想定します。
共有者が父・母・子の3人だけであれば、相続開始後に「子」が単独所有しやすくなり、遺産分割がスムーズに進む可能性があります。ただし、贈与税が高額になるリスクや、他の相続人との公平性をどう確保するかなどの課題もあります。

例2:遺言書で共有解消を明確化

遺言書を作成し、「自宅土地は長男が単独で相続する」「長男に不動産を相続させる代わりに、預貯金を次男・三男に多めに分ける」といった形で、相続時の共有を避ける方法です。
遺言書に明確に遺産分割の内容が書かれていれば、相続人同士の話し合いがスムーズになり、共有名義を最小限に抑えることができます。

例3:持分を売却し、現金に換えて相続

親が生前に不動産の共有持分を一部売却し、現金化してから相続財産とするパターンです。現金であれば分割が容易なので、結果的に共有によるトラブルが起こりにくい利点があります。ただし、不動産を売るタイミングや価格によっては、思うような金額にならないことも考慮が必要です。

まとめ

不動産の共有持分は、相続が始まったときに複数人が名義を持つため、意思決定が複雑になるだけでなく、相続税の負担にも影響を与えます。
共有状態による「評価減」の可能性はある一方で、税務当局が簡単に大幅な評価減を認めるわけではありません。相続税対策としては、事前に共有持分を整理して単独所有化する小規模宅地等の特例を活用する生前贈与や遺言書で共有解消を明確にするなど、さまざまな方法が考えられます。

最適な対策はケースバイケースで異なり、家族構成や経済状況、相続人の意向などによって変化します。早めに専門家へ相談し、シミュレーションや手続きをしっかり行うことで、相続税の負担を抑えながら円満な相続を実現しましょう。

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