「共有名義の土地だから使い勝手が悪い」「売却しにくいので塩漬け状態……」という悩みをお持ちではないでしょうか。実は、共有者間でルールをきちんと定め、管理体制を整えれば、その土地を賃貸に活用して安定した収入源に変えられる可能性があります。賃貸活用に向けて、節税効果や管理方法、注意点をまとめてご紹介します。うまく運用すれば、放置していた土地が意外な形で“大化け”するかもしれません。
共有名義の土地を賃貸活用するメリット
共有名義でありながら、賃貸運用を選ぶメリットは以下のとおりです。
1. 不動産を維持しつつ収益化
売却せずに持ち続ける場合でも、賃貸収益があれば固定資産税や管理費などの出費を賄える可能性があります。特に立地が良ければ収益性が高まり、共有者同士の負担を軽減できます。
2. 節税効果を得られる場合も
貸家建付地として活用すれば、相続税の評価額が下がる場合があります。また、賃貸所得から修繕費や減価償却費など経費を差し引くことで、所得税・住民税の負担を抑えられる余地もあります。
賃貸物件として運用するための注意点
賃貸は魅力的ですが、共有者同士の合意形成と実務上のルール作りが欠かせません。
1. 共有契約(協定)を結ぶ
賃貸に出すかどうか、家賃設定や管理費用負担の割合、将来的な売却方針などを共有契約という形で文書化します。こうすることで、「誰が管理を担当するか」「収益をどう分配するか」が明確になり、のちのトラブルを防げます。
2. 管理会社への委託
遠方に住む共有者や忙しいメンバーが多いなら、不動産管理会社へ一括委託する方法が有効です。家賃回収やクレーム対応、修繕手配をプロに任せることで、共有者同士のわずらわしい調整が最小限に抑えられます。
3. 税務申告と経費の配分
家賃収入を共有者の持分割合で分配し、それぞれが確定申告で所得を申告するのが原則です。修繕費や管理料などの経費も持分に応じて配分。経費配分の根拠をしっかり残しておかないと、税務調査で指摘される恐れがあります。
賃貸活用で得られる主な節税の仕組み
共有名義の土地を賃貸に活用すると、税金面で以下のような利点を享受できる場合があります。
1. 借家建付地としての評価減
土地が賃貸用に使われていると、所有者が自由に使えない分だけ評価額が下がる仕組みがあります。相続税の計算時に評価減が認められれば、大きな節税効果を期待できます。
2. 経費計上で所得を圧縮
不動産所得の計算では、管理費、修繕費、減価償却費、ローン利息などを経費として差し引けます。共有者それぞれが持分割合に応じて経費を按分し、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。
3. 売却時の評価調整
将来的に売却する場合も、賃貸実績があると借家人の権利が土地の利用を制限するとみなされ、評価を下げられるケースがあります。具体的な減額率は不動産鑑定士が物件の状況を確認しながら算定するのが一般的です。
実践事例:共有名義の更地を駐車場にして節税
例えば、兄弟で共有していた更地を、売却せずに駐車場として賃貸に出したケースがあります。収益性は賃貸住宅ほど高くありませんが、設備投資が少なく済むため初期コストを抑えられ、管理会社に委託することで維持負担も軽減。
また、借家建付地ほどの評価減は得られないものの、固定資産税の非住宅用地軽減措置が適用されたり、追加で設備投資(アスファルト舗装など)をする場合は経費計上できることから、結果的に所得税・住民税の一部を抑えられたとのことです。
賃貸で稼ぐための管理と節税の秘訣
実際に共有名義の土地を賃貸化するなら、以下の点にも注意を払ってください。
1. 共有契約(協定)で役割分担を明確に
管理担当者をひとり決めておくとスムーズです。賃貸契約の更新やクレーム対応、支払い管理など、日常的なやり取りを担う「窓口担当者」を指定し、他の共有者にも定期的に報告するフローを確立しましょう。
2. 専門家との連携で法規制や助成金をチェック
建築基準法や都市計画法、自治体の規制など、土地利用にはさまざまなルールがあります。さらに、省エネ改修やバリアフリー化などで助成金を受けられることもあるので、行政窓口や弁護士の助けを借りながら確認を行うと良いでしょう。
3. 売却タイミングを見極める
賃貸運用を始めたからといって、ずっと続ける必要はありません。地価が上昇したり、家族のライフステージが変化したりしたら、売却にシフトすることも選択肢の一つ。物件の価値が上がったタイミングで売れば大きな利益を得られるかもしれません。
まとめ
共有名義の土地は、決して活用が難しいだけの存在ではなく、戦略次第で資産に変えることが可能です。特に賃貸活用をすることで、以下のようなメリットを得られます。
- 家賃収入で固定資産税や維持費をカバーし、余剰収益を確保
- 借家建付地などの評価減で相続税・固定資産税を抑えられる
- 経費計上(修繕費、減価償却など)で所得税・住民税を軽減
- 共有契約(協定)で役割分担・収益分配を明確化し、トラブルを防ぐ
- 将来的な売却を見据え、価値を維持または高める運用ができる
具体的な賃貸プランや建築・リフォームの可否、また税務申告における経費計上ルールは複雑です。不動産鑑定士や税理士、弁護士などの専門家と連携しながら、賃貸の運用方針や将来的な売却時期を柔軟に設計すれば、思わぬ形で共有不動産が資産へと変貌するかもしれません。まずは正しい情報収集と協議から始めてみてはいかがでしょうか。
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