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2023年11月19日

底地の評価方法と価格決定のポイント

 

一般的に、他人に貸し出している「底地」の資産価値は、同程度の更地と比較すると低くなりますが、それでも資産価値が全くないというわけではありません。

事情によって底地の適正な評価を必要とする場合、どういった基準で底地の価値を評価するべきなのか把握しておくことは重要です。

そこで、底地の評価方法と価格決定のポイントについて解説します。

 

 

底地評価の基本理解

まずは、底地の価値を評価することの基本的な内容について解説します。

 

底地評価の重要性と目的

底地の価値を評価するにあたっては、さまざまな意義を持つことになります。

たとえば、底地を保有していた人が亡くなった場合は底地も相続の対象になりますが、そうなると「相続税」が発生することになるのです。

相続税は相続財産の資産価値に基づいて計算されますので、その時点での底地の価値がどれくらいなのかわからないと相続性の計算ができません。

また、底地の価値は周辺の都市開発などによりその価値が変動する可能性があり、底地の利用価値が上昇して資産価値が上昇していれば借地権者に対して地代の値上げ交渉をするための材料になるでしょう。

このように、底地の価値を正しく評価することは、さまざまな権利・義務関係において重要な基準になるため、正しい評価基準を把握してそれに基づいて底地の価値を評価することは重要なことなのです。

 

底地評価の基本手法

底地の評価方法については、大きく分けて「路線価を基準にする方法」と「不動産鑑定評価基準を利用する方法」の2つに分かれます。

路線価を利用する場合は、国税庁が定める相続税評価額(路線価)を基準にして、そこから借地権割合を差し引いた金額をその底地の評価額として判断するのです。

この方法は路線価に借地権割合についても記載されているため、誰でも参照しやすいというメリットがありますが、その土地の実態を反映していないというデメリットがあります。

そのため、土地の実態を反映して底地の実際の価値を判断するためには、不動産鑑定士による評価を採用することが必要になるのです。

不動産鑑定士は「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」という3つの評価基準を組み合わせて、多彩な観点からその底地の価値を評価します。

不動産鑑定士による評価は、地代や相続などでトラブルになって裁判になってしまった場合に、有力な証拠として裁判所に提出することが可能です。

 

底地評価の要因と影響

底地の価値は、さまざまな要因に影響されて大きく変動する可能性があります。

 

地域特性と底地評価

基本的に「土地の価値」というものは、周辺の環境の変化によりその価格が大きく変動するという特性があります。

基本的に、駅や公共施設などから遠い場所にある土地の価値はそこまで高くなりませんが、周辺が土地開発により生活の利便性が高まればその土地の価値は大きく上がる可能性があります。

また、大企業や大学などができれば、社員や学生の住む場所が必要になりますので、土地の需要が増えて土地の価値が高まることが多いです。

逆に、大型商業施設や大企業、工場や教育機関などが撤退・閉鎖してしまうと、住宅需要が低迷するので土地の価値も下がるでしょう。

 

市場動向と底地価格

土地に限らず、物の価値というものは「需要・ニーズ」に比例して上下するものです。

その土地の必要性が高まれば、それに比例して土地価格も向上するでしょう。

一般的にその土地の利便性の高さが土地価格に影響しますが、それ以外の要因として「セレブの街」「子育てに最適な街」といったブランド価値が生まれれば、それが需要を底上げすることになり土地価格を上昇させる要因になることもあります。

そうした市場のニーズを把握して、それを土地価格の評価に反映させることにより、その時代に最適な土地価格の評価ができるのです。

 

専門家のアドバイスの活用

底地の価格を決めるにあたっては、売買契約者同士で同意があれば問題ありませんが、その前に専門家のアドバイスを活用することも検討してください。

 

不動産専門家の役割と貢献

底地の適正な価値を公平な立場で算定するためには、不動産の価値を決める専門家である「不動産鑑定士」の助力を得ることをおすすめします。

不動産鑑定士は3つの評価基準を組み合わせることで、その不動産の実態に即した適正な価値を判断してくれるのです。

基本的に、底地を第三者に売却するにあたっては、相互の同意があればその金額に適正であるかどうかの判断基準は必要ありません。

すぐに現金化したいなどの事情があって、深く考えずに売却金額を決めてしまうと、本来得られたであろう利益を失する可能性も捨てきれないのです。

また、地代交渉で借地権者と合意に至らない場合にも、合意に至るための判断材料に欠けているというケースも少なくありません。

こうしたケースにおいて、不動産の価値を算定するプロである不動産鑑定士の意見があれば、相互に納得しやすい形で、その底地の本来の価値に即した取引ができるようになるでしょう。

 

実務経験が豊富であることが重要

底地の価値を適正に評価してもらうためには、不動産鑑定士であればだれでも良いというわけではありません。

同じ底地を複数の不動産鑑定士に評価を依頼する場合、必ずしもすべての不動産鑑定士が同水準の金額を評価するわけではないのです。

不動産の価値を評価するにあたっては、さまざまな基準から多角的に判断する必要があり、これには不動産鑑定士としての実務経験がどれだけ豊富であるかが重要になります。

底地の価値を評価してもらうにあたっては、できるだけ実務経験が多い不動産鑑定士を探して依頼することをおすすめします。

 

まとめ

底地の価値を正しく判断することは、売買などの取引や、地代の値上げ交渉などのトラブルをスムーズに解決するために重要なポイントになります。

素人には簡単なことではありませんので、こうした問題に直面して底地の適正な価値を知りたいという方は、不動産の評価のプロである不動産鑑定士に評価を依頼して、ご自身の底地が現時点でどれだけの価値を持っているのかをプロ目線で評価してもらってください。

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