私道共有者が多すぎるときはどうする?
「私道の共有者が10人以上いて連絡先もバラバラ…」「1人でも反対すると掘削が進まないの?」
共有私道の通行掘削同意は、所有者が多いほどハードルが上がります。
この記事では①共有持分を洗い出す方法 → ②同意率を上げるコツ → ③不在・反対者への対処を、やさしい言葉とテンプレート付きで解説します。
■ 1. 共有者リストを最速で作成する方法
- 法務局で登記事項証明書を取得
・私道地番で請求(1通600円)
・所有者・持分割合・住所が分かる - 住民票・法人登記で現住所を確認
・転居済み・相続未登記の場合が多い - Excelで一覧化
・郵送/訪問/電話の連絡方法をメモ
ポイント:相続未登記があると共有者不明になります。次章の対処法を要チェック。
■ 2. 同意を取りやすくする3つのコツ
- 負担ゼロを明示
・工事費・復旧費は申請者負担
・私道を舗装し直す「+α」提案も有効 - 工期を短く提示
・「◯日間 9:00〜17:00のみ」と具体的に - 地元業者の採用
・顔見知り業者だと安心感アップ
■ 3. 不在者・反対者がいる場合の対処法
ケース | 対応策 | 期間 |
---|---|---|
所在不明(相続未登記) | 家庭裁判所で不在者財産管理人選任 →管理人が同意 |
2〜4か月 |
連絡は取れるが反対 | ・地役権設定登記を提案 ・一時金(承諾料)を提示 |
1〜2か月 |
どうしても同意不可 | 地方裁判所へ通行・掘削許可訴訟 (代用許可) |
6〜12か月 |
■ 4. そのまま使える「通行掘削同意書」ひな形
通行・掘削同意書 私道所在地:◯◯市◯◯町◯番◯ 工事内容 :上下水道管敷設および舗装復旧 工事期間 :2025年10月1日〜10月3日 9:00〜17:00 復旧方法 :アスファルト厚50mm、施主負担で復旧 私は上記内容に同意し、私道の通行および掘削を許可します。 令和◯年◯月◯日 共有者氏名 印
※実際の使用時は住所・持分割合を追記し、公正証書化すると安心です。
FAQ|よくある質問
Q. 共有者の何%の同意があれば良い?
A. 原則全員の同意ですが、急迫事情がある場合や裁判所許可を得た場合は一部同意でも可能です。
Q. 承諾料は経費になる?
A. 建物建築目的なら建物の取得価額に含め、減価償却できます(税理士へ確認推奨)。
Q. 裁判まで行くと費用はいくら?
A. 弁護士費用30〜50万円+実費が目安。勝訴すれば相手方に請求可能ですが、和解で終わることも多いです。
まとめ|共有私道の通行掘削は「リスト化→同意率UP→不在者対策」で乗り切る
共有者が多い私道でも、1) 全所有者を把握 → 2) 譲歩条件で同意率アップ → 3) 不在・反対者は法的手続きの流れで解決可能。
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