「毎年わずかな地代しか入らないのに相続税だけが重い」
「借地人との交渉が進まず、管理も面倒だ」
——それが底地を所有する地主が抱えがちな悩みです。
本記事では、旧借地法・新借地借家法の法制度から2022年電子契約解禁を含む最新改正までを網羅し、底地を“負動産”から“富動産”へ変えるロードマップを解説します。
- 1. 底地とは?
- 2. 底地が“訳あり”となる5大リスク
- 3. 底地の活用・処分方法4選
- 4. 高値売却の6つのチェックポイント
- 5. 売却手続きの流れと必要書類
- 6. 株式会社SAに依頼するメリット
- FAQ |よくある質問
■ 底地とは? —— 借地権付き土地の法的構造と最新改正
底地(貸宅地)とは、土地所有者(地主)が建物所有目的で土地を貸し付け、借地人が借地権を有する不動産形態を指します。
借地権は旧借地法(1921年)と新借地借家法(1992年施行)に区分され、更新期間・契約解除要件が大きく異なります。
2022年5月改正(電子契約解禁)により、定期借地権(第22条)および定期建物賃貸借がオンラインで締結可能になり、書面交付義務の一部が緩和されました。
とはいえ旧法借地が大半を占める現場では、「正当事由なしでは更新拒絶不可」という制約が依然として重くのしかかります。
■ 底地が“訳あり”となる5大リスク
① 収益性の低さ
路線価×借地権割合で評価される底地価格は、市場価格の1〜3割が目安。
地代利回りは0.3〜1.0%と低く、管理コストを差し引くと実質利回りがマイナスになる例もあります。
② 流動性の欠如
借地権付きのため、一般の金融機関が融資を渋る結果、買主が限定されます。
③ 借地人との交渉リスク
地代値上げ・更新料・譲渡承諾料を巡るトラブルは増加傾向。
④ 相続税負担のアンバランス
底地は相続税評価額=路線価×底地割合で計算されるため“低評価”ですが、納税資金捻出のために底地を慌てて安売りするケースが後を絶ちません。
⑤ 法改正による不確実性
都市再生特別措置法や再開発条例による立ち退き補償費高騰など、外部要因で出口戦略が揺らぐリスクがあります。
■ 底地の活用・処分方法4選
1. 地代改定(利回り向上)
周辺地代相場・路線価上昇を根拠に増額請求を行う手法。
ただし「相当賃料」の6%前後が目安で、借地人の同意と調停・訴訟リスクを伴います。
2. 借地人への優先売却
借地人が土地を所有できれば建替え自由度が上がり win-win。
売買価格は更地価格×(1−借地権割合)が交渉の基準となります。
3. 底借同時売却(等価交換)
底地と借地権を同一投資家が一括取得して更地化→新築分譲。
地主・借地人双方に税務優遇が得られるケースも。
4. 専門業者への直接買取
株式会社SAのような底地特化業者が地代債権・交渉リスクを引き受け、最短3週間で決済完了した事例もあります。
■ 高値売却の6つのチェックポイント
① 借地契約の残存期間と更新歴
残存期間が短いほど将来の更地化期待値が高まり、査定はプラス。
② 地代利回り vs 路線価利回り
地代×12 ÷ 査定価格が1.5%超を確保できると、投資家需要が高まる傾向にあります。
③ 借地権割合・底地割合
国税庁路線価をご確認のうえ、底地割合 = 1 − 借地権割合で算出。
都市部住宅地では借地権割合60〜70%が一般的です。
④ 更新料・承諾料の未収有無
未収が多い場合はディスカウント要因となるため、早期に回収・合意書化を。
⑤ 境界確定・測量
「筆界未確定」は減額査定の大きな要因。
測量図作成・越境合意書を整備するだけで10〜15%上乗せを引き出せる例も。
⑥ 複数業者の比較査定
底地専門と収益不動産専門では評価モデルが異なります。
最低3社を当て、「査定価格×決済スピード×諸費用負担」で総合比較しましょう。
■ 売却手続きの流れと必要書類
- 事前調査(借地契約書 / 登記簿謄本 / 固定資産税通知書 / 公図)
- 無料査定・価格提示(地代収支表 / 更新履歴の確認)
- 借地人への通知・同意(優先交渉権)
- 売買契約締結(本人確認書類 / 印鑑証明書 / 代理権確認)
- 司法書士立会い決済(抵当権抹消・地代清算)
- 残代金受領・引渡し(通常3〜6週間)
■ 株式会社SAに依頼するメリット
✔ 底地・借地権トラブル専門、年間300件超を対応
✔ 測量・境界確定・未収地代回収をSA負担でも相談OK
✔ 弁護士・税理士・不動産鑑定士ネットワークでワンストップ
■ FAQ|底地の“よくある疑問”
Q1. 底地を売る際、借地人に優先交渉権はありますか?
A. 法的な“優先買受権”はありませんが、信義則上の配慮として先に打診するのが一般的です。
Q2. 底地価格はどうやって決まりますか?
A. 更地価格×底地割合×利回り補正で算出するのが基本です。
Q3. 地代を長年据え置いたままでも売却できますか?
A. 可能ですが、未改定期間が長いほど査定マイナスになる傾向があります。
Q4. 相続直後でも売却は可能ですか?
A. 相続登記を済ませていれば即売却可能です