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COLUMN

コラム 共有持分

共有持分(共有名義)税金

2023年9月17日

共有不動産の青色申告、事業的規模と不動産所得を分けて考える

この記事の結論

共有不動産の青色申告では、通常の家賃収入は不動産所得として扱います。貸付けが事業的規模になっても、それだけで事業所得に変わるわけではありません。青色申告の控除は、各人の要件を確かめて適用します。

個人で共有する賃貸物件を対象とした一般的な解説です。控除額の説明は2026年分を対象とし、個別の所得区分や申告は税務署・税理士に確認してください。

内容確認・更新:2026年10月12日。

訂正:旧記事の「5棟10室なら事業所得」という説明と、白色申告では基礎控除しか使えないという説明を訂正しました。古い基礎控除額を使った試算も削除しました。

共有不動産の青色申告と事業的規模の関係

国税庁は、不動産の貸付けによる所得を不動産所得とし、事業として行われるかどうかで所得計算の取扱いが異なる場合があるとしています。「事業的規模」は、所得の種類を事業所得へ変更する条件ではありません。

建物の貸付けでは、おおむね10室以上、または独立家屋がおおむね5棟以上という基準があります。原則は実態に基づく判断です。共有だから各人が必ず同じ控除を受けられると決めず、貸付けの状況と各人の申告要件を確認しましょう。

2026年分の青色申告特別控除を確認する

上限額 主な確認条件 注意点
55万円 事業的規模等の要件、正規の簿記、決算書類、期限内申告 帳簿があるだけで自動適用ではない
65万円 55万円の要件に加え、期限内のe-Tax申告等、または所定の電子帳簿保存 電子納税をしただけでは要件を満たさない
10万円 55万円・65万円の要件に該当しない青色申告者 所得額による限度がある

上の表は要件の要約です。青色申告の承認や適用条件を各人で確認してください。申告書等の電子送信と、税金を電子的に支払うことは別の手続きです。基礎控除などの所得控除は、青色・白色の別だけで使える範囲が決まるものではありません。

共有者ごとに収入と経費の根拠を残す

管理会社の年間明細、賃貸借契約、入金口座、所有割合、経費の負担記録をそろえます。代表者の口座に家賃が振り込まれる場合でも、誰に帰属する収入なのかを確認して帳簿へ反映することが大切です。

修繕の支払いを一人が立て替えた場合は、立替金の精算と必要経費の計上を分けて記録します。建物の取得価額と年間の減価償却費も混同しないようにしましょう。費用を全員が二重に計上していないか、管理会社の明細と各人の記録を突き合わせます。

申請期限と記帳を早めに確認する

青色申告には承認申請が必要です。原則の期限のほか、新たに業務を始めた場合や相続による承継には別の期限があります。すべての人が一律に3月15日までと考えず、自分の開始日や承継日に合う案内を確認しましょう。

申告期にまとめて判断するより、賃貸を始める時点で記帳方法と資料の保管先を決めると、後から確認する負担を減らせます。過年度の資料を使うときは、税額や控除額をそのまま翌年へ転用しないことも大切です。

出典:国税庁:不動産所得 / 国税庁:事業的規模の区分 / 国税庁:青色申告特別控除 / 国税庁:青色申告制度

よくある質問

10室以上なら事業所得で申告しますか?

通常の不動産貸付けでは、不動産所得の中で事業的規模に当たるかを判断します。室数だけで事業所得へ変更しません。

共有者全員が65万円を控除できますか?

各人の青色申告の承認、帳簿、申告方法、所得額などの要件によります。物件を共有していることだけでは決まりません。

株式会社SAの視点:管理の記録は売却時にも役立つ

家賃や修繕の記録が整理されていると、収益物件の売却相談でも現状を説明しやすくなります。税務の確認資料と、物件の管理資料を対応づけて保管しておきましょう。

以下は収入・費用がすべて持分に応じて帰属するという単純化した仮定例です。青色申告特別控除・所得控除・税額の計算は含みません。

項目 物件全体 持分2分の1の人
年間収入 500万円 250万円
必要経費 200万円 100万円
控除前の所得 300万円 150万円

所有割合の考え方は、共有持分の計算方法もご覧ください。

まとめ

共有不動産の青色申告は、所得区分、貸付けの規模、各人の申告要件を順に確認します。所有割合だけの表で税額まで決めず、帳簿と資料をそろえて判断しましょう。

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