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2025年3月31日

使用貸借があっても大丈夫!賃貸への転用で不動産価値を上げる節税プラン

親族や知人に「無償」で貸している不動産を、ただ放置したままにしていませんか?実は、この“使用貸借”という契約形態は、貸主・借主双方にとって手軽に見える一方、相続税や固定資産税などの税負担が意外と重くのしかかるリスクを抱えています。本記事では、不動産鑑定士・宅地建物取引士として、使用貸借物件を賃貸へ転用することで不動産価値を上げながら節税を狙う具体策を解説します。使用貸借のまま塩漬けするよりも、賃貸運用へ切り替えることで得られるメリットは多岐にわたるので、ぜひ最後までお読みください。

使用貸借がもたらす問題点

使用貸借とは、借主が無償で不動産を使用する契約形態です。法律上は賃貸借とは異なり、家賃や礼金などが発生しません。一見、親族同士で「家賃はもらわなくてもいいから気軽に貸したい」という場面にうってつけですが、次のようなデメリットが潜んでいます。

1. 借家権が発生せず、相続税の評価減が活かせない

通常、賃貸借契約を結ぶと借家権が発生し、所有者が自由に使えない分だけ相続税評価が下がる可能性があります。ところが使用貸借の場合、借家権が認められないため、相続税の負担が増大するケースが多いのです。

2. 利益を生まないため維持費が大きい

家賃収入がないため、固定資産税修繕費などをすべて貸主が負担し続けることになります。無償貸与だからといって、税金や管理費が免除されるわけではないため、大きな出費を強いられかねません。

3. 契約書が曖昧な場合にトラブル化しやすい

親族間では口約束に頼りがち。これが原因で、いざ売却しようとすると借主が「長年住んでいるから出て行きたくない」と強硬に主張し、家族トラブルに発展するリスクがあります。

賃貸への転用で得られるメリット

こうしたリスクを回避し、不動産を活かすには、使用貸借の物件を正式な賃貸へ転用する策が有効です。そのメリットは大きく3つあります。

1. 家賃収入で維持コストを相殺できる

賃貸物件にすれば、家賃収入が得られるため、固定資産税や修繕費をまかなえる可能性が高まります。借主が親族であっても、相場に近い家賃を設定すれば資産を無駄に消費することがなくなるでしょう。

2. 借家建付地評価で相続税を軽減

賃貸借契約を結ぶことで借家権が認められ、所有者の利用が制限されるため評価減が適用されやすくなります。結果として相続時の不動産評価額が下がり、相続税の負担を大幅に抑えられるメリットがあります。

3. トラブル時にも法的対応がクリア

賃貸借契約であれば、契約書や法律に基づいた権利義務が明確になるため、退去や修繕義務などで揉めても法的に対処しやすくなります。口頭の使用貸借とは違い、リスク管理がしやすいのです。

賃貸転用の具体的ステップ

では、使用貸借物件を賃貸化するにはどのように進めればいいのでしょうか。以下のステップで円滑に移行できます。

1. 借主との交渉・合意形成

まずは現在無償で住んでいる親族や借主としっかり話し合い、賃料契約条件を説明します。家賃が発生すると聞いて抵抗を感じる人もいるため、物件の維持管理費や将来的な相続税の問題など、賃貸化のメリットを丁寧に伝えましょう。

2. 賃貸借契約書の作成

弁護士や不動産会社のサポートを受けながら、賃貸借契約書を正式に作成します。家賃、敷金、礼金、更新料、修繕責任などを詳細に明記し、無用なトラブルを回避するためにも書面化は必須です。

3. 不動産鑑定士の評価で適正家賃を設定

家族間なら多少安めに設定してもいいかもしれませんが、あまりにも低いと贈与税のリスクが出てきます。不動産鑑定士に適正家賃を査定してもらい、それを根拠として設定すると安心です。

節税プラン:借家建付地評価と経費計上

使用貸借の物件を賃貸化すると、以下のような節税プランが考えられます。

1. 借家建付地評価で相続税を圧縮

相続時、土地は借家建付地として評価が下がり、相続税が軽減されます。これは「所有者が自由に使えない状態」と見なされるためです。ただし、実際に家賃が発生する実態がないと認められない場合があるため、契約書と家賃の受領記録などエビデンスを残してください。

2. 修繕費・管理費を経費に

賃貸物件として賃貸収入を得ていると、修繕費管理費固定資産税を経費として計上し、所得税住民税の課税所得を圧縮することができます。使用貸借のままだとこのメリットは得られません。

注意点:共有名義や近隣問題への対処

使用貸借物件を賃貸化する場合、以下の状況にも注意が必要です。

1. 共有名義の場合

兄弟姉妹などで共有しているなら、共有契約を結んで賃貸化に伴う費用負担や収益分配を明確化しましょう。誰が代表で管理するのか、トラブル時はどうするかをあらかじめ決めておくとスムーズです。

2. 近隣との境界問題・騒音トラブル

使用貸借でゆるい管理をしていた物件は、境界や騒音で近隣住民と問題を抱えている場合も。弁護士測量士を通じて速やかに解消しなければ、賃貸借契約を結んでも入居者が安心して住めません。

まとめ

使用貸借で無償貸ししている物件を賃貸化すると、家賃収入を得ながら節税を実現できる大きなチャンスがあります。以下のステップを意識して行動してみてください。

  1. まず借主(親族など)と話し合い、賃貸借契約への移行合意を取り付ける
  2. 不動産鑑定士の査定で適正家賃を設定し、贈与税リスクを回避
  3. 修繕費や管理費を経費として計上し、所得税・住民税を圧縮
  4. 相続時は借家建付地として評価額が下がり、相続税軽減に結びつく
  5. 共有名義や近隣問題があるなら専門家と協力し事前に解決

使用貸借が「ラクだから」という理由で続けていると、相続税や固定資産税など想定外の負担が重なるかもしれません。逆に賃貸化してしっかり収益化・節税を行うことで、物件の可能性を最大限に引き出しましょう。

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