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トラブル解決 共有持分

2025年4月16日

裁判所に持ち込む前に!共有物分割請求を回避するための実践ガイド

共有名義の不動産をめぐる紛争が激化すると、最終的には「共有物分割請求」という法的手段を検討せざるを得ない状況に陥ることがあります。しかし、裁判を通じて強制的に解消した場合、競売での売却となるため相場より安値を余儀なくされることが多く、全共有者にとって望ましい結果とは限りません。本記事では、不動産鑑定士・宅地建物取引士の観点から、共有物分割請求を回避し、より円満な解決を図るための実践ガイドをお届けします。裁判所に持ち込む前にできることを把握し、大切な資産を最大限に守りましょう。

なぜ共有物分割請求が起こるのか

共有不動産で「もう話し合いは無理だ」となったとき、共有者の一人が共有物分割請求を申し立てることが可能です。これが起こる背景には、以下のような要因があります。

1. 意見の衝突

売却、賃貸、住み続けたいなど、共有者の希望がバラバラで合意できないケース。長期間の協議でも妥協点が見つからず、裁判に頼るしかなくなるというパターンです。

2. 管理や費用負担の不平等

修繕費、固定資産税、管理費などをどのように分担するかで揉めることも多いです。相続や共同出資で作られた共有関係だと「自分は使っていないのに…」という不満が蓄積し、一部共有者が不満を爆発させて請求に踏み切ることも。

3. 他の共有者との連絡不通

特に相続での共有状態で、海外在住や高齢で連絡が取りづらい共有者がいる場合、意思決定が滞ります。こうした状況で物件の価値が下がり続けるのを見かねて、裁判を検討する共有者が出てくる場合もあります。

共有物分割請求の流れとデメリット

実際に共有物分割請求が行われると、一般的に以下のような流れで進みます。

1. 調停・審判

まずは家庭裁判所や地方裁判所で調停を試み、それでも話がまとまらない場合は審判へ移行します。調停や審判では、現物分割(土地を分筆などで分割)、代金分割(売却後に代金を分配)、競売といった方法が検討されます。

2. 競売による不本意な安値売却

合意に至らず競売となった場合、市場価格よりも低い金額で売却される傾向が強いのが実情です。その結果、共有者全員が大きな損失を被る可能性があります。また、競売の手続きには手間や費用がかかるうえ、時間も相当にかかります。

3. 長期的な対立

裁判所を介した法的争いは、共有者同士の関係を深刻に悪化させる要因となります。家族間や親族間であれば、修復が難しい溝を生むことも珍しくありません。

共有物分割請求を回避するための実践ガイド

では、どうすれば裁判所に持ち込まれる前に円満な解決を図れるのでしょうか。以下では実践的な対策を紹介します。

1. 共有契約(協定)の作成

共有状態の不動産を管理する際には、まず共有契約(共有協定)を締結するのが有効です。具体的には、

  • 管理・修繕費の負担割合
  • 賃貸や売却の意思決定方法
  • 持分譲渡の際の優先交渉権

などを文書化することで、「話がまとまらない」「誰が費用を出すのか不透明」といった摩擦を未然に防止できます。

2. 不動産鑑定士の評価をベースに交渉

価格をめぐる対立が大きいなら、不動産鑑定士による客観的な鑑定評価を取り入れてください。互いに納得感が得やすく、感情的対立を抑えられます。また、持分の買い取りなどを検討する場合も、客観的評価があれば税務リスク(贈与認定など)を回避しやすいのがメリットです。

3. 交渉が難航する場合は調停や仲裁を利用

共有者同士の直接交渉で折り合いがつかないときは、弁護士や調停機関を活用する選択肢があります。裁判所に持ち込む前の段階で、第三者を交えて調整を図ることで、競売のように極端に低い値段で財産を失うリスクを避けられます。

4. 生前対策で共有を避ける

そもそも、相続や共同投資の段階で不要な共有状態を生み出さないことも重要です。遺言書や生前贈与、遺産分割協議の工夫によって、なるべく単独所有に近い形にしておけば、後々の共有物分割請求リスクが大幅に減ります。

共有物分割請求を検討する前に確認すべきQ&A

実際に共有物分割請求を行うかどうか迷う方が多いので、よくある疑問を整理しておきましょう。

Q1:全共有者が同意しないと分割請求できない?

いいえ、共有者の一人でも分割請求を起こせます。ただし、裁判所の手続きに入ると他の共有者との対立が深刻化するリスクが高く、結果的に競売で安値になるケースが多いのが実情です。

Q2:競売以外にどんな分割方法がある?

裁判所が認める共有物分割の方法としては、現物分割(土地を分筆などで物理的に分割)、代金分割(売却後の金銭を分配)、競売の3種類があります。物理的な分割が可能なら現物分割で対応できる場合もありますが、土地や建物の形状・規制によっては非現実的なことも。

Q3:持分売却と分割請求、どちらが得?

ケースバイケースですが、競売は安価になりやすいですし、持分売却も割安価格を提示されるリスクがあります。最善策は、他の共有者に持分を買い取ってもらうか、全員合意で市場に売却し、売却益を分割する形が一般的に高値を期待できるでしょう。

まとめ

共有物分割請求は、共有不動産の紛争が深刻化したときに使われる強力な法的手段です。しかし、裁判所に持ち込むと競売による大幅な値下げや長期化する争いなど、全共有者にとって後味の悪い結果になりがちです。回避するためには以下のポイントを実践しましょう。

  1. 共有契約(協定書)を作成し、事前に管理・売却方針を明確に
  2. 不動産鑑定士の評価を活用し、価格をめぐる対立を客観的データで解消
  3. 調停や仲裁で第三者を介入させ、競売のような不本意な結末を避ける
  4. 相続や共同投資の段階で可能な限り共有状態を作らない(生前対策)

こうした努力を重ねることで、大切な不動産を最大限の価値で活かし、家族やビジネスパートナーとの関係を良好に保つことができます。対立が深刻になる前に専門家への相談を検討し、円満解決を目指してください。

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