【参照】国土交通省「不動産取引に係る新たなサービス形態について」
URL:https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001885858.pdf
住宅リースバックとは何か──自宅を売っても住み続けられる仕組み
住宅のリースバックは、自宅をいったん不動産会社等に売却し、売却後は家賃を支払って同じ家に住み続ける仕組みです。自宅に住みながら一括で資金を受け取れる一方で、通常の売却や住宅ローンの借り換え、リバースモーゲージなどと必ず比較検討することが前提とされています。
固定資産税など所有者としての負担はなくなりますが、代わりに毎月の家賃負担が発生します。契約内容によっては、希望する期間住み続けられない場合や、設備の改修・増設に制約がかかることもあります。広告では「将来買い戻せる」と強調されがちですが、その条件や価格が契約でどう定められているかの確認が不可欠です。
リースバックは、高齢者の住み替えや老後資金対策の手段として「健全な普及」が政策的にも位置づけられている一方で、仕組みが複雑なため、利用者の理解が追いついていない側面があります。
相談件数は5年で10倍超──数字が示す住宅リースバックのリスク
国民生活センターに寄せられた住宅リースバック関連の相談件数は、2019年度の十数件規模から、2023年度には200件を超える水準まで増加しています。いわば「認知の広がり」とともに「トラブルも増えている」状態です。
典型的な相談内容としては「売却価格が安すぎた」「家賃が想定より高く、数年で生活が苦しくなった」「修繕費は買主負担と説明されたのに、契約書では売主負担になっていた」「退去時に高額な原状回復費を請求された」「買い戻せると聞いていたのに、契約書には買戻し特約がなかった」といったものが挙げられます。
共通するのは「説明と契約書の内容のギャップ」と「トータルコストをイメージしないまま契約してしまった」という二点です。パンフレットや広告だけを見て判断することの危うさが、相談事例から浮かび上がります。
誰が何のために使っているのか──高齢者だけではない利用者層
調査によると、リースバックの利用者には高齢者世帯が多いものの、高齢者以外の夫婦世帯や単身世帯も一定数含まれています。利用動機としては「住宅ローンやその他債務の返済」「生活資金の確保」「高齢者施設への入居資金」「離婚など家庭環境の変化に伴う住み替え」などが挙がっています。
つまりリースバックは、「老後のゆとり資金」だけでなく、「資金繰りの悪化」や「家庭の事情の変化」に直面した世帯にも選ばれているということです。本来はライフプランを立て直すための手段であるにもかかわらず、短期的な資金ニーズだけで検討してしまうと、数年後に家賃負担が重くのしかかるリスクがあります。
事業者側の事情──相場の6〜7割査定とその後の出口
リースバックを行う事業者への実態調査では、買取価格を「周辺相場の6〜7割程度」と回答する割合が多くなっています。リースバック期間中は第三者に売却しづらく、賃貸以外の運用ができないため、利回りや将来の転売リスクを織り込んだ価格設定になっていると考えられます。
事業者は買取後、リースバック契約が終了した段階で、戸建賃貸として運用を続けたり、リフォームして再販したり、建物を解体して更地売却や住宅分譲に活用したりと、さまざまな出口戦略を取っています。利用者が支払う家賃と、将来の売却益の両方を前提にビジネスが組み立てられている点も押さえておく必要があります。
賃貸借契約の種類や修繕費の負担、更新料の有無など、通常の賃貸と異なる条件が設定されているケースも少なくありません。家賃が周辺相場だけでなく「売却価格」と連動して決まることがある点にも注意が必要です。
株式会社SAの視点:リースバックだけに頼らないという選択
株式会社SAは、共有持分・再建築不可・底地・老朽化空き家など、一般の不動産会社が扱いづらい訳あり不動産を専門に買取・再生している会社です。その立場から見ると、住宅リースバックには次のようなリスクが見えてきます。
第一に、「売却価格のディスカウント」と「長期の家賃」を合わせたトータルコストが見えにくいことです。相場の6〜7割で売却し、さらに家賃を払い続けた結果、数年で手元資金が尽き、結局退去せざるを得なくなるケースは、決して珍しくありません。
第二に、「所有権を手放した後の自由度の低さ」です。将来のリフォーム、二世帯化、相続の仕組みづくりなど、所有していれば選べた選択肢が、リースバック契約の条件によっては取りづらくなります。買戻しの条件も、契約書で明確に定められていなければ、あくまで「期待」にすぎません。
だからこそSAは、「リースバックはあくまで選択肢の一つ」と位置づけることを提案します。通常の売却や賃貸、リフォームして賃貸に出す、相続前に売却して資産を整理する、訳あり不動産として専門会社に買取を依頼するなど、他の選択肢と同じテーブルに並べて比較することが重要です。
失敗しないためのチェックポイント──契約前に必ずやるべきこと
住宅リースバックを検討する際には、次のポイントを最低限押さえておくことをおすすめします。
一つ目は、「通常売却した場合の価格」と「リースバックの買取価格」と「家賃の総額」を比べることです。例えば5年住み続けると仮定した場合、売却価格の目減りと5年分の家賃を合算すると、実質的にどれだけのコストになるのかを試算してみてください。
二つ目は、「家賃を払い続けられるか」のシミュレーションです。年金や収入の見通し、将来の医療・介護費を見込み、数年後に家賃が払えなくなるリスクがないかを家族と一緒に確認することが大切です。
三つ目は、「契約書を第三者の目でチェックする」ことです。説明資料と契約書の内容が一致しているか、買戻し特約の有無と条件、修繕費や原状回復費の負担、途中解約や退去時のルールなどを、専門家に見てもらうだけでもリスクは大きく下がります。
それでも「判断が難しい」「他にどんな選択肢があるのか分からない」と感じたときは、訳あり不動産を含めた出口戦略に詳しい専門会社に、セカンドオピニオン的に相談してみるのも一つの方法です。株式会社SAは、リースバックだけに頼らない「住まいと不動産の整理」の考え方を一緒に検討しています。
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