【参照】NHKニュース

URL：https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015005921000
 

不動産の移転登記に「国籍」記載を義務化へ、政府が施策パッケージを公表

政府は、外国人による不動産保有の実態を把握するための施策パッケージを公表しました。個人が不動産の移転登記や森林取得を届け出る際、新たに「国籍」の記載を求める仕組みを導入し、2026年4月以降、順次運用を始める方針です。
 

安全保障上重要な土地を取得する法人には代表者の国籍も届け出

法人による不動産取得についても、自衛隊施設の周辺など安全保障上重要とされる区域の土地や森林を取得する場合、代表者の国籍などを届け出させる枠組みが盛り込まれました。すでに重要土地等調査・規制法で一部の区域は監視対象となっていますが、今回の施策は「誰が所有しているのか」をより明確にする狙いがあります。
 

海外在住者・外国法人による取得も「居住目的」まで届け出対象に拡大

これまで、海外在住の個人や外国法人が不動産を取得する際の国への届け出義務は、主に投資目的の取得に限定されていました。今後は居住目的の取得も対象に加え、居住実態の把握をしやすくする方向に改めるとしています。投資・居住の両面で外国人の不動産保有情報を一元的に把握することで、政策判断に必要なデータを整備する狙いがあります。
 

外国人政策の一環として、「出入国管理」「在留資格」「国保未払い」も議題に

今回の施策パッケージは、政府が進める外国人政策全体の一部です。今後は、日本国籍取得要件の運用、出入国・在留資格の管理、国民健康保険料や医療費の未払い対策など、残された論点について与党と調整を進め、来月をめどに外国人政策の基本的な考え方を取りまとめる方針とされています。不動産だけでなく、社会保障や安全保障を含めた総合的な枠組みの中で位置づけられます。
 

「外国人規制」ではなく「市場の透明性」としてどうデザインするか

こうした動きに対し、「外国人の土地取得を締め付けるための規制だ」というイメージだけが先行すると、市場や社会の分断を招きかねません。本質は、
・誰がどのような目的で土地や不動産を保有しているのか
・安全保障上の重要拠点周辺をどうモニタリングするか
・投機的取引と実需をどう見分けるか
といった「所有情報の透明化」にあります。不動産市場にとっても、所有者情報の信頼性と追跡可能性が高まることは、取引リスクの低減とトラブル防止につながる側面があります。
 

株式会社SAの視点：複雑な所有・国籍・相続を“整理できる状態”にしておく重要性

株式会社SAは、共有名義・相続放棄・所有者不明・再建築不可・事故物件など、通常の仲介では扱いづらい「訳あり不動産」の法務整理・買取・再生を専門に行っています。
今回のように、所有者・国籍・居住実態の把握が政策として強化されていくと、
・海外在住の日本人が持つ実家や空き家
・外国籍の相続人が絡む共有不動産
・法人名義だが実質的な所有者が曖昧な物件
などは、整理が遅れるほど手続きが複雑化しやすくなります。

市場と制度の両方が「所有の透明性」を求める流れにある今こそ、
・登記名義の見直し
・不要な法人・名義の整理
・相続手続きの早期着手
・訳あり物件の売却・買取による出口設計
を進めておくことが、将来のリスクを減らす一番の対策になります。SAは、国内外に所有不動産を持つ方や、国籍・相続が絡む複雑事案についても、法務専門家と連携して整理と再生をサポートしています。
 

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