引っ越すために物件選びをするにあたっては、少しでも快適に過ごせる場所を選びたいものですよね。
生活の質に関わる情報は実際に住んでみないとわからない点も多いのですが、「近隣トラブルのリスクがある」ことは、やり方次第で事前にその情報を手に入れることは可能なのです。
そこで今回は、物件選びで避けるべき、近隣トラブルのリスクの高い物件を避ける方法について解説します。
近隣トラブルの典型例
まずは、近隣トラブルでよくあるケースについて解説します。
騒音
近隣トラブルの代表的な問題は「騒音」でしょう。
とくにアパートやマンションなどの集合住宅だと、壁を挟んで隣人が住んでいる関係上、物件内で騒音問題が表面化しやすくなります。
同じ建物で生活している以上は、多少の生活音については許容するべきでしょう。
しかし、たとえば一般的に寝る時間である深夜帯に集まって騒いだりすると、寝不足になってしまいます。
こうした騒音問題は一度で解決するようなものではないケースが多く、たとえば週一で集まって宴会をする習慣がある入居者の場合だと、毎週のように夜中の騒音に悩まされてしまうでしょう。
夜中にうるさくするようなモラルの低い人間は、騒音の件について訴えても改善するような性格ではないケースが多く、物件の大家さんや管理会社を巻き込んでトラブルが大きくなったり、場合によっては裁判や事件に発展するケースも珍しくありません。
ルールを守らない
近隣トラブルでよくあるのは「ルールを守らない」ことです。
アパートやマンションの場合であれば管理規約でさまざまなルールが決められていますし、一軒家の場合でも町内会のルールなどがあります。
たとえば、集合住宅の場合であれば「ペット禁止」がよくありますが、入居者の中にはそのルールを破って犬や猫を飼い始めることもあるのです。
その際、大家に黙って飼い始めるケースもあれば、大家と交渉してペット可にしてもらったケースの2パターンがあります。
とくに後者は厄介な問題であり、大家が認めてしまった以上はなかなか相手にペットを手放すように交渉することは難しいでしょう。
その場合だと入居者だけでなく大家や管理会社も相手取って問題解決に臨む必要があり、相当な苦労を強いられることになります。
悪臭や害虫の原因になっている
近隣トラブルで健康被害をもたらしやすい問題としては「悪臭や害虫」の問題があります。
いわゆるゴミ屋敷化している建物やアパートの一室などがあり、そこから悪臭や害虫の被害がこちらにも及んでしまうことが多いです。
これらの影響により健康を損なうこともありますし、洗濯物を外に干すことが難しくなってしまいます。
実はゴミ屋敷問題はなかなか解決がシビアな問題でもあり、たとえばゴミを勝手に片付けると所有権を侵害することになり、ゴミを片付けるように張り紙をすると名誉棄損に相当する可能性があるのです。
物件のオーナーにクレームを出して対応してもらうのが一般的な流れになりますが、ゴミ問題の解決には相応の時間を要することになるでしょう。
不当な要求や危険な行為を繰り返す
近隣トラブルで厄介なのは「不当な要求や危険な行為を繰り返す」住人が近くに住んでいることです。
一般常識やマナーを身に着けている人であれば、きちんと生活のルールを守り、近隣とトラブルを起こさないように行動するでしょう。
しかし、世の中には世間の常識が通用しない、いわゆる自己中心的な考え方で行動する厄介な考え方を持つ人がいることも事実なのです。
たとえば「夕方まで赤ちゃんを預かって」とか「この間〇〇を頂いたんですって?ちょっと分けなさいよ」といった、通常では考えられない要求を繰り返す人もいます。
また、近所の空き地でバーベキューなどの火を使った行為を繰り返すことにより、火災発生のリスクを高めるような人もいるのです。
不当な要求を繰り返されたら精神的に参ってしまいますし、危険な行為をされれば命の危険にさらされることになるため、安心して生活することができなくなってしまいます。
近隣トラブルが起こりやすい物件を避けるためには?
近隣トラブルが起こるリスクがゼロになることはありませんが、もともとリスクの高い物件に引っ越すことは避けたほうが良いでしょう。
そこで、近隣トラブルのリスクがある物件を避けて引っ越しをする方法について解説します。
物件情報を精査する
まず基本となるのは「物件情報の精査」です。
引っ越し先を探す際には多くの場合において不動産業者に相談することになり、業者はさまざまな物件情報の中から希望に合ったものを選んで紹介します。
ただ、不動産業者が紹介する物件の中には、不動産業者として抱えているのは厄介な物件も含まれており、厄介払いのために紹介してくるケースもなくはありません。
近隣トラブルを抱えている可能性がある物件情報を避けるためには、まず「告知事項」がないかどうかを確認してください。
不動産情報を紹介するにあたって、その物件に何らかの問題がある場合、それを相手に伝える義務が法律で定められています。
重度の近隣トラブルもこれに該当するため、告知事項がある物件には注意が必要です(軽度の近隣トラブルだと該当しないケースが多いですが)。
あとは、家賃が異様に安すぎないかチェックしましょう。
物件のオーナーは、近隣トラブルなど問題がある物件は借り手が付きにくいため、家賃を安く設定して入居者を集めようとすることがあります。
相場より安い家賃設定の物件は、いわゆる訳アリ物件である可能性が高いので注意してください。
必ず内見を行う
引っ越し先を探すにあたっては、かならず「内見」を実施してください。
内見をして、壁が薄すぎないか、周辺環境に問題がないかどうかを確認しましょう。
内見をする際のテクニックとしては、昼間だけでなく夜の時間帯にも内見を行うことが重要です。
昼間は出かけていて夜帰ってくるというスタイルだと、昼間に内見しただけではその人の影響はわかりません。
昼間は問題なくても、実は夜に問題を起こす住人がいる可能性がありますので、夜の様子についてもきちんと確認しておくことをおすすめします。
可能であれば周辺住人から聞き取りを行う
これはなかなか難しい話ではあるのですが、可能であれば近隣の住人から近隣トラブルの有無などについて情報収集を行うと良いでしょう。
たとえば、友人や親せきが近くに住んでいれば、気軽に聞き取りを行えるはずです。
実際に住んでいる人の情報ですから信ぴょう性が高く、もし近隣トラブルが多発しているエリアであればその地域の物件を避けて引っ越し先を探しましょう。
まとめ
近隣トラブルにはさまざまな悪影響があり、いずれのケースにおいても生活の質を大きく下げられてしまうことは避けられません。
実際に住み始めてからでは後悔することになりますので、物件情報を探している段階で近隣トラブルのリスクがある物件の特徴を把握してこれを避けて、安全な物件を探してください。