共有不動産の民法改正では、軽微な変更や、所在が分からない共有者がいる場合の手続きが整えられました。ただし、過半数の持分があれば何でも決められるわけではありません。売却、修繕、賃貸など、行いたいことを具体的にしてから必要な手続きを確認します。
内容確認・更新:2026年10月16日
2023年4月施行の改正で整理されたこと
共有物の管理を持分の価格の過半数で決める基本ルールは、改正前からありました。2023年4月施行の見直しでは、形状や効用の著しい変更を伴わない「軽微な変更」も、過半数で決められることが明確になりました。
所在等が不明な共有者がいる場合に、裁判所の決定を受けて管理・変更を進める仕組みや、不明共有者の持分を取得・譲渡する制度も設けられています。単に連絡がつかないというだけで、その人の権利を除外できる制度ではありません。
行うことによって、必要な同意が変わる
| 行為 | 基本となる考え方 |
|---|---|
| 保存 | 共有物を維持する保存行為は、各共有者が単独でできる |
| 管理・軽微な変更 | 原則として、持分の価格に従った過半数で決める |
| 著しい変更 | 原則として、共有者全員の同意が必要 |
| 不動産全体の売却 | 自分の持分だけの売却とは異なり、原則として全員の合意が必要 |
過半数は人数ではなく持分で判断します。また、修繕という名前だけで分類は決まりません。工事の内容や規模を確認します。共有者間の決定に基づく使用に特別の影響を及ぼす場合など、追加の承諾が問題になることもあります。
賃貸借も、期間や借地借家法上の扱いによって検討が必要です。担保設定を一律に「過半数でできる管理行為」と考えるのも適切ではありません。
所在不明の共有者がいる場合の制度
| 進めたいこと | 制度を検討するときの確認 |
|---|---|
| 管理や変更 | 必要な調査を尽くしても所在等が不明か、具体的に何を行うか |
| 不明共有者の持分を取得 | 裁判所の手続き、時価相当額の供託などの要件 |
| 不動産全体を第三者へ売却 | 不明共有者以外の持分も同じ相手に譲渡する条件など |
制度ごとに申立ての要件が違い、相続した持分には相続開始からの期間による制限もあります。調査資料を持って弁護士に相談し、利用できる制度と費用を確認します。自分の判断で署名を省いたり、所在不明者の持分まで売ったりはできません。
相談前に整理しておくとよい資料
- 土地・建物の登記と、自分を含む共有者の持分割合
- 利用者、賃貸借契約、共有者間で決めた内容
- 連絡を取った日時、返答、調査の経緯
- 実施したい工事や売却の範囲、希望時期
SAへ買取を相談する際は、権利関係と希望する売却範囲をお知らせください。裁判所の制度を使うかどうかの法的判断と、不動産としての買取条件の確認を分けて進めると、必要な相談先が明確になります。
売却の進め方を、専門チームに相談する
共有者と連絡が取れない、売却方針がまとまらないなどの事情も、分かる範囲でお知らせください。自分の持分の買取を含め、物件の状況に応じた相談を承ります。
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