不動産取引では、担当者の説明を聞くだけでなく、広告・見積書・契約書の内容が一致しているかを確かめることが大切です。不安を感じたときに、何を質問し、どんな資料を残せばよいか、七つの確認項目に分けて紹介します。
内容確認・更新:2026年10月16日
1.広告の価格と、実際に取引できる条件を確認する
広告を見たら、掲載日、対象の部屋や土地、価格に含むもの、現在も申込みができるかを確認します。安い物件という理由だけで、おとり広告と判断することはできません。
存在しない物件、実際には取引できない物件、取引する意思のない物件を使った広告は、おとり広告として禁止されています。別の物件ばかり紹介されるときは、掲載物件を紹介できない理由を聞き、広告の画面も保存しましょう。
「旧価格から大幅値下げ」と表示されている場合は、旧価格で販売していた事実と時期を確認します。二重価格表示は、価格を併記して割安に見せる表示の問題です。改修前後で価格が異なるというだけでは、不当表示とは決まりません。
2.両手仲介と囲い込みを混同しない
一つの仲介会社が売主と買主の両方を仲介することを、一般に両手仲介と呼びます。その形だけで違法とはいえません。問題になるのは、他社からの紹介を不当に妨げたり、売主に事実と異なる報告をしたりする行為です。
売主は、他社の買主も受け付けるか、問い合わせや購入申込みをどう報告するかを契約前に確認します。買主は、価格や引渡し条件を誰が売主へ伝え、回答をどう受け取るかを聞いておきましょう。
3.販売活動の報告とレインズの情報を照らし合わせる
売却を依頼したら、広告を出した媒体、問い合わせ、内見、購入申込みの内容を具体的に報告してもらいます。法令上の定期報告は、専任媒介が2週間に1回以上、専属専任媒介が1週間に1回以上です。
専任・専属専任媒介で売却を依頼した物件は、レインズの登録証明書と売主用の確認方法を確認します。取引状況が自分への説明と違う場合は、担当者に理由を聞きましょう。一般の人がレインズの全物件を自由に検索できるわけではありません。
「内見が少ない」だけでは囲い込みの証拠にはなりません。価格、広告の写真、内見できる時間帯なども含め、反響が少ない理由を確認することが必要です。
4.費用は名目・作業内容・支払先で確認する
| 費用の例 | 確認したいこと |
|---|---|
| 仲介手数料 | 計算方法、上限、支払時期 |
| 融資の手続き費用 | 金融機関への費用か、別の代行業務の費用か |
| 測量・残置物・解体 | 作業の範囲、見積額、追加が生じる条件 |
| 広告・コンサルティング等 | 通常の仲介業務との違い、依頼と合意の有無 |
金額だけでなく、誰へ何の対価を支払うかを説明してもらいます。内容が分からない費用や、既に支払う手数料と重複して見える費用は、契約前に確認してください。
買取価格と仲介の査定価格を比べる場合も、売主が負担する費用、売れるまでの維持費、引渡しの条件をそろえます。「無料」という言葉だけでは、最終的な手取りは判断できません。
5.物件の状態は、分かっていることと未確認を分ける
売主は雨漏り、修繕、境界、入居者との契約等について、把握している事実を伝えます。買主は、調査済みの範囲、見えなかった場所、確認できていない設備を質問します。
建物状況調査を受けた物件でも、あらゆる不具合がないことの保証にはなりません。調査報告書の対象と限界、契約不適合があった場合の対応を契約書で確認しましょう。
6.融資の見込みと、契約を解除できる条件を確認する
事前審査の結果と、実際の融資実行は同じではありません。借入額、自己資金、必要書類、本審査の予定、融資が受けられなかった場合の扱いを確認します。
ローン特約は、申込先や期限、解除の方法等によって内容が異なります。「審査に落ちれば必ず白紙」という説明だけで契約せず、具体的な条件を読んでください。
7.口頭の約束を、契約書と日程に反映する
- 1 / 3条件対象・価格・引渡しの状態
- 2 / 3負担費用・修繕・資料の準備
- 3 / 3期限融資・解除・決済・引渡し
「後で直します」「片付けて渡します」といった約束は、対象、期限、費用負担、できなかった場合の扱いまで明確にします。大事な約束が契約書にない場合は、署名前に確認してください。
説明と書面が食い違うときは、広告、メール、見積書、契約書をそろえ、会社の相談窓口や消費生活センター等へ相談します。契約済みの解約や返金に争いがあれば、弁護士等へ相談しましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した空き家や共有持分の売却では、価格とあわせて、片付け・測量・引渡し条件も比較することが大切です。専門チームへ、現在の状況からご相談いただけます。
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