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COLUMN

コラム 不動産相続

2026年10月24日

相続不動産の調査、「一覧に載っていない土地」を見落とさないために

この記事の要点

相続した土地を探すときは、登記の一覧と手元の資料を照らし合わせましょう。氏名・住所が一致しない登記や未登記の不動産は、一度の検索で見つからないことがあります。見つかった件数より、食い違う資料を残さないことが大切です。

「実家の土地はこれで全部だと思っていた」。売却の話を進めてから、別の土地の資料が出てくると、確認のやり直しが必要になります。相続不動産の調査で頼りになるのは一覧表ですが、その一覧が何を調べた結果なのかまで知っておくと、探し漏れを減らせます。

2026年10月23日のタイムス住宅新聞は、相続した土地について、書類と現地の両方から確認を進める考え方を紹介しました。本稿では、その入口になる「土地を探す」作業を取り上げます。制度の名前を覚えるよりも、資料同士のずれに気づける形をつくりましょう。

全国の一覧が取れても、それだけで完了とは限らない

法務省の所有不動産記録証明制度は、2026年2月2日に始まりました。登記に記録された氏名・住所を条件として、不動産を一覧で確認できる仕組みです。相続人も請求でき、離れた地域に土地があるか分からないときの手掛かりになります。

ただし、登記の氏名・住所が検索条件と一致しない場合や、所有権の登記自体がない場合には、一覧に出ないことがあります。「該当なし」は、その条件で見つからなかったという結果です。財産が一切ないという意味に読み替えないようにしましょう。

たとえば、引っ越す前の住所で取得した土地と、現在の住所で取得した建物があると考えてみてください。現在の住所だけで探して結果が一部しか出なければ、古い書類に残る住所が次の手掛かりになります。これは売却価格の問題になる前の、調査の入口の問題です。

一覧の件数より「照合の順番」
手元を集める税金・契約・登記の書類を一か所へ
条件を確かめる取得当時の氏名と住所を確認
一覧と比べる地番・家屋番号ごとに一致を確認
残った疑問を相談見つからない理由を分けて調べる

住所が同じでも、同じ土地とは限らない

日常使う住所と、登記で土地を特定する地番は、同じとは限りません。「実家の住所で調べたから大丈夫」と考えず、土地なら地番、建物なら家屋番号を軸に整理します。家族の呼び方も、書類上の物件名とは分けておくと混乱しません。

「家の裏の小さな土地」「昔の畑」といった呼び方は、場所の手掛かりとして残しましょう。ただし、その呼び名だけで自分たちの土地だと決めず、資料との対応を確認します。写真や地図に印を付けるだけでも、専門家に質問するときの説明が具体的になります。

資料を照らし合わせるときの見方
資料 まず見るところ 次に確かめること
所有不動産記録証明書 検索に使った氏名・住所、表示された物件 古い住所など、調べていない条件はないか
登記事項証明書 地番・家屋番号、名義、持分 手元の物件と同じものか、名義の経緯はどうか
税金に関する資料 所在地、地番、土地・建物の区分 登記の一覧と一致するか、差が出た理由は何か
古い売買契約書など 取得した物件の表示、付属する土地の記載 今も所有しているか、その後の処分記録はあるか

この表は、書類に優劣を付けるものではありません。税金の資料は課税のため、登記の資料は登記記録を確認するためのものです。役割が違う資料を組み合わせて、同じ物件を別の角度から確かめます。

「出てこなかった土地」を、すぐに除外しない

説明のために、実家の宅地は一覧にある一方、古い契約書には隣接する別の地番も書かれていた場面を考えます。ここで必要なのは、「一覧が正しい」「契約書が古いから無視する」の二択ではありません。

追加の地番が過去に売却されたのか、分筆・合筆などで表示が変わったのか、それとも検索条件に合わなかったのか。考えられる理由を一つずつ分けます。現時点で分からないものは、家族の財産一覧から消さず、「確認中」として残しておく方が、次に作業する人へ引き継げます。

確認用のメモには、「資料に書かれていた地番」「どの書類で見つけたか」「現在の確認状況」「次に誰へ聞くか」の四つがあれば十分です。最初から完璧な台帳を作ろうとするより、分からない箇所が見える台帳を目指しましょう。

売却の相談は、分からない点も一緒に伝える

株式会社SAの訳あり不動産専門チームに相談するときも、すべての調査が終わるまで待つ必要はありません。所在地の手掛かり、手元にある資料、現在分かっている名義や利用状況をお知らせください。何が分かっていて、何が未確認なのかが伝わると、買取条件を検討するための確認点を絞りやすくなります。

たとえば「土地が三筆あります」だけでなく、「二筆は登記を確認済み、もう一筆は古い契約書に記載がある」と伝えます。土地の数を断定するより、情報の確かさを伝える方が、売主・仲介担当者・買主の間で認識をそろえられます。

登記名義や相続関係の整理が必要な部分は司法書士などへ、現地の土地の表示や境界の調査が必要な部分は土地家屋調査士などへ、確認内容に応じて相談先を分けます。買取の相談と手続きの相談を並行させる場合も、役割が混ざらないよう整理することが大切です。

Q. 一覧に載っていない土地は、相続財産に含めなくてよい?

A. 一覧にないことだけでは判断できません。検索条件や登記の有無、古い書類との対応を確認しましょう。財産に含まれるか分からない段階では、確認中の項目として残してください。

Q. 書類が少なくても売却の相談はできる?

A. 相談の入口では、所在地の手掛かりや分かっている事情からお伝えいただけます。売却を進める段階で必要になる確認は別途あるため、手元にある資料と不足している資料を分けて整理します。

最初の一歩は、一覧を増やすより食い違いを一つ見つけること

相続不動産の調査は、資料を大量に集めるだけでは進みません。古い住所が残っていないか、別の地番が書かれていないか、名義が想定と違わないか。手元の書類を横に並べると、次に確認すべき点が見えてきます。家族だけでは判断できない食い違いを、そのまま相談に持ち込める形にしておきましょう。

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