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トラブル解決 共有持分

2025年2月17日

子供に平等に遺産を残すために共有持分で渡すのは得策か?メリット・デメリットを徹底解説

「子供が複数人いるので、遺産を平等に分けたい」—そんなときに考えられる選択肢の一つが、不動産を「共有持分」という形で相続させる方法です。たとえば、一つの土地や建物を子供たち全員の名義にして、それぞれが持分を所有するイメージです。
表面的には「平等に残せる」というメリットがあるように思えますが、実際には共有持分特有の問題も少なくありません。本記事では、不動産鑑定士・宅地建物取引士の視点から、共有持分で不動産を相続させるメリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説します。検索上位を意識した構成で、専門用語はできるだけ噛み砕いてお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください。

共有持分とは?基本的な考え方

「共有持分」とは、一つの不動産を複数人で所有する場合に、各々が持つ権利の割合のことを指します。たとえば、親が残した土地を3人の子供で均等に相続する場合、子供A・B・Cそれぞれが3分の1ずつの持分を持つ状態になります。これは「不動産自体を3つに物理的に分ける」のではなく、「同じ不動産を3人で共同所有する」という扱いです。
相続人が複数いる場合、簡単な方法としては「共有にしてしまう」という選択がよくあります。しかし、共有状態になることで将来どのような問題が起きるのか、そもそもどんなメリットがあるのか、あらかじめ知っておくことが重要です。

共有持分で相続させるメリット

まずは、共有持分を使って複数の子供に不動産を分けることによる主なメリットを見てみましょう。

1. 見た目上「平等」に分割できる

共有持分の最大の利点は、同じ不動産を少数分割して所有権を与えられることです。子供たち全員に「同じ割合」を持たせれば、遺産分割で「誰かが不利になる」といった不公平感が生じにくくなります。相続人の間で納得しやすい形にできるため、遺産分割協議が円満にまとまるケースもあります。

2. 物理的な分筆が難しい不動産でも対応可能

土地や建物によっては、物理的に分ける(分筆や建物の区分など)ことが難しい場合があります。たとえば狭い土地や建物一棟などは切り分けることが難しいです。そうしたとき、共有持分で分割すれば物理的な制約を受けずに分割が可能になるわけです。

3. 相続税の負担が一時的に軽減される可能性

共有持分の評価額は、不動産全体をまるごと単独で持つ場合よりも割安になることがあります。なぜなら、実際の市場で「共有持分だけを買いたい」という需要は低く、換金性が劣るため評価が下がりやすいからです。結果として、相続財産の評価額が多少下がり、相続税の負担を抑えられるケースがあるかもしれません。
ただし、税務当局は不当に低い評価を認めるわけではないため、安直に「共有持分だから評価が下がる」と考えるのは禁物です。正確な評価は専門家に相談すると安心でしょう。

共有持分で相続させるデメリット

一方、共有持分には思いがけないデメリットも存在します。特に、長期的な運用や売却を視野に入れるときは、以下の点を必ず押さえておきましょう。

1. 処分や活用に全員の同意が必要

共有名義の不動産を売却したり、賃貸に出したり、増改築したりする際には、共有者全員の同意が必要となります。子供が3人以上いる場合、誰か一人でも反対すると物件を動かせなくなることがあります。
将来的に「お金が必要だから土地を売りたい」という子供がいても、他の共有者が難色を示せば売れないという状況になりかねません。全員が仲良く合意してくれれば問題ありませんが、時間の経過とともに家族の事情が変わり、意見が対立するケースもあり得ます。

2. 維持管理や税金の負担でトラブルになりやすい

不動産には固定資産税や都市計画税、また建物ならば修繕費などのランニングコストが発生します。これらを共有者間で分担する際に、負担割合や支払いタイミングでトラブルが起こることがあります。
たとえば、Aさんはきちんと負担しているのに、Bさんは払わない、Cさんは行方不明になって連絡が取れない、など。こうした問題が複数人数いるとより複雑化しやすいです。

3. 後々、共有者同士で争いが起こる可能性

兄弟仲がよくても、将来的な結婚や経済状況の変化、相続人がさらに増える(孫の代など)などで、共有者同士の利益相反が表面化しやすいです。
「売りたい」「住み続けたい」「貸したい」「建て替えたい」など、それぞれの思惑が交差して合意が得られない場合、最終的に共有物分割請求という裁判手段に発展するケースも。結果として物件が競売にかけられ、相場より安く売れてしまうリスクも否めません。

4. 共有持分だけでは売りにくい

万が一、個々の共有者が「自分の持分だけでも現金化したい」と思っても、共有持分だけを買いたいという買い手は少ないのが現実です。需要が少ないため、売れるとしてもかなり安い価格になりがち。
これが結果的に、「子供全員に平等に渡したはずが、誰かが安く手放さざるを得なかった」という状況を生む可能性があります。

子供に平等に渡すための代替案

共有持分にすること以外にも、複数の相続人に資産を平等に分ける方法はあります。以下の代替案を検討すると、将来的なトラブルを回避しやすい場合があります。

1. 不動産は一人に相続させ、他の相続人には現金などで調整

不動産は特定の子供が単独で相続し、他の子供には預貯金や生命保険金などを多めに渡す「代償分割」も一つの方法です。
例えば、長男が家を相続するかわりに、次男・三男には預貯金を相続させてバランスを取る、というやり方です。物件を単独所有することで活用や処分がスムーズになり、共有の煩雑さから解放されます。ただし、預貯金など他の資産が十分にない場合は難しい面もあります。

2. 遺言書で分割方法を明確にしておく

元気なうちに遺言書を作成しておき、子供それぞれがどのように財産を相続するかを明確にしておくことは大切です。遺言書に具体的な分割方法や代償金の支払い方法などを記載しておけば、相続人同士の協議が円滑に進む可能性が高まります。
また、遺言書がなければ法定相続分に基づいて共有状態になりやすいので、意図せず共有になってしまうリスクを避けるためにも遺言書は有力な手段です。

3. 生前贈与や家族信託であらかじめ整理する

生前贈与を活用し、早めに不動産や金銭を子供たちに分配しておく方法もあります。贈与税などの税金問題はありますが、長い目で見れば相続時のトラブル回避や節税に繋がる場合も。
また、「家族信託」を利用して不動産管理・処分の権限を特定の人に集約する仕組みを作ることも検討できます。信託を活用すれば、不動産の管理や将来の処分が円滑になり、共有による合意形成の煩わしさを減らせる可能性があります。

共有持分で相続する際に押さえておきたいポイント

どうしても「全員が共有名義で持ちたい」と考える場合は、将来のトラブルを未然に防ぐためにも、以下の点を事前に押さえておきましょう。

1. 持分割合を実際の希望や負担に合わせて決める

均等に分けるだけが選択肢ではありません。実際に不動産を活用する人とそうでない人、管理にかかる労力が多い人・少ない人によって、持分を変えるという考え方もあります。
また、共有持分を現実よりも小さく設定しすぎると、贈与とみなされるリスクもあるため、税理士や不動産鑑定士に相談しながら持分を決定することが望ましいです。

2. 共有者同士のルール作り

共有状態になった場合の維持管理費用(税金、修繕費など)の分担や、将来の売却や賃貸、建て替えの方針などをあらかじめ「共有協定書」などの書面にしておくと安心です。
口頭の約束だけだと、後から「そんな話は聞いていない」と争いになる可能性があります。できれば公正証書にしておくと、より法的な安定性が高まります。

3. 遺留分への配慮

兄弟姉妹や配偶者がいる場合には、遺留分(法律で最低限保証された相続分)にも注意が必要です。特定の子供に多めの持分を与えるなどすると、他の相続人が遺留分侵害を主張する可能性があります。
公平感を保つためにも、遺留分を踏まえたうえで共有持分を設計するか、他の財産や代償金でバランスを取るかなど、総合的な調整が重要です。

共有持分を相続した後の手続きと注意点

実際に相続が開始し、共有持分を取得した後はどのような点に留意すれば良いでしょうか?主な手続きを以下にまとめます。

1. 相続登記を早めに行う

不動産の相続登記は2024年4月から義務化される見込みです。相続人が複数いる場合でも放置せず、できるだけ早めに法務局で登記手続きを完了しましょう。
名義が曖昧なまま放置していると、売却や担保設定などができず、共有者が増えるほど(孫やひ孫の代まで)意思決定が難しくなります。

2. 共有不動産の利用計画を話し合う

「誰がそこに住むのか」「空き家にしておくのか」「賃貸に出すのか」など、共有者間で今後の利用方針を明確にすることが大切です。
特に、空き家のまま放置すると固定資産税や管理費がかかるだけでなく、建物の劣化が進むリスクがあります。空き家になりそうな場合は、売却や賃貸活用も検討してみましょう。

3. 必要ならば共有物分割の手続きを検討

どうしても意見が合わない場合、共有者の一人が「共有物分割請求」の裁判を起こすことも可能です。しかし、裁判所の判断で競売にかけられ、相場より安く売却されるリスクが高いです。
裁判に至る前に、共有者同士で持分を買い取り合う、または第三者に一括売却するなど、話し合いによる解決を目指すのが望ましいでしょう。

まとめ

相続で子供たちに「不動産を平等に残したい」という気持ちは、親として自然なものです。しかし、共有持分での相続は「表面的な平等」を実現しやすい一方、将来の活用や売却のハードル、共有者同士のトラブルリスクなど、さまざまな課題があります。

もし、物件が売却しやすい立地や価値を持っていない場合、共有持分は思うように換金できず、かえって子供たちを困らせてしまう可能性も。
したがって、「代償分割」「遺言書による分割方法の明記」「生前贈与や信託の活用」といった他の選択肢も比較検討してみることをおすすめします。最適解は家庭の事情や財産状況によって異なるため、早めに専門家へ相談し、トラブルを防ぎつつ子供たちに最良の形で財産を遺せるよう準備を進めていきましょう。

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