借地借家法の基本と底地オーナーが押さえるべきポイント
借地借家法とは?
借地借家法は、土地や建物を借りる人の権利を厚く保護することを目的とした法律です。旧借地法と旧借家法が1992年に一本化されて成立しました。特に土地を借りている借地人は、建物を所有するために長期的な契約が必要となるため、地主側が一方的に契約を解除したり、更新を拒絶したりすることが原則難しくなっています。底地オーナーとしては、この点を踏まえて借地人との交渉を進めていく必要があります。
契約更新の原則
借地借家法では、借地権設定の契約期間が満了しても、建物が存在している限り借地人が更新を請求する権利を持ちます。地主側が更新を拒絶できるのは正当事由がある場合に限られ、正当事由のハードルは非常に高いとされています。つまり、底地オーナーは契約更新に柔軟に対応しつつ、必要に応じて地代の改定などでリスクを軽減していくことが求められます。
地代改定の交渉
底地を保有するメリットの一つが、地代を収益源として得られることです。ただし、長期間にわたる契約ほど、当初の地代が相場と乖離してしまうケースも珍しくありません。借地借家法では地代改定の規定があり、地主・借地人双方の合意や裁判所の判断により地代を増減することが可能です。交渉が難航する場合は、専門家や弁護士を介して適正な賃料水準を検討することが大切です。
将来リスク1:契約更新トラブル
リスクの概要
借地人が契約更新を拒まれたと認識したり、地主側が正当事由なく更新を拒否しようとしたりすると、長期の法的紛争に発展する可能性があります。こうしたトラブルは裁判にまで及ぶと、時間や費用、精神的負担が大きいリスクとなります。
対策:事前の合意形成
契約更新時期が近づく前に、地代や契約期間、修繕責任などを改めて確認し、借地人と協議を重ねておくことが重要です。契約書に将来の更新条件を具体的に示しておくことで、予期せぬトラブルを回避しやすくなります。
将来リスク2:地代未払い・滞納問題
リスクの概要
借地借家法で借地人の権利が強く保護されていても、地代の滞納や未払いのリスクはゼロではありません。特に、地代が相場より低く設定されている場合、長期的な収支バランスが崩れて大きな損失につながる可能性があります。
対策:地代改定と保証人・担保
地代滞納が続く場合は、法的手続きにより地代の支払いを求めることになります。あらかじめ保証人や担保を設定しておくことで、リスクを軽減できます。また、定期的に地代改定を検討し、借地人と合意に至れない場合には弁護士や不動産の専門家に相談するのが望ましいでしょう。
将来リスク3:相続時の税負担と物納の難しさ
リスクの概要
底地は借地権付きの土地であるため、自由に活用・売却ができる「更地」と比較すると流動性が低くなります。一方で、相続税評価上は一定の評価額がついてしまうため、相続税の支払いに苦しむケースがあります。また、相続税の物納制度を活用しようとしても、借地権が付いている土地は原則として認められにくいのが実態です。
対策:生前対策・早期売却
相続が発生する前に、底地を売却して現金化するか、または相続人間での分割方法を決めておくと相続税対策に有効です。さらに、借地人に底地を買い取ってもらう交渉を進めたり、共有名義を整理したりといった方法もあります。生前対策や専門家のサポートを得ることで、無用な税負担を回避できる可能性が高まります。
将来リスク4:売却時の交渉難航
リスクの概要
底地を売却しようとした場合、最優先で借地人に購入意思を確認するのが一般的ですが、借地人が買い取らない場合には第三者への売却が必要になります。しかし、借地権付き土地という条件がつくため、投資家や不動産業者との価格交渉が難航するケースがあります。
対策:専門家の仲介と情報開示
売却時には、不動産鑑定士や宅地建物取引士などの専門家の意見を基に適正価格を算出し、借地契約の内容や地代収入の実績を十分に開示することが重要です。借地人の権利が強いというデメリットを、地代収入の安定性というメリットに変えてアピールすることで、スムーズな売却成立を目指します。
まとめ
借地借家法は借地人を保護する法律ではありますが、底地オーナーにとっても活用次第で大きなメリットをもたらす可能性があります。契約更新や地代改定を上手に行い、将来的なリスクを事前に把握して対策を講じることで、底地オーナーとしての権利や収益を最大化できます。相続や売却、地代の交渉といった重要な局面では、専門家のアドバイスを受けながら一歩ずつ進めましょう。
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