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2025年10月18日

【みんなで顧問・勉強会レポート】日米資産税セミナーに参加しました

株式会社SAが参画する一般社団法人みんなで顧問(https://minnadekomon.jp/)の勉強会に参加し、顧問の佐野John司税理士(米国EA/日本税理士)を講師にお迎えして「日米資産税セミナー」が開催されました。佐野先生はロサンゼルス・リトルトーキョーに事務所を構え、日米両国の税務・会計に精通する専門家です。今回は、相続・信託・評価・情報開示などを中心に、制度の違いと実務上のポイントをわかりやすく解説していただきました。

 

冒頭では、日米の課税体系の基本的な違いが紹介されました。日本では「相続人が税金を支払う相続税方式」であるのに対し、アメリカでは「遺産そのものに課税される遺産税方式」が採用されています。この仕組みの違いによって、手続きの流れや必要書類、期限管理などが大きく異なることを学びました。特に、アメリカでは被相続人が亡くなった後、9か月以内に申告を行う必要があり、適切な延長申請や書類整備が欠かせません。

また、贈与税に関しても、日本が「受け取った人」に課税されるのに対して、アメリカでは「贈与した人」に課税されるという根本的な違いがあり、制度を理解していないと国をまたぐ相続・贈与で思わぬトラブルにつながることがある点も印象的でした。

 

次に取り上げられたのは、アメリカ特有の相続制度である「プロベート(遺産管理手続)」と「リビングトラスト(生前信託)」です。プロベートは裁判所の監督下で財産を清算・分配する手続きで、時間や費用がかかり、公開性の問題も伴います。その一方で、リビングトラストを活用すれば、こうした手続きを回避し、スムーズに財産を承継できる場合があります。

 

セミナーでは、信託を設立する際には「財産の名義をトラストに移すこと」が実務上の鍵になること、また「名義変更や受取人指定の整合性」が取れていないと、結局は裁判手続きが必要になる可能性があるという具体的な注意点も紹介されました。信託は節税目的ではなく、むしろ「手続きの円滑化」と「家族間トラブルの予防」を目的とした制度であることが強調され、参加者からも多くの質問が寄せられました。

 

さらに、相続財産の評価方法にも日米で大きな違いがあります。日本では主に「取得時の価格」を基準としますが、アメリカでは「相続時点の時価(フェアマーケットバリュー)」を用いて評価額を引き上げる「ステップアップ方式」が採用されています。これにより、相続後に不動産などを売却する際の課税額を軽減できる仕組みになっています。加えて、コミュニティ・プロパティ(婚姻中取得は夫婦共有とする州法)では「ダブル・ステップアップ」が起き得ます。この考え方は、将来の資産売却や相続税の負担を見据えた長期的な戦略に直結するものであり、「評価をどのタイミングで、どの基準で行うか」が国際的な相続実務では特に重要であることが共有されました。

 

また、海外資産を持つ際に見落とされがちな「情報開示義務」についても説明がありました。アメリカでは税金の申告とは別に、海外口座や金融資産の保有を報告する制度(FBAR、FATCAなど)が設けられています。これらを怠ると高額な罰金が科される場合もあるため、日常的に海外との関わりがある人ほど、適切な情報開示と専門家への相談が欠かせないという点が強調されました。 こうした国際税務の実務は「知らなかった」では済まされない領域であり、正確な理解と迅速な対応が信頼につながることを改めて実感しました。

 

セミナー全体を通じて印象的だったのは、単に「制度の違いを学ぶ」だけでなく、「どの国、どの州の法律が適用され、どのタイミングで何を準備すべきか」という実務の流れを体系的に理解できたことです。国をまたぐ資産の承継には、法制度だけでなく、文化・慣習・行政手続きの差も影響します。

 

所有形態(JTWROS/CPWROS/TIC)の違いは、プロベート回避の可否、Basisの扱い、贈与認定や債権者リスクまで影響する。今回の勉強会は、そうした複雑な現実に対応するための基礎を改めて共有し、チーム全体が今後の実務に活かすきっかけとなりました。

 

SAでは今後も、顧問や専門家との連携を深めながら、複雑な不動産・相続・税務の課題に対して、実務に即した知識とチームの総合力でお応えしてまいります。

 


<開催情報>
・講師:佐野John司 税理士(米国税理士/日本国税理士、東京税理士会上野支部所属)
・主催:一般社団法人みんなで顧問(https://minnadekomon.jp/
・開催日:2025年10月17日(金)

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