空き家の売却にかかる所得税・住民税は、原則として売却代金そのものではなく、取得費や譲渡費用などを差し引いた譲渡所得をもとに計算します。相続した家では、購入時の資料と所有期間、使える特例を確認することが大切です。
内容確認・更新:2026年10月16日
- 売れた金額と、税金の計算対象になる利益は違います。
- 所有期間は、売却した年の1月1日時点で判定します。
- 空き家なら誰でも3,000万円控除を使えるわけではありません。
空き家を売却するときの税金を考える順番
土地・建物の譲渡所得は、おおむね「売却収入−取得費−譲渡費用」で求め、該当する特別控除があれば差し引きます。売却に付随する精算金や、費用にできる項目も確認が必要です。
取得費は購入代金と同じ金額のままとは限りません。建物は減価償却を考慮します。購入時の契約書や領収書がない場合も、自己判断でゼロとせず、確認方法を税理士・税務署へ相談してください。
長期・短期の区分と税率
| 区分 | 所有期間の判定 | 所得税・住民税等の合計税率 |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日で5年を超える | 原則20.315% |
| 短期譲渡所得 | 同日時点で5年以下 | 原則39.63% |
上記は復興特別所得税を含む一般的な税率です。特例などによって扱いが変わる場合があります。相続による取得では、通常、亡くなった方の取得時期と取得費を引き継いで考えます。相続した日から数えるとは限りません。
2つの3,000万円控除を混同しない
| 制度 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 自分が住んでいた家の特例 | 居住の実態、住まなくなった時期、売却先、他の特例との関係 |
| 相続した空き家の特例 | 被相続人の居住、建築時期・建物の種類、相続後の利用、耐震・解体、売却時期・代金など |
相続空き家の特例には細かな要件があります。2024年以降の譲渡で対象家屋等を取得した相続人が3人以上の場合、控除の上限は各人2,000万円となります。2026年10月時点の制度では、適用対象の譲渡期限は2027年12月31日で、相続から売却までの期限も別途確認が必要です。
控除で税額がゼロになる場合でも、適用のために確定申告が必要です。契約や解体の後に確認すると選択肢が限られるため、売却前に適用条件を確認してください。
税務相談に用意したい資料
- 亡くなった方を含めた購入時の契約書・領収書。
- 売却の見積りや契約書、仲介手数料・測量等の費用資料。
- 相続関係の資料、登記、相続税申告書がある場合はその控え。
- 建築時期と、誰がいつ住んでいたかを確認できる資料。
売却時には譲渡所得の税金以外にも、契約書の印紙などを確認します。SAへの相談では物件の買取条件を、税理士・税務署への相談では税額と特例を確認し、手取り額の見通しを立てましょう。
よくある質問
相続した直後に売ると短期の税率ですか?
通常は亡くなった方の取得時期を引き継ぎます。相続から売却までの期間だけで決めず、もとの取得時期を確認してください。
査定額が3,000万円以下なら税金はかかりませんか?
価格だけでは判断できません。譲渡所得と、特別控除を使えるかどうかを分けて確認する必要があります。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した家や共有持分など、売り方に迷う不動産について、分かる範囲からご相談ください。物件の状況とご希望を伺い、買取の可否や条件を確認します。
不動産会社・仲介会社の方は、物件の買取相談・資料送付はこちら。
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参考資料
- 国税庁:長期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁:短期譲渡所得の税額の計算
- 国税庁:相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期
- 国税庁:マイホームを売ったときの特例
- 国税庁:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
制度の適用や必要な手続きは、物件・権利関係・取引条件によって異なります。個別の法律・税務の判断は、弁護士・司法書士・税理士などにご確認ください。
