境界杭が見当たらない場合、どうする?
「古い家を解体しようとしたら境界杭が無い…」「隣家のカーポートが境界を超えていないか心配…」
境界杭が不明確なまま工事や売却を進めると、越境トラブル・工事中断・資産価値ダウンのリスクがあります。
この記事では①杭が無い原因 → ②杭を復元する手順 → ③越境物の対処法を、図解と費用目安つきでわかりやすく解説します。
■ 1. そもそも境界杭が無くなる3つの理由
- 老朽化で破損・沈下…木杭やモルタル杭は30年で劣化
- 外構工事で誤撤去…リフォーム業者が気付かず取り外す
- 盛土・造成…土を盛った際に埋没してしまう
ワンポイント:杭が無い=境界が移動したわけではなく、目印が消えただけです。
■ 2. 杭を復元する5ステップ
- 公図・地積測量図を取得(法務局:500円)
- 土地家屋調査士に現地調査を依頼
・メジャー+金属探知機で旧杭を探す - トータルステーション測量
・GPSと既知点で座標を算定 - 仮杭を打ち隣地と立会い
・合意できれば覚書に署名 - 本杭(真鍮プレートやコンクリ杭)を設置
・根入れ30cm以上で動きにくい
費用項目 | 目安 |
---|---|
調査士測量(宅地80〜120㎡) | 25〜45万円 |
杭材料・設置 | 5,000〜1万円/本 |
立会い手当(隣地が遠方など) | 0〜2万円 |
■ 3. 境界越境をチェックする方法
◆ 必要な道具
- レーザー距離計(3,000円〜)
- 水糸・重り(垂直確認)
- スマホカメラ(記録用)
◆ 手順
- 新しい境界杭→建物外壁までの距離を測定
- 図面上の後退ラインと比較
- 屋根・樋・塀が杭から50mm以上出ていれば越境の可能性大
メモ:微妙な場合は調査士に「越境図」(2〜3万円)を作成してもらうと証拠力が高まります。
■ 4. 越境物を是正する3つのアプローチ
方法 | 費用負担 | メリット | 注意点 |
---|---|---|---|
① 所有者が自費撤去 | 越境側 | 円満解決 | 早めの期限設定 |
② 使用承諾書+地役権設定 | 越境側(登記費用) | 撤去不要・登記で安心 | 売却時に評価減(5〜10%) |
③ 妨害排除請求(訴訟) | 請求側が先払い | 強制力大 | 弁護士費用+期間1年〜 |
FAQ|よくある質問
Q. 杭が見つかったら勝手に打ち直していい?
A. 隣地の合意がないまま打ち直すと逆にトラブルになります。必ず立会いを取りましょう。
Q. 調査士費用が高い…安く済ませる方法は?
A. 隣地と費用折半・面積が小さい測量(現況測量のみ)などでコストダウン可能です。
Q. 越境物の所有者が不明(空き家)の場合は?
A. 市区町村の空き家対策窓口へ相談し、所有者調査→行政指導を依頼できます。
まとめ|杭の復元と越境チェックは「測量+合意」でスピード解決
境界杭が消えたら放置せずに復元測量、越境物が疑われたら早めにチェック→是正が鉄則です。
- 杭復元は調査士+隣地立会いで1〜2か月
- 越境は書面合意か地役権設定で円満解決
- 長引くほどコストUP。難航しそうなら売却・買取で根本解決も
株式会社SAでは、境界トラブル物件の無料オンライン査定と測量士紹介をワンストップで行っています。お気軽にご相談ください。