相続や共同購入などで複数人の名義になった不動産を、そのまま共有状態で放置していませんか?
共有不動産は通常の物件と比べて意思決定が難しく、トラブルが起きやすいという特徴があります。特に、共有者同士で活用方針がまとまらず何年も放置してしまうと、後々取り返しのつかない事態へ発展する可能性が大です。本記事では、不動産鑑定士・宅地建物取引士の専門的視点から、共有状態を解消せずに放置した場合に起こりうる最悪シナリオについて詳しく解説します。大切な資産を守るためにも、早めの対策がいかに重要かを再確認しましょう。
共有状態を解消せず放置するリスクとは
共有不動産をそのままにしておくと、意思決定が複雑化し、共有者同士のコミュニケーション不足から様々なリスクが生まれます。主なリスクとしては、以下のようなものがあります。
- 売却や賃貸など活用方法の合意が得られず、資産が塩漬け状態になる
- 相続が重なって共有者の人数が増え、権利関係がさらに複雑化
- 固定資産税・管理費用などの負担配分をめぐり、トラブルがエスカレート
- 共有物分割請求など法的手段による強制的な解消が行われ、競売に至るケースも
このように、共有者の意向がまとまらないまま長期間が経過すると、「誰も得しない」状況に陥りやすくなるのです。
最悪シナリオ1:資産価値の大幅な下落
不動産は適切な管理とメンテナンスを行わなければ、資産価値が下落しやすい性質を持っています。共有状態を放置していると、以下のような事態が起こり得ます。
1. 老朽化・空き家化で急激に価値が下がる
共有者の誰もが積極的に管理をしない場合、建物が老朽化して空き家状態になるかもしれません。雨漏りやシロアリ被害などが進むと修繕費が膨大になり、実質的には「修繕するより売った方が安い」状態になります。しかし、売却に合意できず放置すると、市場価格がどんどん落ちてしまうのです。
2. 市場での評価もマイナス要素に
買い手から見ると、共有名義のまま売りに出されている物件は「トラブルを抱える可能性が高い」と敬遠されがちです。結果的に「売りたくても売れない」という悪循環に陥り、想定よりもはるかに安い金額でしか取引できないケースが多々あります。
最悪シナリオ2:相続が重なり共有者が雪だるま式に増加
共有状態である不動産を放置したまま、さらに次の相続が発生すると共有者が増えて権利関係が極度に複雑化する恐れがあります。
1. 遺産分割協議が成立しない
親の代で共有していた不動産が、子どもや孫、さらにはその配偶者にまで権利が分散していくと、誰が何をどのように相続するのかを決める際、意見の食い違いがより顕著になります。最終的に「相続人が多すぎて話し合いすらまともにできない」という事態に陥るケースも珍しくありません。
2. 相続税・固定資産税の支払い負担が増大
共有者が増えるほど、各共有者が自分の持分だけに対して納税すべきなのか、それとも代表者がまとめて払って後で清算するのかといった問題が煩雑化します。税金を滞納してしまうと、延滞金や差し押さえなどのリスクが高まり、さらなるトラブルに発展する可能性があります。
最悪シナリオ3:共有物分割請求による強制的な売却・競売
共有者の一人でも「共有を解消したい」と強く望めば、共有物分割請求という法的手段を取ることができます。これは裁判所を通じて共有状態を強制的に解消する方法で、話し合いがまとまらない場合に利用される最終手段です。
1. 裁判・競売で想定外に安く手放すはめに
共有物分割請求が認められると、現物分割(物理的に不動産を分割する)ができない場合は競売にかけられる可能性があります。競売は通常の市場取引よりも安く落札される傾向が強く、全共有者にとって大きな損失となりがちです。
また、裁判手続きには時間と費用がかかり、精神的なストレスも非常に大きいというデメリットがあります。
2. 関係破綻と再建築の難しさ
共有者同士が「もう顔も見たくない」と感情的に対立してしまうと、他の共有不動産や家族全体の人間関係まで破綻する恐れがあります。裁判にまで至った共有者同士が、その後円満に協力して資産を活用することはほぼ不可能に近いでしょう。
さらに、建物の再建築などを検討していても、裁判が進むとそれらの計画が凍結されるケースが多く、結果的に資産活用の機会を完全に失ってしまうのです。
最悪シナリオ4:第三者が持分を取得し混乱が拡大
共有状態である不動産では、各共有者が自分の持分だけを第三者に売却することも法的に可能です。もし他の共有者と一切協議せずに持分を売ってしまった場合、突然まったくの他人が共有者として参入することになります。
1. 意図しない相手が共有者となり条件が悪化
新たな共有者が「権利を高値で買い取れ」と強引な交渉を仕掛けたり、逆に共有物分割請求を行うなど、トラブルを誘発するケースもあります。
投資目的の「持分専門業者」が狙って参入し、強硬姿勢を貫かれると、他の共有者は大きな不利益を被る可能性が高まります。
2. 共有者間の合意形成がさらに困難に
元々の共有者が家族や親族同士であったとしても、新たに加わった第三者はビジネス目的で行動するため、感情面の配慮は期待できません。協調関係を築くことが難しく、売却や活用方針が一層まとまらなくなるリスクがあります。
【対策】最悪シナリオを避けるために早めに動こう
以上のように、共有状態を解消せず放置すると、多くのトラブルや損失が発生する可能性があります。しかし、いくつかの対策を講じることでリスクを大幅に軽減できます。
1. 共有者同士で定期的に話し合う
まずは、共有者全員が将来的な方針について意思疎通を図ることが大切です。「売却を検討するのか」「賃貸で活用するのか」「誰かが買い取って単独所有にするのか」などを具体的に話し合い、合意できるプランを探りましょう。口頭の合意だけでなく、覚書や契約書の形で書面化すると安心です。
2. 不動産鑑定士の査定を活用
「誰がどのくらいの持分をいくらで買い取るのか」などを決める際、適正価格を巡る争いが起きやすいです。ここで活きてくるのが不動産鑑定士の査定や評価です。
客観的な評価に基づいて算出された金額なら、感情的な対立を和らげ、スムーズな合意形成に寄与します。
3. 早めに共有解消を検討する
理想的には、相続後や共同購入後の早い段階で、共有状態の解消を検討するのが望ましいです。
- 一人が他の共有者の持分を買い取る
- 不動産全体を売却して現金を持分割合で分配する
- 分筆できるなら物理的に土地を分割する
これらの手段を活用し、共有者全員が納得する形で早期に手を打っておけば、最悪のシナリオを避けられる確率が高まります。
まとめ
共有状態を解消せずに放置したままだと、以下のような「最悪シナリオ」が起こる可能性があります。
- 老朽化や空き家化による資産価値の急落
- 相続が重なり共有者が増え、合意形成が極度に困難に
- 共有物分割請求で競売にかけられ、大幅に安い値段で売却される
- 第三者が持分を取得し、トラブルが拡大
こうしたリスクを避けるためにも、共有者全員で定期的に方針を話し合い、必要に応じて不動産鑑定士や弁護士などの専門家を交えた対策を検討することが欠かせません。
「放置しておけば何とかなる」という考えは極めて危険です。大切な資産を守り、家族や関係者とのトラブルを回避するためにも、早めに具体的なアクションを起こしていきましょう。
お問い合わせ
共有持分、共有名義、再建築不可、底地などの訳あり物件でお困りではありませんか?私たちは、どんなに複雑なケースでも迅速かつ丁寧に対応する専門チームを備えています。24時間365日、お気軽にご相談ください。
【24時間電話相談OK】TEL:03-6823-2420 【問い合わせフォーム】 https://sakk.jp/contact/
訳あり物件の可能性を見出し、解決へ導くプロフェッショナルチームがサポートします。お気軽にお問い合わせください!