株式会社SA|共有不動産の解決実績No.1

SOLUTION

トラブル解決 共有持分

2025年4月14日

トラブルは避けたい…共有持分だけを売るときの税務リスクと解決策

共有名義の不動産をめぐる問題の中でも、特にやっかいなのが「持分だけを売る」ケースです。相続や共同購入で生じた不動産を他の共有者と意見が合わずに共有状態のまま放置していると、時間とともに固定資産税や管理費などの負担だけが増していきます。しかし、共有持分だけを売却しようとしても、思わぬ税務リスクや買い手不在の問題に直面することが多いのです。本記事では、不動産鑑定士・宅地建物取引士の視点から、共有持分を単独で売却するときの税務リスクとその解決策について解説します。共有者同士のトラブルを最小限に抑えながら、最良の判断を下すための参考にしていただければ幸いです。

共有持分だけを売るのが難しい理由

まず、共有不動産において「持分だけ」を売るのが難しい理由を整理してみます。

1. 買い手が見つかりにくい

市場では、持分だけを購入しても自由に物件を利用できないため、需要が限定的です。買い手は他の共有者との協調や将来的な共有物分割など、多くの不確定要素を抱えることになります。そのリスクを踏まえて、相場より大幅に低い価格でなければ取引が成立しにくいのが現状です。

2. 他の共有者との対立

自分の持分だけを第三者に売却したい人がいても、他の共有者が「知らない人が加わるのは困る」と反対する場合があります。法律上、持分売却に共有者全員の同意は不要ですが、その後の管理や利用に支障をきたすリスクが高まり、長期的なトラブルに発展することも少なくありません。

3. 権利関係の複雑化

第三者に持分を売却してしまうと、新たな共有者との話し合いが必要になり、合意形成がいっそう難しくなる傾向があります。物件の修繕や賃貸利用などの方針を決めるにも、各共有者の意向を揃えるハードルが高まるのです。

税務リスクとは?譲渡所得税と贈与の問題

共有持分だけを売却する際には、主に譲渡所得税贈与税のリスクを意識する必要があります。

1. 譲渡所得税の課税

持分を売却して利益が出れば、譲渡所得税の対象になります。単独所有であれば売却額から取得費や譲渡経費を差し引いて計算しますが、共有持分の場合も同様です。
ただし、取得費が不明なケースでは「概算取得費」として売却額の5%しか計上できず、実際より課税額が膨らむ危険性があります。相続などで取得した不動産の場合、被相続人が購入したときの契約書や領収書などを探し出す努力が必要です。

2. 低価格での譲渡と贈与税

共有持分は市場価格が下がりやすいとはいえ、あまりにも不自然に低い金額で譲渡すると、税務署から贈与とみなされる可能性があります。その場合、贈与税が課されるリスクがあるため注意が必要です。
適正な価格を示すために、不動産鑑定士の客観的評価を取得するなどの対策が有効です。

3. 相続税との兼ね合い

相続前に持分を売却するなら、相続税の計算上どのように影響するかも考慮しましょう。生前贈与と同様、特定の共有者が持分を安く買い取ったと判断されると、遺留分や他の相続人の権利が絡んで後々紛争化するケースもあります。

解決策1:他の共有者への優先打診

持分売却を検討しているなら、まずは他の共有者への売却を打診しましょう。なぜなら、外部の第三者に持分を売却すると未知のトラブルを生むリスクが高い一方、他の共有者が買い取れば物件全体の所有形態を単独に近づけることができ、管理や運用がしやすくなるからです。

1. メリット

  • 権利関係がシンプルになり、意思決定がスムーズ
  • 外部第三者との合意形成が不要で、長期的トラブルを防ぎやすい
  • 相場よりも適正価格で買い取ってもらえる可能性が高い

2. デメリット

  • 買い取る側が資金を用意できない場合、交渉が暗礁に乗り上げる
  • 価格交渉で感情的対立が起きるリスク

この場合も、不動産鑑定士の評価をベースに価格を決めるとスムーズです。さらに、譲渡所得税の試算を忘れず行いましょう。

解決策2:専門業者や持分買取業者への売却

身内での買い取りが難しい場合、持分買取業者に売却する選択肢があります。投資家や専門業者が買い取った後は、他の共有者を買い取るなどして物件全体の権利を集約し、転売や賃貸運用を行うビジネスモデルです。

1. メリット

  • 交渉や手続きが比較的早く済む
  • 買い手が見つからないケースでも成立しやすい

2. デメリット

  • 相場より低めの価格での売却を余儀なくされる
  • 他の共有者との関係悪化、将来的な共有物分割請求のリスク

短期間で現金化したい場合には有力な選択肢となりますが、価格面での妥協が大きいことを踏まえて検討しましょう。

解決策3:共有物分割請求を視野に入れる

最後の手段として、共有物分割請求を裁判所に申し立てる方法があります。これは強制的に共有状態を解消できる手段ですが、多くの場合、「競売」による売却となり、売却価格は通常の市場価格より安価になる傾向があります。

1. メリット

  • 話し合いが決裂しても、法的に共有関係を解消できる
  • 相続人や共有者が不在でも、手続きを進められる

2. デメリット

  • 競売での売却価格は低くなるリスク大
  • 裁判費用や時間的コストがかさむ

一般的には「どうしても他の手段が取れない場合の最終手段」と考えられており、弁護士や不動産鑑定士との連携が不可欠です。

まとめ

共有持分だけを売るのは、税務リスクや買い手不在など、さまざまなハードルを伴います。しかし、状況によっては迅速な現金化が必要だったり、他の共有者との意見対立を避けられない場合もあるでしょう。以下のポイントを押さえておけば、余計な損失やトラブルを回避しやすくなります。

  1. 譲渡所得税や贈与税などの税務リスクを理解し、適切な取得費や評価を把握する
  2. まずは他の共有者に優先買取を打診し、内部での合意形成を図る
  3. 専門業者や持分買取業者に売却するなら、価格面での妥協を考慮
  4. 競売に進む共有物分割請求は最終手段とし、弁護士・不動産鑑定士への相談を早めに行う
  5. 必要に応じて事前に共有契約を作成し、持分処分のルールを定めておく

自分の持分だけであっても、他の共有者の理解や税務手続きを踏まえた慎重なアプローチが不可欠です。専門家のアドバイスを取り入れながら、後悔のない選択を進めてください。

お問い合わせ

共有持分、共有名義、再建築不可、底地などの訳あり物件でお困りではありませんか?私たちは、どんなに複雑なケースでも迅速かつ丁寧に対応する専門チームを備えています。24時間365日、お気軽にご相談ください。
【24時間電話相談OK】TEL:03-6823-2420 【問い合わせフォーム】 https://sakk.jp/contact/
訳あり物件の可能性を見出し、解決へ導くプロフェッショナルチームがサポートします。お気軽にお問い合わせください!

キーワード

カテゴリ

まずはお気軽に
ご相談ください。

お客様のお悩みをしっかりお伺いし、プロの視点で解決の糸口を見つけます。

24時間電話相談OK
03-6823-2420
24時間受付中
お問い合わせフォーム
友達登録で簡単
LINEで無料相談