「売る・貸す・残す」をどう選ぶが正解?
「実家を相続したけど住む予定がない…」「賃貸に出すか、売るか、それともそのまま?」
相続空き家の選択肢は大きく①売却 ②賃貸運用 ③保有の3つ。
本記事では①維持費のリアル → ②選択肢ごとのメリット・デメリット → ③節税・補助金 → ④決断フレームワークを図表と事例で解説します。
読み終わるころには、あなたに最適な出口戦略がクリアになります。
- 1. 空き家を持ち続けると年間いくらかかる?
- 2. 「売る」「貸す」「残す」を総合比較
- 3. 税金と補助金|3000万円控除・空き家特例・耐震補助
- 4. 決断フレームワーク【5つの質問で診断】
- 5. 成功・失敗事例で学ぶ
- 6. 後悔しないための実践チェックリスト
- FAQ|よくある質問
■ 1. 空き家を持ち続けると年間いくらかかる?
費用項目 | 年額目安 | ポイント |
---|---|---|
固定資産税 | 8〜15万円 | 特定空家指定で最大6倍 |
火災・地震保険 | 2〜6万円 | 空き家割増10〜30% |
草木剪定・清掃 | 3〜5万円 | 放置でクレーム増 |
簡易メンテ(換気・通水) | 3〜4万円 | 管理会社巡回プラン |
合計 | 16〜30万円 |
10年間放置すると160〜300万円が固定費だけで消える計算です。
■ 2. 「売る」「貸す」「残す」を総合比較
売却(買取 or 仲介) | 賃貸運用 | 保有(セカンドハウス) | |
---|---|---|---|
初期コスト | 買取なら0円/仲介は リフォーム100〜300万円 |
リフォーム50〜150万円 | リフォーム50〜200万円 |
年間キャッシュ | ―(一括入金) | 家賃36〜60万円 | ▲維持費16〜30万円 |
税メリット | 3000万円控除/空き家特例 | 減価償却で所得控除 | 特になし |
リスク | 価格下落リスク回避 | 空室・家賃下落・修繕 | 劣化・固定費・防犯 |
決済スピード | 買取7〜14日/仲介3〜6か月 | 入居まで2〜4か月 | いつでも |
向く人 | 早く現金化・相続人が多い | 長期運用したい・資金余裕 | 実家を残したい・二拠点 |
■ 3. 税金と補助金|3000万円控除・空き家特例・耐震補助
- 被相続人居住用財産(3000万円控除)
・相続開始から3年+翌年末までに売却
・譲渡所得から3000万円控除 ⇒ 税ゼロの例多数 - 空き家譲渡特例(最大3000万円控除)
・昭和56年以前の旧耐震 × 耐震リフォーム or 解体
・仲介でも買取でも適用可 - 自治体の耐震・解体補助
・耐震診断5〜10万円/補強上限100万円
・解体補助上限20〜50万円(市区町村による)
■ 4. 決断フレームワーク【5つの質問で診断】
各質問に「はい=1点」「いいえ=0点」。合計0〜2点→売却向き、3〜4点→賃貸向き、5点→保有向き。
- リフォーム資金100万円以上を用意できる
- 管理会社への連絡を月1回以上できる
- 空室期間6か月でも生活に支障がない
- 実家エリアの人口が5年連続で増加している
- 二拠点生活や将来のUターンを検討している
■ 5. 成功・失敗事例で学ぶ
◎ 成功例|リフォーム+賃貸で年利8%運用
- 築30年・駅徒歩10分
- 耐震補強+水回り改装150万円
- 家賃6.5万円×12=78万円 → 利回り8.1%
× 失敗例|空き家放置で「特定空家」指定
- 築45年・郊外
- 放置5年で屋根崩落 → 行政代執行解体費180万円を負担
- 土地は売れたが固定資産税6倍+解体費で手取り激減
■ 6. 後悔しないための実践チェックリスト
- 相続登記を完了した
- 固定資産税・滞納有無を確認
- 無料査定で売却価格を把握
- リフォーム会社に概算見積を依頼
- 3000万円控除など税特例の期限を確認
- 家族会議で合意形成
FAQ|よくある質問
Q. 古い家でも買取してくれる?
A. はい。築50年以上・再建築不可・雨漏り物件でも現況買取が可能です。
Q. 賃貸と売却で迷ったら両方査定できる?
A. 不動産会社に「売却価格+想定家賃」を同時に出してもらうと比較しやすくなります。
Q. 空き家特例と3000万円控除は併用できる?
A. できません。どちらか有利な方を選択します。
まとめ|空き家は「費用・税・家族の将来」で出口を決める
相続した空き家の最適解はライフプランで変わります。
- 固定費>家賃見込みなら売却
- 人口増エリア+資金余裕なら賃貸
- Uターン予定・二拠点なら保有
迷ったら無料オンライン査定で売却価格・想定家賃・維持費を同時に試算。
数字を比べて、後悔しない選択をしましょう。