老朽化したマンションでも、築年数だけで住めない・売れないと決まるわけではありません。建物の状態、修繕の見通し、管理の運営、今後の負担を確認し、保有を続ける案と売却する案を比べましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
築年数は、管理状態を調べる出発点
国土交通省の資料では、2025年末の築40年以上のマンションは約158.8万戸で、2045年末には約503.6万戸になると見込まれています。この戸数は、高経年マンションの規模を示す推計で、すべてが管理不全になるという意味ではありません。
同じ築年数でも、修繕の履歴、設備の更新、管理組合の運営で状態は異なります。高齢の住民が多い、自主管理である、管理費が低いという理由だけで危険と決めつけず、実際の資料を確認します。
最初に、修繕計画・お金・議事録を確認する
| 資料 | 確認すること |
|---|---|
| 長期修繕計画 | 作成・見直し時期、予定工事、費用の見込み |
| 会計資料・積立金 | 残高、今後の支出、滞納、借入の有無 |
| 総会議事録 | 値上げ・一時金・工事の決議、検討中の課題 |
| 点検・工事の記録 | 雨漏り、配管、防水、外壁等の対応状況 |
計画があるだけで、資金が足りているとは限りません。見積もりと積立額の差、工事の延期、積立金の改定予定を確認します。残高が多くても、近く大きな支出があれば余裕があるとは判断できません。
総会で話題になった段階と、実施が決まった段階を分けます。売却の説明では、確定した負担と、まだ検討中の見通しを混ぜないことが大切です。
自分の部屋の問題と、建物全体の問題を分ける
室内の設備故障と、共用配管や屋上防水等の問題では、調査や修繕の進め方が異なります。専有部分と共用部分の範囲は、管理規約や構造等で確認してください。
例えば室内に雨漏りがあっても、原因が屋上や外壁なら、室内の壁紙を直すだけでは解決しません。どこを調査し、誰が費用を負担するかを管理組合・管理会社等と整理します。
外壁の落下など差し迫った危険が疑われる場合は、売却査定を待たず、管理者や専門家へ連絡し、安全確保を優先します。写真だけで安全性を判断しないようにしましょう。
2026年の法改正で、建て替えが自動的に決まるわけではない
2026年4月に施行された改正区分所有法では、建て替え等を進めやすくする制度が整備されました。建て替え決議は原則として区分所有者と議決権の各5分の4以上で、耐震性不足等の一定の客観的事由がある場合に各4分の3以上へ緩和されます。
すべてのマンションで一律に4分の3へ下がった、という制度ではありません。自分のマンションが対象となるか、どの手続きが必要かは専門家の確認が必要です。
決議の条件と、事業として実施できるかは別です。建築費、区分所有者の負担、仮住まい、建て替え後の住戸、事業者の提案を確認します。改修や建物・敷地の売却等も、条件に応じた検討対象になります。
保有と売却を、自分が負担できる費用で比較する
| 選択肢 | 比較する負担と条件 |
|---|---|
| 住み続ける・保有する | 毎月の支払い、将来の一時金、室内の修繕 |
| 賃貸する | 賃料、空室、管理、入居前後の修繕 |
| 売却する | 査定額、滞納等の精算、引渡し、住み替え費用 |
建物全体の再生について合意を進めることと、自分の住戸を売却することは別の検討です。自分の生活や予算に合わせ、確認できる数字をもとに比較します。
売却を考えていても、管理費等の支払いを自己判断で止めないでください。未払がある場合や一時金の決議がある場合は、管理側へ残額を確認し、売主と買主の負担を整理します。
売却相談には、分かる資料から持ち寄る
- 1 / 3建物不具合・修繕履歴・設備
- 2 / 3管理計画・残高・総会の決議
- 3 / 3住戸利用状況・権利・希望条件
管理規約、長期修繕計画、最近の議事録、管理費・修繕積立金の明細等があると、状況を伝えやすくなります。相続したばかりで資料がない場合は、管理組合や管理会社へ入手方法を確認しましょう。
老朽化や管理上の課題を隠すのではなく、対応済み・未対応・未確認を分けて伝えます。査定では価格だけでなく、追加調査、費用の精算、引渡し条件も確認してください。
売却の進め方を、専門チームに相談する
相続した古いマンションや、修繕の負担が気になる住戸の買取についてご相談ください。専門チームが管理資料と利用状況を確認し、条件を検討します。
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