持分だけ売るは正解なの?
「共有名義を解消したいけど、持分を売るか協議か訴訟か迷う…」
共有不動産の出口は大きく①持分売却 ②共有物分割協議 ③共有物分割訴訟の3ルートに分かれます。
本記事では①必要な同意人数 ②費用と期間 ③手取り ④人間関係への影響を
図表とリアル事例で比較し、自分に合った最短ルートを見つけるための判断軸を提供します。
- 1. 3ルート比較チャート【一目で分かる】
- 2. 各ルートの詳細と進め方
- 3. 費用・期間・手取りシミュレーション
- 4. 成功&失敗事例
- 5. 決断フレームワーク【YES/NOで分岐】
- FAQ|よくある質問
■ 1. 3ルート比較チャート【一目で分かる】
項目 | ① 持分売却 (単独で業者へ) |
② 共有物分割協議 (話し合い) |
③ 共有物分割訴訟 (裁判) |
---|---|---|---|
同意が必要な人数 | 自分だけ | 共有者全員 | 提訴者1人でOK |
期間 | 最短2週間 | 1〜3か月 | 1〜2年 |
コスト | 0円(印紙代のみ) | 書類作成1〜3万円 | 印紙+弁護士80〜150万円 |
手取り | 相場70〜90% | 相場100% | 競売なら60〜70% |
人間関係 | 軋轢少・距離を置ける | 話し合い次第 | 悪化しやすい |
向くケース | 早く現金化/合意困難 | 全員が協力的 | 協議決裂・嫌がらせ |
■ 2. 各ルートの詳細と進め方
① 持分売却
ステップ:オンライン査定→現地確認→売買契約→決済(最短2週間)
メリット:単独手続き・残置物そのまま・瑕疵責任免除
デメリット:手取りは相場より10〜30%低い
ポイント:3社以上査定で最大200万円差、決算月(3月/9月)は査定UP傾向
② 共有物分割協議
ステップ:無料査定→遺産分割協議書 or 覚書作成→名義変更→売却 or 代償金支払い
メリット:手取り最大化・税特例を使いやすい
デメリット:全員実印が必須、海外在住・連絡不明者がいると停滞
ポイント:LINEグループやZoomで非対面合意を進めると時短に
③ 共有物分割訴訟
ステップ:訴状提出→弁論→和解勧告→判決→競売 or 代金分割
メリット:強制力。嫌がらせ・行方不明者がいても解決可能
デメリット:コスト高・期間長・競売で安値
ポイント:訴訟前に裁判所調停(費用1万円)を試すとコスト削減
■ 3. 費用・期間・手取りシミュレーション
モデルケース
築30年戸建/路線価1600万円/市場価格2000万円/共有者3名(各1/3)
出口 | 手取り計算 | 最終手取り |
---|---|---|
持分売却 (1人) |
買取価格2000×1/3×80%=約530万円 | 530万円 |
共有物分割協議→仲介売却 | 売価2100−仲介73−測量40=1987 ÷3=約660万円 |
660万円 |
共有物分割訴訟→競売 | 競売落札1400−費用120=1280 ÷3=約430万円 |
430万円 |
協議がまとまらないほど手取りが減少することが一目瞭然です。
■ 4. 成功&失敗事例
◎ シンプル成功|持分買取で2週間キャッシュ化
- 兄が海外在住で連絡困難 → 妹が1/2持分を420万円で売却
- 離脱後に兄が単独リフォーム+賃貸で家賃8万円
× 長期迷走|訴訟→競売で手取り3割減
- 兄弟4人、修繕費負担でもめ訴訟
- 弁護士費用計140万円+競売で相場−30%
■ 5. 決断フレームワーク【YES/NOで分岐】
Q1. 全員と連絡が取れ協力的? → YES ⇒ 協議へ
↓NO
Q2. 早く現金化したい?資金が不要? → YES ⇒ 持分売却
↓NO
Q3. 80万円以上の訴訟費用を負担できる? → YES ⇒ 訴訟|NO ⇒ 持分売却
FAQ|よくある質問
Q. 持分だけ売ると買主は誰になる?
A. 共有持分専門の不動産会社(投資家)が買主になります。一般個人が買うケースは稀です。
Q. 共有物分割協議書は自分で作れる?
A. 可能ですが、署名・捺印・印鑑証明・固定資産評価額の明記などミスがあると後々トラブルに。行政書士5万円前後で代行可能。
Q. 共有人の一人が行方不明…持分売却できる?
A. 自分の持分は売れます。行方不明者への通知は不要ですが、不在者財産管理人制度で残り持分を動かす選択肢もあります。
まとめ|共有トラブルは“速度・コスト・人間関係”で最適ルートが変わる
共有持分の出口は協議=高値・円満、持分売却=速い・合意不要、訴訟=最後の手段。
まずは無料オンライン査定で
「持分売却価格」と「不動産時価」を把握し、家族・共有者との話し合いをスムーズに進めましょう。