「私有地のゴミ山」はどこまで許されるのか
群馬県館林市で住宅街に築かれた“ゴミ山”が地域の生活環境を脅かしています。所有者は「タイヤアートガーデン」と主張する一方、専門家は「不法投棄」と断言。行政代執行となれば巨額の撤去費用が発生する恐れもあります。
群馬県館林市の住宅街に、大量の廃材やタイヤが山積みになった私有地があり、住民から深刻な苦情が相次いでいます。高さ4〜5mの“ゴミ山”は異臭や害虫の発生源となり、崩落の危険まである状況です。住民らは約2300人分の署名を集め、市に陳情書を提出しましたが、現状は改善されていません。
参照:FNNプライムオンライン|住宅街に“ゴミ山”虫が発生・崩落の危険も…土地所有者を直撃取材
◆ 住民の不安と生活への影響
「虫や臭いでここに住むのが嫌になる」「土砂にひびが入っており崩落の危険がある」など、住民の声は切実です。高齢者施設の利用者からは「空気が汚れているように感じる」との理由で入居を断念されるケースもあり、地域全体の生活環境や経済活動に影響が及んでいます。
◆ 所有者の主張「これはタイヤアートガーデン」
土地の所有者は「タイヤアートガーデンを作っている」と説明。実際にタイヤの中でオクラを栽培していることを示し、「これはアートであってゴミではない」と強調しました。
一方で「自ら集めたものだけでなく不法投棄も混ざっている」と認めており、現場は事実上の廃棄物集積場と化しています。
◆ 専門家の見解「明確な不法投棄」
元千葉県産廃Gメンの石渡正佳氏は、「全体の99%は資材ではなく不法投棄」と断言。行政による不法投棄現場認定を早急に行うべきだと指摘しました。
さらに「搬入しているのはプロ業者の可能性が高い」とし、持ち込んだ者の特定と取り締まりが不可欠と述べています。
◆ 行政代執行となった場合の費用
このまま撤去が行政代執行で行われた場合、費用は最大1億円規模に達する可能性があります。冷蔵庫やタイヤは市の粗大ごみ処理・焼却で対応できるものの、大量の土砂や廃材を撤去するとなれば高額の税金が必要になります。
税負担を抑えるために「高さを下げる」などの妥協案も検討されますが、住民の安全を守るには抜本的な処理が求められます。
◆ 株式会社SAの視点
この問題は「私有地だから自由に使える」という意識と、「地域に与える影響」のギャップが引き起こした典型的な事例です。
不動産の所有権は無制限ではなく、管理責任と社会的義務が伴うという原則を改めて示しています。
空き家や土地を「放置」すれば、周辺に迷惑をかけ、最悪の場合は行政代執行や損害賠償請求につながります。これは老朽化した住宅や相続放棄された不動産にも共通する問題であり、「出口戦略の欠如」が地域課題化する典型例です。
◆ まとめ
館林市の“ゴミ山”問題は、所有者の「アート」という主張と住民の「不法投棄」という現実のギャップを浮き彫りにしました。
行政代執行となれば巨額の撤去費用が発生し、税金の投入も避けられません。
不動産を所有する以上、管理義務を果たし、地域と調和した使い方をすることが不可欠です。所有者不明や相続で放置された不動産も含め、「どう扱うか」を早めに決断することが、未来のトラブルを防ぐ最善策です。
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