空き家の点検は、回数だけでなく、何を確認し、異常があれば誰が動くかまで決めておくことが大切です。「月1回」は全国共通の安全基準ではありません。建物の状態や季節、周辺の状況に合わせ、続けられる管理方法を考えましょう。
内容確認・更新:2026年10月16日
空き家の点検頻度は、調査で多い回数をそのまま基準にしない
国土交通省の令和6年空き家所有者実態調査では、管理者がいる空き家の管理頻度は「月に1~数回」が34.0%、「年に1~数回」が27.6%でした。これは実際の管理状況を集計した値で、必要な頻度や防犯効果を認定したものではありません。
警察庁の統計では、2025年の空き家における侵入窃盗の認知件数は1万1,958件でした。全国の件数が増えていることから、個別の家で毎月何回点検すれば被害を防げるかまでは分かりません。
一律に回数を決める前に、建物の傷み、敷地、季節、現地へ行ける人を整理します。委託する場合も、定期点検に含む作業と追加対応を確かめましょう。
定期点検と、異常があった場合の確認を分けて決める
| 場面 | 確認したいこと | 事前に決めること |
|---|---|---|
| 普段の点検 | 施錠、破損、郵便物、敷地の変化 | 担当者、点検範囲、報告方法 |
| 台風・地震等の後 | 落下や倒壊、雨漏り等の異常 | 安全に確認できる時期と専門業者への連絡 |
| 不審な出入りや破損 | いつ、どこに、どのような変化があったか | 警察への相談、所有者への連絡 |
| 担当者が訪問できないとき | 次の点検まで空白が長くならないか | 代わりの担当と委託先 |
災害の直後や危険な建物では、予定どおり点検することより安全が優先です。屋根や高所へ上がる、傾いた建物へ入るといった作業を、自分で無理に行わないでください。
同じ項目で記録すると、前回からの変化が分かる
写真を撮るだけでなく、点検日、担当者、見た場所、変化の有無を一緒に残します。危険のない範囲で前回と同じ場所を確認すると、小さな変化も比較しやすくなります。
| 記録する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 実施日・担当 | いつ、誰が確認したか |
| 確認範囲 | 建物の外側のみ、室内の確認も実施など |
| 気付いた変化 | 窓の破損、門扉の不具合など、見えた事実 |
| 未確認の場所 | 安全上入れなかった場所や、鍵がなく見られなかった場所 |
| 次の対応 | 誰へ連絡し、いつまでに何を確認するか |
異常がないときも「確認した範囲では変化なし」と残すと、未実施との区別ができます。
報告を受ける人と、修理を頼む人を決めておく
点検する人が気付いても、報告先が分からなかったり、修理の判断が止まったりすると対応が進みません。家族間では、連絡の窓口、費用の相談先、急ぐ場合の連絡順を決めておきます。
管理会社へ依頼する場合は、異常発見時の連絡、応急対応の範囲、別料金になる作業、作業前の承認方法を契約で確認します。定期巡回に24時間の緊急駆付けが含まれるとは限りません。
不審者の侵入など緊急時は110番へ通報し、一人で現地へ入り相手を確かめようとしないでください。緊急でない不審な状況は警察署等へ相談します。
負担が増えたら、回数を減らす前に管理方法を見直す
- 1 / 3範囲を決める定期確認と追加対応を分ける
- 2 / 3記録を共有する写真、未確認箇所、次の作業を残す
- 3 / 3負担を見直す家族での分担、委託、利用方針を比較
現地までの交通費、作業時間、修理費を整理すると、今の方法を続けられるか判断しやすくなります。使う予定がない場合は、管理の委託と併せて活用・売却も比較しましょう。
売却の進め方を、専門チームに相談する
遠方の空き家の点検や修理が負担になり、売却を検討している方はご相談ください。専門チームが管理状況と建物・権利関係を伺い、現状での買取条件を検討します。
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